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TVシミュレーション

〔2021.10.03〕
もう1ヶ月も前のものだけど、
芸人さんたちのひたむきさが
グッとくるライブだった。
いったん書いて、
ネタバレになるな、と思って、消して、
でもやっぱり「良いライブだったな」という思いを
残したくて書いた、
MC田畑勇一さん推し目線のライブレポート。

TVシミュレーション

ゲストコンビがテレビ出演でうまくいかなかったことを
講師に相談する「相談コーナー」と、
バラエティに欠かせないリアクション技術を磨く
「リアクション実践コーナー」。

8月の初回は次長課長の河本さんが講師。
ゲスト4組の悩みがとてもリアルで、
その時の河本さんのアドバイスが、
的確で愛があって、とても印象的だった。

今回の講師はチュートリアルの福田さん。
初回がボケの大先輩、今回がツッコミの大先輩。
相談コーナーがどんな感じになるのか楽しみだった。

オープニング

MC田畑さんと講師福田さんのトーク。
田畑藤本さんの1年目、
ルミネの前説でうまくいかなかった時に
チュートリアルさんに助けてもらったエピソード。

エピソードそのものも微笑ましかったけど、
最初の
田畑さん「覚えてはりますかね…」
で、福田さんが即座に
「覚えてるで。」とおっしゃったのがかっこよかった。
芸歴が10年も下。
でも京都市左京区出身という共通点のある後輩を、
ずっと見守ってくださっているのかな。

相談コーナー

この日のゲストは(敬称略)、
素敵じゃないか、ダンビラムーチョ、
前日にKOCで準優勝に輝いた男性ブランコ、
田畑さんと同期のアイロンヘッドの4組。

素敵じゃないかさんの悩みは、
司会者にどう答えたら良いかわからない質問をされた時の答え方。
福田さんからは
「何言ってもええ。絶対司会者がおいしくしてくれる。」
番組MCを信頼してありのまま飛び込んだらいいよ、というアドバイスは、
初回の河本さんと共通していた。

ダンビラムーチョさんは、
キャラ漫才の後にコメントをふられて
キャラのまま答えたら思ったような反応がもらえなかったという相談。
「その時相方どうしてた?」
ここから
ツッコミが普通のことを言うことでボケが際立つという、
ツッコミの名手福田さんならではのアドバイス。

男性ブランコさんは、
前日のKOCのコント後のトークで
もっとうまくやるには、という相談と、
平井さんがボケた時に、
自分がツッコんで良いのか、
MCさんに任せるべきなのか迷う、という相談。

あぁ、とてもリアル。
憧れのMC(ナポリさんが「トッププロ」と命名)に
ツッコまれるのって、
ボケの方としては嬉しいだろうなぁ。
一方、相方さんはちょっとさみしいかもな。
ツッコミって、たいへんな仕事だな。

荒ぶる田畑さん

最後はアイロンヘッドさん。
番組のルールに従ってパフォーマンスをするが、
あとからルールを破ってくる演者の方が
おいしい思いをしている、という相談。

「その真面目さが買われている」と言う福田さんに
「頑張ってる相方が報われなくてかわいそう。」
と熱くなるナポリさん。
「立ちあがろう!」「誰かが立ち上がらないと!」
と盛り上がる舞台上。

ダンビラムーチョ大原さんの
「真面目な人が得になる世の中じゃないと
 ぜったいダメじゃないすか。」

このひとことで、田畑さんが、キレた!
「俺ら、一番台本守るんすよ! 
 どんだけ守ってどんだけ損すんねん! 」

積年の不満を叫ぶ田畑さん。
(むちゃくちゃ共有したいし逐語録も残したけど、
 これは見た人だけの胸の内に。)

総立ちで田畑さんを鎮めようとする後輩の皆さん。
「そうだ!お前が1番辛かった!」と熱くなるナポリさん。
「落ち着け!こんなこと書かんかったらよかった!」と後悔する辻井さん。
はじめは突然の田畑さんの圧に引いていた福田さんも、
最後は一緒になって腹を立てて…。

荒ぶるMC田畑さんが主役になった3分間。

リアクションコーナー

後半は、さまざまな罰ゲームでの
リアクションを実践して判定してもらうコーナー。
前回もだけど、
相談コーナーで出てきたご本人の弱点が
リアクションにも出てくるのがおもしろい。

今回は、アイロンヘッドさんが
ある痛い系の罰ゲームをしていて、
まったく盛らずにリアクションするので
いまひとつ面白みが伝わらなかったという展開に。
真面目さが罰ゲームにも出る、かわいいコンビ。

ツッコミさんへの愛が高まるライブ

相談コーナー終盤の福田さんのコメントが、
ツッコミさんの苦労と哀愁を表していて
じーんときた。

「ツッコミって基本、フリになるようなことやって、死に役というかさ、 オンエアも使われへんとかさ、 ほとんど映ってへんとかさ、そういうのあるけどさ、それはもう、しゃーないんちゃう?」

たばふじ時代でも、解散後の今でも、
藤本さんと一緒の時の
田畑さんのいろんな姿が思い浮かぶ。

パスをなげて、受け止めて、
かばって、励まして、背中を押して、
笑って、ツッコんで、代わりに言い訳して…。

ずっと、こうやってこられたんだな、って。
そして、急に1人になって、
今、一番戸惑っておられるんだろうな…って。

なんにもしてあげられない。

ツッコむ相手を失った田畑さんが、
自分らしく1歩1歩歩いていかれるのを
祈りながら見守るしかない。


見終わって、アーカイブ何周もして、
ツッコミの芸人さんが猛烈に愛しくなる、
そんなライブだった。

ずっと続いてほしい。

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みき
僭越ながら公開しました。

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