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ヴァイオレットと炭治郎のぶつかりあい

※この記事の前の話がいくつかあるけど気になる人は読んでも読まなくてもいいと思います※

とうとう思い焦がれた『劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデン』を観て海より深く感動した私。
その日の夜だったか、公式から大ヒット御礼につき翌金曜より35mmフィルム4コマ分が来場者特典として配られるとの報が入る。

これは観に行かねばならん。

考える余地もなかった。たとえもらったフィルムのそのコマに人物が映っていなくても私はこれが欲しい。
そう思ったのです。
しかし、この金曜には恐ろしい魔物が現れることが確定していた。

鬼を斬る優しき少年。

そう、『鬼滅の刃 無限列車編』の公開だ。
この時点で全国のTOHOはコロナ対策で座席の制限をかけていたのを鬼滅公開初日からの3日間は解除、劇場内での食事を禁じ飲み物を飲むことだけを許可することで全席開放することを決めていた。
更にはフジテレビ系列での異例のTVシリーズ特別編集版を2週にわたって放送、私の地元では劇場版公開直前の月曜日にTVシリーズの最終回が放送されるという、完璧なお膳立て具合。
何を恐れていたかというと、鬼滅の集客力だ。当日ごった返すことは目に見えている。
いや、そんなものは関係ない。そんな人ごみを横目に悠々と映画を観てやろうじゃないの。私は揺るがなかった。

そして当日。
仕事だったため私がヴァイオレット・エヴァーガーデンを観るのはレイトショー。
だが、朝、映画館の前を通りがかるため様子を伺うと、なんだこの駐車場の埋まり具合。ここ最近の休日でもこの時間こんなに埋まってないぞ?
初回の放映を見終えた人々の手には映画館のショップバッグ。それ有料じゃんエコバッグ持って来ようぜ!
もう、なんというか、異様だった。ここはしばらくそんな異様な雰囲気になるのか、この異様な雰囲気に仕事終わりに足を踏み入れるのか、と少し緊張が走る。
なんせしばらく人がいない映画館しか見ておらず、ほぼ貸し切り状態というのが当たり前になりつつあったので当然身構える。
ただ、ヴァイオレット・エヴァーガーデンが楽しみなのは変わりない。仕事が手につかないほど楽しみだった。一度観たというのに楽しみだった。

業務を終え、上映時間まで1時間半あったため先にチケットを購入してから夕食を摂り、買い物を少ししていたら30分前を切っていた。急ぎ映画館に向かう。

入った途端、通路いっぱいの人。
え、まじ…?
物販の列、チケットの列、飲み物を買う列、入場の列と幾重にも列が折り重なっている。わけわかんね。
飲み物くらい買おうと思っていたが間に合わない気がしたので入場の列に並んだ。チケットを先に発券していてよかった、と一安心した。

ほぼ映画館の外に出ようとしている列の最後尾に並んだ次の瞬間には不安が襲ってくる。
この列、鬼滅専用とかじゃないよね…?そもそもまだ入れるかもわからないし、違いますー、とはじかれて違う列の最後尾につくとかないよね?
いや!そんなことはないだろう!なぜなら、この入場の列は、検温で足を止めるためにこんなにも進みが遅いのだから!
飲み物が買えないかと見に行ったとき、列の先頭の人が検温の端末とにらめっこしているのを見ている。なんで端末2つしかないんだよ、と思ったではないか。
そんなモヤモヤを抱えながら列は淡々と進む。あー、これがオセロだったら私も鬼滅観れるんだろうなあ。

列が進み最初の半券チェックのおねえさんの射程圏内に入る。前の人のチェックが終わりおねえさんと目が合うと、「わ、私、鬼滅じゃないんですけど、ヴぁ、ヴァイオレット・エヴァーガーデン(を観に来た者)なんですけど、入れます?」とコミュ障をチラ見せ。おねえさんはすぐさまインカムで劇場内の担当スタッフに確認をとってくれて「どうぞ、お入りください」と対応してくださいました。この時でたぶん上映15分前くらい。
そして次に控えるは煉獄零巻を足元の箱から取り出してるおにいさん。モギリというか、半券に穴あけパンチで穴をあけて不正入場対策をしながら入場者に煉獄零巻を配布していた。すまん、その手に持った煉獄零巻の対象じゃないんだ私は、との意をこめて「すみません、ヴァイオレット・エヴァーガーデン(を観に来た者)です」と半券を差し出す。一瞬疑問符のおにいさん、気付いて小さなカゴから小さな四角い銀色をくれた。
これが欲しかったんですありがとうございます!!
最後に控えるは検温を見守るお兄さん。実はコロナのご時世になってから三度目の映画鑑賞の私、初回こそ端末が反応せず困ったがその性能が上がっていることは前回の鑑賞で知っている!
停止線で足を止めると即座に表示される36.4℃。あれ?私平熱上がったのでは?

入場しても通路は人でごった返してる。これから観るのか、観終わったのかわからないが非常に邪魔くさい。
私の後ろではヴァイオレット・エヴァーガーデン開場のアナウンス。私、一番乗りだ。やったー。
劇場に入り指定した座席に座るも、5分ほど経過しても誰も入ってこない。たしか30席くらいは埋まってたはずなのにおかしいな…。
あ!そうか、みんな鬼滅のお客さんの足止め食らってるんだ!そう考えるとさっさと並んで確認とった私、名采配では?
幕間の映像が始まる頃には半分くらい埋まって、人の出入りはギリギリまで続いた。本編始まるまでにみんな座れてよかったと思う。

そして、本編スタート。
みんな泣いてました。1回目観た時よりもみんな泣いてて、すすり泣きを聞きながら私も泣いてました。
2回目観てもやっぱり綺麗だな~、と思うし、2回目だからこそ劇伴とか細かいところまで神経が向けられて1回目以上に泣いた。
エカルテ島行ってからね、音楽が良すぎて、ああ、このメロディがヴァイオレットなんだ、と解釈しながら観てました。

観終わって席を立つと、意外と男の人が多かったことに驚く。そして口々に「思った以上に泣いてしまった」と。大の大人があんなに泣いてたなんて、なんて罪作りな京アニ。ほんと安定して素晴らしい作品を作ってくださるわね。

そんなこんなで数日経ち、劇場版ヴァイオレット・エヴァーガーデンは動員数100万人を超えたとの公式からの発表。興行収入は14億円。
一方鬼滅は公開3日で動員数340万人、興行収入46億円。まじでバケモンじゃねえか…。
興行収入10億円を超えればヒットと言われる昨今の映画事情。ヴァイオレット・エヴァーガーデンは5週に渡り興行収入トップ10に入り続け、100万人到達までコツコツ積み上げてきた感じ。たぶん年齢層も20代以上、どちらかというとディープなファン層が多めでリピーターも多いかと思います。
鬼滅は大ヒットどころかスタートダッシュはメガヒット級。年齢層も幅広く、ゆえにライトな層が多い。また、大人も当然いるわけで、元からのファンのリピートに加え、子連れで観に行った親世代の単身のリピートも狙える。鬼滅、ほんと怖い子。

私の職場でも公開3日以内で私以外の全員が観ているという状況です。私も早く観に行かないとなあ。

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