ハコネクトの“おめでたウィーク”に投稿された歌ってみたを紹介します!

Vtuberさんは誕生日や〇周年など、記念となる日に「歌ってみた」を投稿することが多いです。Vtuberグループ「ハコネクト」も例外ではなく、記念日を迎えたメンバーは、たくさんの思いを込めた渾身の作品をファンに届けます。

ただ、先週のハコネクトはそのおめでたい人数が半端ではなく、10月31日~11月6日までの間に誕生日を迎えたメンバーが3人、そして1周年を迎えたメンバーが6人と、1週間を通して所属する15名の内半数を超える9名もの大人数が節目を迎える“おめでたウィーク”となりました。1週間でこれほどお祝い事が重なることも珍しく、ある種のお祭りのような日々であったと言えます。

今回は、そんな“おめでたウィーク”の間に発表されたハコネクトメンバーの「歌ってみた」を紹介していきたいと思います。どれも選曲からこだわった素晴らしい作品ばかりなのでハコネクトを知らない方も聴いてみていただければと思います。

ハッピーホロウと神様俱楽部 ‐ ナノウ / 夜夢瑠紅さん

トップバッターは1期生である夜夢瑠紅よるむるくさんの「ハッピーホロウと神様俱楽部」。誕生日である10月31日に投稿されましたが、その日はハロウィンでもあるのでそちらを意識した選曲。キュートな歌声とMVに、実は意外と毒のある歌詞がアンバランスで、ちょっと怖さも感じます。その辺りがハロウィン感を演出していると言えますね。

夜夢瑠紅さんは1期生であるため、キャリアとしてはハコネクト内でも長く、必然的に「歌ってみた」もたくさん投稿しています。で、凄いのがほとんどの「歌ってみた」のMVを自分自身で制作していること。例えば夜夢瑠紅さんも投稿している「グッバイ宣言」や「ヴァンパイア」、「神っぽいな」などは、ある程度「MVはこういう感じ」という定石のようなものがあります。ただ、夜夢瑠紅さんはそうでない場合であっても曲からインスピレーションを受けてオリジナルのMVを作ることが出来るので、それが本当に凄い。今回紹介した「歌ってみた」のMVも素晴らしい出来で、視覚と聴覚両方で楽しめる作品に仕上がっています。

他のメンバーの「歌ってみた」のMVを担当することも多々あり、先輩としてだけでなく、技術的な面でもハコネクトを支えている夜夢瑠紅さん。その上で後輩とのコラボ配信ではいじられ役もこなしたりなど、決して偉ぶらないのが好感を持てますね。ハコネクトがいい雰囲気で活動できているのは、夜夢瑠紅さんの影響が大きいといっても過言ではないでしょう。

現在チャンネル登録者数が8800人を超えており、ハコネクト内の節目である1万人まであと少しのところまで来ている夜夢瑠紅さん。順当にいけば、七彩なないろてまりさんに続く大台突破は夜夢瑠紅さんになりそうです。これからも様々な面でハコネクトを支え、引っ張っていってほしいです。

無理に笑わなくて良いよ ‐ 水野あつfeat. 可不 / 橘シエナさん

次に紹介するのは11月3日に誕生日を迎えた3期生たちばなシエナさんの「無理に笑わなくて良いよ」。「無理に笑ったり、我慢しなくていいんだよ」というメッセージが伝わる1曲です。

この曲は気持ちを溜め込みやすい橘シエナさん自身に向けて、そして配信者に似て恐らく溜め込みやすいタイプであろうHPさん(橘シエナさんのファンネーム)に向けて歌ったものであるとのこと。誕生日という自分が主役である日に周りを思いやるような曲を選ぶところに、橘シエナさんの人柄が表れているような気がします。

注目ポイントは時折混ざるエッジボイス。素直で真っ直ぐな歌声の中に挟まれることでより感情が鮮明になり、色鮮やかに浮かび上がります。2分にも満たない短い楽曲ですが、その中に橘シエナさんらしさが存分に詰まっているように思いますね。

これから1年、2年と活動を続けていくであろう橘シエナさん。配信者もファンも互いに無理をしない関係性で楽しく歩んでいってほしいです。

さくらんぼキッス 〜爆発だも〜ん〜 ‐ KOTOKO / ミラ・ルプスさん

続いて紹介するのは同じく3期生のミラ・ルプスさんによる「さくらんぼキッス 〜爆発だも〜ん〜」。ミラ・ルプスさんは特に記念日というわけではありませんが、“おめでたウィーク”中に投稿されたということで併せて紹介します。

この「歌ってみた」のポイントは何といってもアイドルに特化したミラ・ルプスさんの歌声。ミラ・ルプスさんは普段の配信では三枚目キャラに徹している感じがあり、同期とのコラボでもそのようなムーブがしばしば見られます。ただ、このカバーではそんなイメージを覆し、かわいさを前面に押し出して歌っていて、それが本当に魅力的。例えるならば、異性とも意識していなかった幼馴染がふとした瞬間にかわいく思えてドキドキしてしまうような、そんな感覚に陥ります。

元々ミラ・ルプスさんは歌声の幅が広いことに定評があり、投稿された「歌ってみた」を見ても、「MIRA」などのかっこいい系から「八月の夜」などの爽やかロック系、「ずんだダンシング」などのずんだ系(?)と、曲ごとに丸っきり違った表情を見せてくれます。この多彩な歌声は、どちらかというと何かのジャンルに特化した歌声を持つメンバーが多いハコネクトにおいて、同期の小日向千虎こひなたちこさんと共に貴重な存在であると言えると思います。将来的にハコネクトがライブイベントを行った際には、屋台骨を支えるような働きが期待できますね。

普段の姿を知っている方がこの曲を聴いてもギャップを感じると思いますが、逆にこの「歌ってみた」からミラ・ルプスさんを知った方が配信を見に行くとそれ以上にギャップを感じることでしょう。ぜひとも、配信にも足を運んでいただきたいですね。

ポジティブ・パレード ‐ DECO*27 / 星ノ音コロンさん

ここからは1周年を迎えた2期生メンバーの「歌ってみた」です。最初に紹介するのは星ノ音ほしのねコロンさんによる「ポジティブ・パレード」。

目まぐるしく変わる曲調と前向きな歌詞が星ノ音コロンさんのキャラクター・声質とマッチしていて、魅力的な作品に仕上がっています。コールに他の2期生メンバーも参加しており、その点で“2期生1周年”を強く印象づけられますね。

星ノ音コロンさんはアニメのキャラクターのような声質が特徴。歌においてもその特徴がよく出ています。ここまで特徴的な声質だと歌える曲の幅が狭そう…と思いきや、様々な声を使い分けることで別人のように変貌を遂げます。

それが短い時間で分かるのが以下のshort動画。

まるで2人で歌っているように聴こえますが、実は星ノ音コロンさんが1人2役で歌っています。その他にも歌枠を切り抜いたウタカタララバイのshort動画なども投稿されており、その魅惑的な声の使い分け、歌唱力の高さを伺い知ることが出来るので、ぜひとも併せて視聴していただきたいです。

普段の配信では天真爛漫な性格や、ファン、メンバーから“うがい”と称される癖が強い叫び声など、明るく賑やかなキャラクターの星ノ音コロンさん。その上で実は涙もろい一面があったり、知れば知るほど魅力を感じる素敵なVtuberさんです。この記事をきっかけに少しでもその魅力が広まれば幸いです。

ベテルギウス ‐ 優里 / 愛咲よつのはさん

愛咲うさきよつのはさんが歌ったのは優里さんの「ベテルギウス」。夜空を瞬く星々を人と人の繋がりに例えた歌詞が特徴的な楽曲です。弦楽器の優しい音が印象的なアコースティックバージョンで歌っています。

この曲の歌詞は主人公と“君”の繋がりを感じさせる内容となっていますが、愛咲よつのはさんにとって“君”とは誰なんだろうと考えたとき、思い浮かぶのは同じ2期生のメンバー、先輩や後輩、そしてファンだと思います。特に2期生のメンバーとは、互いにぶつかり合ったり、手を取り合ったり、まさにこの曲の歌詞そのままのような関係性を築いていると言えるでしょう。1周年という節目にこの曲を歌うということは、とても大きな意味を持っているような気がしますね。

「歌ってみた」の内容としては、コーラスを極力入れすぎず、シンプルに愛咲よつのはさんの歌声で勝負している印象。大サビの前、所謂落ちサビでは一時オケの音も無くなり、よりそれが際立っています。優しい歌声が心地よく、初期からのファンの方は、聴いているとこれまでの愛咲よつのはさん、及び2期生の活動の軌跡を思い起こせるのではないでしょうか。愛咲よつのはさんは「これまでにない歌い方」であると語っていましたが、その挑戦は成功であったと言えるでしょう。

愛咲よつのはさんは11月6日を持って1年目の活動を終えて、2年目の活動が始まります。これからも大切な存在である“君”と共に、ときにぶつかり合い、ときに手を取り合いながら、輝いていってほしいですね。

アトラクトライト ‐ *Luna / 綾坂希穂さん

綾坂希穂あやさかきほさんが歌ったのは「アトラクトライト」。夢を追いかける人が挫折を乗り越えた先に光を見つける姿を描いた、爽やかな1曲です。

歌詞で印象的な言葉はサビ。“辞めてしまいたい理由なら10も100も1000もあった でもその全てがちっぽけに見える一つがあった”の部分です。綾坂希穂さんにこの歌詞を当てはめるなら、辞めたい理由をちっぽけなものにしてしまうものと言えば、やはり同期やその他メンバー、そしてファンの存在でしょう。

Vtuber活動は“横一列でスタートを切った”としても進む速さはそれぞれで違い、“道標なんてない誰も教えてくれない”不安が多い職業です。心が折れかけることもあったかもしれません。ただ、それでもこうして誰1人欠けることなく1周年を迎えられたのは、互いに支えてくれる存在があったからと言えるでしょう。この曲は、そのようなことを想像させるものだと思います。節目にピッタリな選曲ですね。

綾坂希穂さんの「歌ってみた」を聴いて毎回思うのが、声の陰影がハッキリしているなということ。この「アトラクトライト」や「夜明けと蛍」でもそうですが、曲全体を1つのストーリーとして捉え、盛り上がるところを光らせるためにその他のところで一歩引くことが出来る、そんな印象があります。結果として曲全体を通して聴いたときに影がクッキリと浮かび上がり、聴きごたえのある作品となっているような気がしますね。

また、配信者としての綾坂希穂さんに目を向けると、個人的に良いなと思うのが“伸びるかどうか”ではなく“自分がやっていて楽しいかどうか”で活動の指針を決めているところ。プロ野球の試合を同時視聴したり、ドラフトやストーブリーグについて語る配信は、Vtuberファンにとって決して万人受けする題材では無いと思います。ただ、配信業で一番大事なことは、やはり配信者自身が楽しむこと。そう考えると、ある意味では正解であると言えます。これからも今のスタイルを貫いていってほしいですね。プロ野球好きとしてもコアな部分まで語れるVtuberさんは貴重な存在なので、我が道を行く綾坂希穂さんでいてほしいです。

愛に出会い恋は続く ‐ HoneyWorks / ソフィ・ローズさん

ソフィ・ローズさんが歌ったのはHoneyWorksさんの「愛に出会い恋は続く」。幸せ一杯のウエディングソングです。

歌詞やMVを見る限り、ファンへのメッセージを強く感じます。純白のドレスを着て“目移りしないでね”“大好きでいてよね”とささやかな圧をかけるソフィ・ローズさん。その姿が一癖も二癖もあるメンバーが揃うハコネクトで数少ない純粋な清楚枠である彼女にピッタリです。ウェディングソングではありますが、“結婚してハッピーエンド”ではなくその後も恋が続くという内容の歌詞が、「1周年を迎えたけどもこれからも変わらず応援してほしい」という気持ちを伝えているような、そんな気がします。概要欄を見ると、ファンやメンバーに向けての思いも書いてあるので、それを読みながら聴くとさらにグッときますね。

ソフィ・ローズさんの歌声は、人柄をそのまま表したような柔らかさ、透明感が特徴。ただ、決してか細いわけではなく、芯の強さも感じられて素敵です。透明感と力強さというと、相反する要素のような気がしますが、それを両立できるのが凄いところだと思います。今回の「歌ってみた」以外では誕生日記念の「心拍数♯0822」などで特にそれを感じますね。

普段の配信でも、基本的に清楚で優しいソフィ・ローズさん。ただ、時折そこから逸脱したような言動もあります。それもまた、素の性格を垣間見たような気がして、ファンとしては嬉しかったりします。これからもパッと見のキャラクターと、さらに表面からは見えないようなキャラクターと、両方を出していってもらえたらと思います。

最後に

今回は、ハコネクトの“おめでたウィーク”に投稿された「歌ってみた」を紹介していきました。1週間の内に1つのグループからこれだけの数が投稿されるのも珍しいので、良い作品をたくさん聴くことが出来てとても嬉しいです。

ハコネクトは今まさに知名度をどんどん上げているVtuberグループで、最近はマチアソビへの出展、バーチャル物産展への出演など対外的な活動も増えてきています。配信においても、ハコネクト内でのコラボ以外に外部のVtuberさんとのコラボが増加しており、外への発信を強めている印象です。

11月6日で2期生が1周年を迎え、4ヶ月後には3期生も同じく1周年の節目を迎えます。メンバーの円熟味が増したところに新しいメンバーが入ってきたら、さらに勢いがつきそうで今から期待が高まります。これからも注目していきたいですね。

この記事を読んでハコネクトを知った方が、ぜひとも“ハコリス(ハコネクトリスナー)”になってくださることを期待します!




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