ITエンジニアの採用成功の最大の壁は採用活動より前にある説
ITエンジニアの採用が激化中の昨今。採用活動の苦戦に対してスカウトや個別の選考などを扱う「採用活動」という範囲でなんとかしようとしがちな面があるような気がしています。
実際に採用が成功するまでの要素を大きく分けると
組織状態>>>越えられない壁>>>認知>>>越えられない壁>>>選考の質
になると考えています。
組織状態
大前提として、入社したくなるような魅力のある組織である必要があります。この部分は組織改善活動によるものです。担当するのは、 VPoE や EM や、最近ちらほらみかけるようになった開発部付き人事(Engineering Office, DevHR, 開発部 HRBP)でしょう。
どんな組織にも課題があり、満点の環境などないでしょうし、どちらかというと「継続して改善している」「改善の声が実際の改善の実施につながりやすい」環境であるところが大事なのではないかと思います。一番まずいのは、「改善の提案は無駄」という諦めがでているケースです。
その上で、ありきたりではない自社特有の魅力をもっているところが大事でしょう。
認知
昨今の採用において、その企業のことを事前に知らないと応募すらしてもらえない、という話があります。
WACULによる調査では、
というような結果がでています。
この部分はいわゆる採用広報活動によって実現されます。担当としては VPoE や EM が全社の広報や広報もやる人事と連携しながらすすめるケースが典型でしょう。
あくまで「よい組織」「魅力ある組織」という事実を広めるのが大事なので「組織状態」と「認知」の間には越えられない壁があります。仮にここで嘘をついたり、盛ったりすると、嘘の情報を元に入社してからすぐ退職してしまう、ということが考えられます。
選考の質
魅力ある企業を作り、広報で認識されてようやく応募してもらえます。候補者さんは、面談・選考を通して広報内容の事実確認や、広報では公開されていなかった情報を確認しつつ、応募している他社と魅力を比較して最終的に内定受諾をする企業を選ぶことになります。
まとめ
「採用に苦戦している」という際に採用の範囲内で人員増強やテコ入れ施策をしてもその前段である「組織状態」「認知」に不足があれば、採用はうまくいきません。
もし、組織状態・認知不足がボトルネックであれば、採用周りの強化よりも先に組織改善、採用広報周りの強化が必要ということになるでしょう。そして採用担当との連携も必須になるため、そういった連携がしやすい組織構造も必要になりそうです。
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