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「今話題のDNA!遺伝子解析が変える未来」高橋祥子さん(後編)


今話題の遺伝子解析

ミイナ:
Dooo!司会の堀口ミイナです。今回も高橋祥子さんにお話を伺っていきます。

*****Dooo*****

今回も遺伝子解析会社ジーンクエストの代表取締役社長、高橋祥子さんにお話をお聞きします。世界中で今話題となっている遺伝子解析

個人の遺伝子解析にとどまらず縄文人の全ゲノム解読やホオジロザメ、コア、ウーパールーパーまで。

日進月歩の遺伝子解析によって明らかになる人、そして生き物の歴史、未来。一方で遺伝子治療やゲノム編集というテクノロジーには切っても切り離せない倫理という問題も。

高橋:

高橋社長は東京大学大学院在籍中の2013年、ジーンクエストを設立。後編ではその人となりから高橋社長の人生哲学までじっくりお聞きします。

研究者であり経営者でもあること

ミイナ:
研究者と経営者って違う能力が求められる気もするんですけど、両立ってどうですか?やってみて・・・

高橋:
そうですね。でも、あの私の中ではあまり分けていなくって、似ているところもあるんですよね。

ミイナ:
いや!名言出ましたね~。そうなんだ!

高橋:

ミイナ:
そう考えるとあまり、バッティングするようなものではない?

高橋:
そうですね。最初はすごく葛藤したこともあったんですけど、俯瞰してみるとバッティングするものではないなっていうことに途中で気づいて。

ミイナ:
結局両輪を回さないと、最終的な高橋さんのゴールにはたどり着けない?

高橋:
そうですね。

困難の乗り越え方

ミイナ:
今までいろいろな困難とかはあったんですか?

高橋:
そうですね、やっぱり、社会人経験なく起業したので、特に起業してからは沢山困難がありましたね。そもそも、サービス設計とか、最初の方は全業務を当然ですけど自分でやらなきゃいけないんですけど、全部経験したことないからできないことしかないんですよね。例えばサービス設計とか、営業とか、採用とか人事、マーケとか全部やるわけですよね。全部できないから、大変でした。やっぱり困難って結構好きで、困難じゃないように見える道ってなんでそう見えるかというと・・・

例えばすごくバラ色の人生でも、全部決まっていますと、で、自分が今努力してもしなくても、すごくバラ色の人生です、だとすごく味気ないというか。つまらないと思いますね。


若者へのメッセージ「夢は公言せよ」

ミイナ:
そう考えると・・・困難とか苦しいことも予想できないことを楽しんでいけば、すごく幅は広がっているわけですよね。若い人に伝えたいこと、メッセージはありますか?

高橋:

ミイナ:
ありました?

高橋:
ありましたね。テストで「勉強した?」って聞いたら「全然勉強してないよ」みたいな。京大はあまりなかったけど、高校生とか中学生とか。で、それって勉強したことがかっこ悪いんじゃなくて、勉強したけど、全然点数とれなかった。挑戦したけど、ダメだったっていうのがすごくかっこ悪いんじゃないかっていう心理があると思うんですけど、

ミイナ:
うまくいきやすいと?

高橋:
はい。

宇宙規模で考えるといいなって思っていて。

そう考えると、挑戦できることには挑戦して、失敗した時には宇宙規模で考えると。

ミイナ:
でも、失敗も次に必ず何かの形でつながると思うと、今成功している人はもしかしたら誰よりも失敗している人かもしれないってことですよね?

高橋:
はい。

ミイナ:
それはあるなぁ。私も全然勉強してないよとか言ってました。今思うと、なんか逆にかっこ悪いですよね。

高橋:
私はすごく言ってて。すごく引かれたりしました。

ミイナ:
かっこいい!


高橋社長の幼少期は・・・

ミイナ:
幼少期はどんな子ども?

高橋:
そうですね・・・

ミイナ:
今や、話も分かりやすくて・・・


京都大学時代はフィギュアスケート部

高橋:
それは後天的に環境要因の方で獲得したものですね。
学部生の時は、京都大学に行ってたんですけど、京都大学ってすごく自由なので、授業もあまりなくって。私、部活がフィギュアスケート部だったんですけど、部活とアルバイトばっかりやってましたね。

後半からは実験が始まって、大学院の時は研究に没頭していましたね。

ミイナ:
いやぁ。何かバイオリン弾いているていうのは知ってたんですけど。フィギュアスケートは知らなかった?柔らかいんですね?

高橋:
いや、柔らかくはないんですけど、ある程度周れはしますね。


*****Dooo*****

人生で影響を受けた本

ミイナ:
ちょっときょう本をお持ち頂いてるということで。何か影響を受けている本を是非ご紹介頂いてもいいですか?

高橋:
いろいろなところで好きな本として挙げているんですけれども「宇宙の扉をノックする」という・・・。

リサ・ランドール先生が書かれた、宇宙物理学者ですね。この本は後半はリサ・ランドール先生の専門の宇宙物理学について書かれているんですけど、前半は科学とは何かとか、科学するのはどういうことか、とか。科学と社会とか。科学と宗教とか。色々なサイエンティストにとって、すごく大事な要素がものすごくたくさん書かれているなと思っています。視野の持ち方とか、どういう目線で世界を見ていったらいいのかとかいろいろなことが書かれていて、すごく考え方が変わるきっかけになった一つの本ですね。


日常生活にも科学者の視点

ミイナ:
日常的に人として生活するときの視点と、科学者としての視点って変わりますか?

高橋:
そうですね、あまり意識して変えているわけではないんですけど、

例えば、すごく、悲しいことがあったり、辛いことがあったときに、そもそもなんで「辛い」と感じるんだろう?とか。その例えば「現実と理想の間にギャップがあるからです」となると、そもそもどうしてそこにギャップがあるんですか?となるじゃないですか。そこは時間軸が違ったりとか、こういう世界に自分が行きたいと思っているんだな、とかその理由をどんどん考えていくっていうのは、よく無意識にやってますかね。

ミイナ:
なんか「WHY? WHY? WHY? WHY? WHY?」って5回聞いたりすると、問題が解決するとかも言いますけどね。

高橋:
そうですね、やっぱり。

ミイナ:
「なんで生きてるのか」とか。

高橋:
そもそも、「何で“辛い”という感情が遺伝子に組み込まれているのか?」とか。

ミイナ:
なんでなんですか?思わなければ楽なのに!

高橋:
でも思わないと、課題解決力にならないですからね。やっぱり、「寂しい」って思わないと、みんな一人で生活しちゃって、種として成り立たなくなっちゃうとか、孤独に関する遺伝子も見つかっていて、やっぱりそういうのが遺伝子に伝わっている理由っていうのがあるんだなって思いますね。

ミイナ:
ある程度寂しがり屋の人間の方が、他の人間と関わろうとするから。色々何かの時にサポートを得やすいとか。

高橋:
そうですね、そうなんですけど、孤独を感じにくい人もいることで、その種と離れたいろいろなところにいっちゃうことが、新しい開拓になったりするわけなので、すごく寂しい人もいれば、寂しくない人もいるというのが大事。

ミイナ:
孤独にある程度強くないと、研究に没頭するとかできないですもんね。

高橋:
そうですね。

*****Dooo*****

最近気になったニュース

ミイナ:
最近、気になったニュースは?

高橋:
う~ん、気になったニュース、サルの脳に人の遺伝子を入れて、サルの遺伝子をいじって、すごく頭のいいサルを中国の研究チームが作ったっていうニュースがあって、すごい世界中で話題になったんですよ。

ミイナ:
え?!成功したんですか?頭がよくなったんですか?

高橋:
はい。その、リアルサルの惑星だって言われていたんですけど、それは出来ちゃうんですけど、それを本当にやっていいの?っていうのが色んな国から声があがって、賛否両論の…私はあまり気持ち悪いとは思わないんですけど、よくいう映画の展開でいうと、頭がよくなったサルが研究室を抜け出して、繁殖して、人間に襲い掛かってくるっていうのが映画のパターンですけど、たぶんそういうのも思い起こした人が多いんじゃないかなって、思いましたね。

ミイナ:
でも、そういうのが出来ちゃうっていうのが、最近の科学技術の進歩が思った以上に…

高橋:
そうなんですよね。できちゃうことがすごく多くなってきているので、それっていいの?よくないの?っていう意思決定を沢山しなくちゃいけない状況になっているんですよね。

ミイナ:
それで考えると倫理問題、モラル問題って考え疲れみたいなのも起きてきちゃいそうですよね。

高橋:
そうですね。

ミイナ:
答えもないのに、毎回、問わなきゃいけないというか。

高橋:
結果、未来のことを予測して今から話し合った方がいいかなとは思うんですよね。

ミイナ:
そういう話は社内でもしますか?

高橋:
う~ん、まぁいろいろな未来の可能性に関するニュースをシェアしたりとかはしていますね。やっぱり、ゲノム情報を個人が知るのはいいのか、悪いのかっていうのは、いまさらだと思うんですよね、私からすると。ヒトゲノムが解読された2003年頃から、こういう未来が来ることはわかっていたので、遅いなとは思うんですよね。

例えば、SFの映画とかはそういう一端を担っているから私はすごく好きなんですけど。

ミイナ:
自分はこういう風に思う、みたいのを今のうちに考えておくというか思っておいた方がいいかもしれない?

高橋:
そうですね。思っておいた方がテクノロジーはいい方に向かうかもしれない。

*****Dooo*****

収録を終えて

ミイナ:
ゲノムを知りたくなったら、この高橋さんの本を読むのが一番いいということだと思うんですが…

高橋:
こちらはゲノム解析は「私」の世界をどう変えるのか?っていう本なんですけど、最近のゲノムの関連のニュースがどういう背景で起こっているのか、今後何が起こっていくのかっていうのを、一般の方に分かりやすくお伝えするような内容になっています。

ミイナ:
みなさん、是非、読んでみてください。

ミイナ:
実はもともと友達だったということもあり、フォーマルな風に今日はやりましたが、やりにくくなかったですか?

高橋:
ちょっとやりにくかった(笑)

ミイナ:
高橋さん、今日はどうも有難うございました!

高橋:
ありがとうございました!


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