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同じ職種の人の役に立つという強力な採用支援

社外にいる同じ職種の人に役立つことをし続ける」というのがかなり強力な採用支援ではないか、と考えました。
発想のきっかけとしては、私が2022年11月からクラスメソッドに所属したことです。クラスメソッドといえば DevelopersIO です。特に AWS のクラウド関連技術に関しては欠かせないと言ってくださるかたも多いです。
例えば Twitter で「クラスメソッド 感謝」で検索をすると、実際に感謝の声を見ることができます。
そして、実際に DevelopersIO をきっかけにクラスメソッドを知ったという方や、そこでの好感が応募のきっかけの一つという方が複数います。実際、クラスメソッドは自己応募の比率が高く、発信の影響がわかります。

なぜ強力な採用支援なのか?

企業を知ってもらい、興味を持ってもらう上で非常に有効だからです。

例えば同じ職種の人が

  • 問題を解決したい

  • 任意の領域を学びたい

  • ありもののツールで楽をしたい

などをしたいと考えたとします。このとき企業Aが外部に提供している情報やツールによって要求が満たされたとします。
おそらくそのときの感情は「感謝」になると思います。もしかすると、その内容の質次第では「尊敬」も加わるかもしれません。また、内容の技術レベルが高かった場合、レベルの高さも伝わることになります。
企業Aからみると認知と同時に感謝を伴った興味や、未来の同僚のレベル間に関する認識を持ってもらえることになります。この人が転職を検討し始めた際に、過去にこういった経緯でお世話になった企業Aを転職先候補に加える可能性が生じます。

Candidate Journey Map

流れを図示してみます。

DevelopersIO で認知・興味を得る Candidate Journey Map


なぜ採用戦略、手法ではなく採用支援なのか

採用のためにやるというのではなく、そういう価値観の人が集まる会社だからやる、というスタンスじゃないとワークしないからです。
逆に採用したいから人の役に立とう、というのは本当の意味での「役に立とう」という気持ちからの行動ではないと思います。おそらく本当に人の役に立ちたい、という気持ちからの行動と採用目的からの行動だと前者のほうが本当に役立つアウトプットが生まれるだろうと思います。

ということで意図的な採用戦略、採用手法ではなく、結果的に採用の支援になる、という感じです。

役に立つ方法

以下のようなものが考えられるでしょう。

  • ノウハウの発信

    • ブログ

    • 登壇

    • YouTube

    • Podcast

    • 書籍

      • 技術同人誌

      • 商業書籍

  • ツール、ライブラリなどを OSS として公開

  • Meety などによるキャリア相談

特に強力だと考える役立ち方

3つ紹介します。

1. 同業者の学習支援

任意の技術領域を習熟していく過程で不可欠なものや、広く普及していてデファクトになっているサービス、ツール等に関する知見やわかりやすい解説を発信することです。
例えば、その技術に関わる人がかならず企業Aの発信を学習教材としたり、企業Aのライブラリを利用していた場合、その職種の多くの人が企業Aを知って、好感を持ってくれる可能性が高まります。

2. 同業者の問題解決支援

多くの企業にとって困っている問題を解決する方法、業務の質を高めることができる手法を紹介することです。広く重宝されるという意味で1つ目のケースと同様の効果が見込まれます。

3. 同業者のキャリア支援

最後はキャリア相談です。キャリア相談の結果、相手の方のキャリア上の悩みの解決に役立てた場合、その感謝は多大です。そのうえで、転職先候補としての条件もマッチしていれば、候補として加わる可能性が高まります。もちろん、あくまでスタンスはスカウト目的ではない相談なので、あくまで中立的に相談にのるのが大事です。

まとめ

同じ職種の人の役に立つことが採用支援につながる、ということについてまとめました。

文中でも触れたように、採用のために取り組むという感じではありませんが、もし取り組む場合は組織文化として「他者の役に立とう」「ファンをつくろう」というような文化を掲げ、実践していくような形になるかと思います。もちろん、採用方針としてもそのような気質の方を採用するということになります。そして、直接の担当業務とは別に、このような他者の役に立つためのタスクに時間を使うことを許容できる環境である必要があります。

たぶん社内外の人の役に立つのが好きな人が集まった環境は、労働環境としても魅力的になりやすいのではと思います。結果的に二重の意味で企業の魅力を高めますね。
社内の各職種につき最低一人はこれができる人がいると採用にけっこうなインパクトがあるのではと思います。

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