選考辞退、内定辞退の原因を2つに分ける
採用において、選考辞退や内定辞退が発生する場合、原因は2つに分類されると考えています。今回は、その分類の前提となるアトラクトに関する説明をし、それを踏まえて原因の分類について説明します。
アトラクトとは?
アトラクトとは候補者さんをひきつけることです。
アトラクトには何が必要かというと
候補者さんが求めるものを
提供できると事実を持って伝えること
だと考えます。
候補者さんが求めるものは大きく分けると動機づけ要因と衛生要因があります。
動機づけ要因 - 満足要素
例
キャリアの実現
事業共感
衛生要因 - 不満要素
例
最低限の給与
リモートワークの利用可否
選考活動を通じて、各候補者さんがこれらのうちどれを求めているのかを確認していきます。
確認できたら、自社がどれを満たすことができるのかを伝えることで、魅力的に感じてもらうことになります。この際に、できる限り事実をベースに伝えることが大切です。
実態が伴わないのに伴うように伝えたり、誇張して表現して本来持っている魅力よりも大きく見せたりすると、仮に入社してもらえても入社後ギャップからのデモチベーションや早期の退職につながります。
選考での確認・伝達不足
辞退の1つ目の原因は選考での確認・伝達不足です。
候補者さんが求める魅力が存在するが、それについて十分に伝えることができていない状態です。さらにこれを2つに分類すると
候補者さんが求める要素の確認不足
候補者さんが求める要素の伝達不足
になります。
候補者さんはそれぞれ求めるものが異なります。
面談、選考を通じ、この部分をしっかりと確認する必要があります。
確認がもれると、各個人にフォーカスしたアトラクトができません。
また、求めるものを確認できても、それを満たせるかどうかを伝えなければアトラクトできません。事実をベースに満たせる点を伝える必要があります。
例えば、「魅力的な同僚と働きたい」という候補者さんがいた場合
実際に魅力的な同僚に面接に同席してもらい、コミュニケーションをとってもらう
魅力的な同僚の存在が伝わるブログエントリを共有しつつ、その魅力を伝える
などをする形になります。
魅力の不足
辞退の2つ目の原因は選考での魅力の不足です。
魅力は2つに分類できます。
絶対的な魅力
相対的な魅力
です。
絶対的な魅力は純粋な魅力で、これが候補者さんが求める水準を超えていることが内定受諾への最低条件になります。
相対的な魅力は選考競合と比較した際の魅力で、候補者さんが併願している他社と比べて最も魅力的である必要があります。自社しか応募していない候補者さんの場合は絶対的魅力が満たせればよいですが、併願している候補者さんの場合は併願他社よりも魅力的である必要があるのです。
選考活動で候補者さんが求めることを確認できていて、自社の魅了を十分に伝えても選考辞退・内定辞退に至る場合、内定受諾をしてもらうために十分な魅力がないことになります。この場合、いくら採用活動を改善しても採用の成功率は高まらず、組織改善を通して自社の魅力を磨く必要があります。短期では実現が難しいため、少しでも早く着手したいところです。
なお、魅力に関わる概念としてEVPあがります。
EVPはEmployee Value Propositionの略で、企業が従業員に提供できる独自の価値を意味します。この「独自」という点が重要で、どの会社でも存在するようなありきたりの価値ではなく、自社でしか得られないような特殊な価値がEVPです。ここを磨くことができれば、「その会社だからこそ選ぶ理由」が生まれ、相対的な魅力の競争に勝ちやすくなります。
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