本当は全員が対象では無いはずのカジュアル面談と候補者体験
社員が事業にコミットし、充実して働いていくためには入社前の選考段階から退職に至るまでの従業員体験全体が影響します。
今回は候補者体験を扱いますが、候補者体験も広義の従業員体験の一部です。候補者体験の中でも何かと問題が発生しやすく、 SNS でも不満の声を見かけるのがカジュアル面談です。
カジュアル面談誕生の背景
特にITエンジニア採用において、採用競争の激化から、転職意思が明確ではない転職潜在層もターゲットにしていくために誕生したもの、というのがおそらくの背景でしょう。
カジュアル面談の目的
カジュアル面談の目的は対象ごとに異なります。そのため、まずは候補者さんの種類を整理します。
A. 転職活動をしていない候補者さん
B. 転職活動をしているが、対象企業への応募意思は不明確な候補者さん
A は転職意思が潜在的な人です。この場合は、カジュアル面談を通してお互いのことを知り、改めて転職活動を始める際に転職候補先の一つとして考えてもらえるようにつながりを作るのが主目的です。営業でリードナーチャリングをするように、採用でもタレントプールでリードナーチャリングをしていく場合にあたります。
例外的にものすごくうまくいくときは、意気投合してもともと転職意思がない状態だったはずが、即応募に至る場合もあります。
B は転職意思自体は顕在化しているが、対象企業に応募するには判断材料が足りていない状態の人です。
この場合は、カジュアル面談を通して情報を提供することによって応募判断の材料を提供します。
A, B 以外の候補者さんにとっての候補者体験
A, B 以外の候補者さんは転職意思を明確に持ち、対象企業への応募意思も明確な人です。この場合、本人からするとカジュアル面談をしなくても応募意思がある状態です。
多くの人にとって、転職活動は現職で仕事をしながら時間の制約がある中で行うため、カジュアル面談をスキップして書類選考や一次選考からスタートしたい方も少なくないはずです。
もしカジュアル面談を必須にしていた場合、一部の候補者さんにとっては「ただ単に余計な時間を求められる」というケースも考えられます。
結果として、候補者体験はよろしくないものになります。
その意味で、 A, B 以外の候補者さんの場合はカジュアル面談をスキップするかどうか選択できるとよいでしょう。
※候補者さんが望んでカジュアル面談も含めてもらいたいケースもあるでしょうから、選択式がよいように思います
まとめ
現状ITエンジニアの採用に関しては選考の前にカジュアル面談が必須、というケースも珍しくありません。
カジュアル面談が必要になった背景を踏まえ、候補者体験も踏まえると本当に必須でいいのか立ち返る必要がありそうです。
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