ここ一週間ほどで投稿された歌ってみたを紹介しようと試みます!
最近、歌ってみたについてよく書いているのですが、全く統一感無く書いていたので、今回はテーマを設けてみようと思います。
今回のテーマは「ここ一週間ほどで投稿された歌ってみた」です。テーマと呼べるかは微妙かもしれませんが、投稿されたばかりの採れたてほやほやの歌ってみたばかりとなるので、いつも以上に新鮮な気持ちで読んでもらえるかもしれません。
1.踊 / Ado ‐ 紫咲シオンさん
まずはホロライブより紫咲シオンさんの「踊」を紹介。
紫咲シオンさんの歌声といえば、高音が綺麗なことが特長だと思います。今回の「踊」でも、それを遺憾なく発揮していますね。
至るところに高い音があるのですが、裏声を駆使してしっかりと出せています。その後の地声への切り替えもスムーズ。ラップのようになる箇所もかっこよく歌い上げていて、さすがの歌唱力です。エフェクトがかかってケロケロボイスになるところ(Woahのところ)もかっこいい!
基本的にかっこいいイメージが強いですが、時折出るかわいらしさや、やんちゃな感じも紫咲シオンさんらしくていいですね。曲の世界観を表現しながら、自分の色もしっかり出せている印象です。
また、イラストも魅力的です。原曲のMVに出てくるイラストを踏襲しつつ、紫咲シオンさんのイメージを取り入れていてセンスを感じます。サムネイルでもあり、動画の中でもたくさん出てくるものなので、非常に重要な役割ですが、しっかりと原曲と紫咲シオンさんのイメージを融合させてその重責を果たしています。
紫咲シオンさんとAdoさんの楽曲って、かなり親和性の高い組み合わせなのではないでしょうか。既にいくつかAdo楽曲の歌ってみたを出していらっしゃいますが、これからも出してほしいですね。
2.砂の惑星 / ハチ ‐ 陽月るるふさん
歌うま狼Vtuber陽月るるふさんの新作「歌ってみた」です。米津玄師さんが“ハチ”名義で発表した「砂の惑星」のカバー。前回のソロでの「歌ってみた」が「Pale Blue」だったので、続けての米津玄師作品となります。
米津玄師さんの楽曲は凄く難易度が高いものが多く、この「砂の惑星」も、音域はそんなに広くないようですが、2番のラップ調になる部分など、やはり一筋縄ではいきません。
そんな高難度の曲を、陽月るるふさんは上手に歌い上げていると思います。感情を込めてというよりは、やや無機質な歌い方が凄く合っていますね。
難しいラップ部分も、かっこよく決まっていて(何度も録り直したそうですが)、全体的にクールにまとまっています。
陽月るるふさんは基本的に原曲を大事にしていて、アレンジをほとんど加えないそうですが、歌声に個性があるのでどんな曲でも“陽月るるふさんらしく”仕上がりますね。本当にいい歌声だと思います。
そしてもう1つ、歌声と同じくらいに注目したいのがMVです。陽月るるふさんの「歌ってみた」は初期の頃は静止画で、「正しくなれない」からMVがつくようになりました。ただ、本格的な映像作品と言うよりは、イラストの見せ方を工夫して作ってる感じだったんです。
それが、今回のMVは絵コンテからしっかり作られたかなり完成度の高い映像になっています。基本的には原曲のMVに近い作りになっていますが、例えば原曲は途中で砂漠を歩く仲間が2人減っていくのに対して、こちらは徐々に増えていくなど、細かな違いがあります。これは陽月るるふさんが所属している「スナックにり」のメンバーの数とリンクしていて、初めは1人で歩いていた陽月るるふさんが「スナックにり」の一期生メンバーと出会い、さらに二期生メンバーが加わって…という、これまでの陽月るるふさんの振り返りのようなストーリーになっています。フィルムノイズもいい味を出してますね。
特に、ラップのときのイラストが綺麗で、神秘性を感じさせます。陽月るるふさんのママ(スナックにり風に言うと“ババ様”)であるニリツさんのイラストは、大きな武器であると言えますね。イラストがニリツさんのものというだけで、クオリティが一段も二段も上がります!
ちなみになんですが、陽月るるふさんは、つい先日新衣装をお披露目しました(新衣装お披露目配信はこちら)。これからは装い新たに活動をしていくこととなります。今回の作品は、心機一転する前に、陽月るるふさんのこれまでを振り返る集大成とも言えますね。そんな「砂の惑星」を、ぜひ、聴いてみてください。
3.寄り酔い / 和ぬか ‐ 七海ロナさん
このnoteで何度か紹介している七海ロナさん。今回は、和ぬかさんの「寄り酔い」を歌っています。
私は、原曲を知らなかったのですが、大人な雰囲気で凄くいい曲です。歌詞が「エロエモい」ことで話題になっているようですね。
和ぬかさんの楽曲は、ヨナ抜き音階という日本固有の音階が使われているそうで、和のテイストが強いのが特長ということです。
この「寄り酔い」も、どことなく日本のお祭りで流れる音楽のような、そんな感じがありますね。そのためか、歌詞ではそういうフレーズは出てこないにもかかわらず、どことなく夏祭りを思い出させます。
で、そんなメロディーから歌われるのは「エロエモい」歌詞。直球ではありませんが、色々と想像させる“大人な”歌詞が並びます。
女性目線の曲で、それを男性である和ぬかさんが歌うことに味があるようにも思いますが、女性である七海ロナさんが歌うのもアリだと思いましたね。どちらかと言うとサラッと歌う曲なので、いやらしくならず、ドキッとするくらいに留まっています。
イラストも魅力的で、この曲の主人公の好きな人との関係を深めたいけど素直になれない、ちょっとツンとした感じがよく表現されています。
夏祭りからの帰り道、思いを告げたいけど素直になれず、ツンツンした態度をとってしまう七海ロナさんの姿がイメージできますね。
これまでの七海ロナさんの「歌ってみた」とはまた違うテイストになっている「寄り酔い」。夏の夜に聴きたい一曲です。
4.夏の終わり、恋の始まり / すこっぷ ‐ 藤宮コトハさん
すこっぷさんによる「夏の終わり、恋の始まり」を藤宮コトハさんが歌いました。
切なくて、甘酸っぱい歌詞が特長で、ストレートに心情を描いているのですんなりと入ってきますね。それでいて、疾走感のあるメロディーが、青春の爽やかさや胸の高鳴りなんかをうまく表現していて、胸キュンな曲に仕上がっています。
一番の注目は、当然藤宮コトハさんの歌声で、心に訴えかけてくるようでとても素敵です。
特にCメロからのラストのサビ、そして“あなたはやっぱり優しく笑って”までが最高!これが「エモい」という感情なんだなと思いました。コーラスも原曲に忠実に、丁寧に歌われています。
歌声以外、イラストやMVもこだわって作られてます。MVは、歌詞とリンクするように時計が出てきて、時間が進んでいることを表現しているところだったり、本家を意識しつつ作ってあります。どちらも見て、共通点を探すのも面白いかもしれません。
イラストに関しては、藤宮コトハさんの表情が秀逸。好きな人への思いが膨らんで辛い表情にも見えるし、好きな人との時間をうまく過ごせているか不安な表情にも見えます。思いを伝えるか迷っている表情にも見えますね。
で、最終的には歌詞にある通り思いを伝えるんですけど、その答えは曲中では明かされないままなんです。だから、聴く側が想像するしかないわけですが、この「歌ってみた」のMVでも、“あなたはやっぱり優しく笑って”のときには、藤宮コトハさんの姿が映らなくなります。果たしてずっと悲しそうな表情だった藤宮コトハさんは笑顔になれたのか…。そういう想像ができる余地があるのもいいですね。
夏の終わり、恋の始まり、主人公は藤宮コトハさん。物語の結末は、動画を見たあなたが決める!…のかも?ぜひ、聴き終わった後に、藤宮コトハさんの表情を想像してみてください。
5.かくれんぼ / 優里 - 飛良ひかりさん
有閑喫茶あにまーれの飛良ひかりさんの新作「歌ってみた」です。
飛良ひかりさんのことは、デビュー当初からこっそり追いかけているんですけど、どんどん歌が上手くなっている印象があります。初期は、素人が言うのもなんですが、歌声の個性は強いけど少し粗い感じだったんですけど、活動を続けていくにつれて、凄く洗練されてきました。
この「かくれんぼ」でも、心地よいハモリや、綺麗な音の伸びを聴かせてくれて、色々な面でスキルアップしていると感じました。それでいて、感情を込めたときに声が震えるところなどの個性はしっかり残っていて、飛良ひかりさんの歌声、飛良ひかりさんの世界観をしっかり確立出来ています。
原曲を歌っている優里さんが紡ぎ出す歌詞は、印象に残る言葉遣いが多くあるのが特長です。例えばこの曲でも、“孤独と二人息がつまる”や、“君の頭の中は満員まるで朝の小田急線”など、頭に残るフレーズがいくつも出てきます。
飛良ひかりさんはそんな言葉の1つ1つを大事に歌ってくれるので、心にすんなりと溶けていきます。それもまた、表現にこだわる飛良ひかりさんならではだと思いますね。
また、飛良ひかりさんの「歌ってみた」は、毎回同じ方がイラストを担当されているのですが、毎度毎度、曲の世界観と、飛良ひかりさんの世界観をうまいことミックスして、これだ!となる絵をバシッと描いていらっしゃいます。そのおかげで、よりイメージが湧きやすくなっていると言えますね。
この曲は、男性目線なのですが、このイラストがあるおかげで女性目線の曲にも思えてきます。「歌ってみた」において、いかにイラストが重要かが分かります。
飛良ひかりさんは、自分なりの歌声を持っていて、それでいて、「歌ってみた」を出すごとに、より聴きやすく、洗練されてきています。これからもきっと、成長していく姿、そして飛良ひかりさん流の表現を見せてくれると思うので、楽しみにしましょう。
ちなみにですが、飛良ひかりさんはこの「かくれんぼ」の直前に、「春を告げる」という曲の「歌ってみた」も出しています。そちらもまた味わい深い作品となっているので、併せてチェックしてみてください。
まとめ
今回は、「ここ一週間ほどで投稿された歌ってみた」をテーマに紹介してきました。季節を感じさせるものもあれば、自分の活動の節目として作成されたようなものもあって、それぞれどんな思惑でその曲を選んだのかが感じられて面白いですね。
「歌ってみた」に限らず、Vtuberさんの動画は初動が非常に重要なんだそうです。初めに高評価やコメントなどがたくさんされると、おすすめにあがってきやすいんだとか。
今回の記事を読んで、いいなと思う曲があったら、ぜひ、高評価ボタンを押したり、感想をコメントしたりしてみてください。先ほど言ったような効果もありますし、何よりVtuberさんのモチベーションが上がります。
新鮮な「歌ってみた」は新しいうちに!この記事があなたと「歌ってみた」の出会いのきっかけになることを祈っています。