今週注目の「歌ってみた」を紹介します!ウィークリー歌みた!Vol.5
しばらく書いていなかったのですが、良質のカバーが多かったので久しぶりに「ウィークリー歌みた」、やっていきたいと思います。
それでは前置きはそこそこに早速参りましょう!
【今週の最注目!】正解はひとつ!じゃない!!/ミルキィホームズ ‐ 亜玖魔サキさん・間取かけるさん・海月シェルさん・猫乃ユキノさん
今週最も注目していただきたいのはこちら!亜玖魔サキさん、間取かけるさん、海月シェルさん、猫乃ユキノさんという人気のVtuberさんが集結した豪華コラボ「歌ってみた」です。曲はテレビアニメ「探偵オペラ ミルキィホームズ」よりオープニングテーマの「正解はひとつ!じゃない!!」。
ポイントは何といっても豪華なメンバーによる歌声!今回が初めての「歌ってみた」コラボという方も多く、それぞれのファンにとっても価値あるものとなっています。
パート分けは原曲に忠実で、亜玖魔サキさんがシャーロック・シェリンフォード、間取かけるさんが譲崎ネロ、海月シェルさんがエルキュール・バートン、猫乃ユキノさんがコーデリア・ブラウカを担当しています。
基本的にかわいく、元気な曲なので、4人もその魅力をしっかりと表現。コールも合わさって、聴いているだけで気持ちが沸き立ち、テンションが上がる仕上がりになっています。
ただその中で、単純に「かわいい」で終わらないのがこのメンバーの凄いところ。歌うまVtuberさん達らしいきれいなコーラスで、しっかりと実力を見せてくれます。ぜひ、ヘッドホンやイヤホンを使用してじっくりと聴いてほしいですね。コールと併せて、この声は誰だろうと想像するのも楽しいです。
また、曲の展開としては、間奏後に特に注目。大体の曲はここに一番の盛り上がりを持ってきますが、この曲も例外ではありません。
亜玖魔サキさんのソロ歌唱から始まるラストの展開は素晴らしく、まさに悪魔の独壇場!パート分けの構成上、亜玖魔サキさんが特に目立つため、「スーパーサキちゃんタイム」状態に!亜玖魔サキさんが仲良しの歌うまVtuberさんに支えてもらいながら中心的な役割を果たすという、けんぞきゅ=亜玖魔サキさんのファンにとっては非常に嬉しいものになっています。ここを聴きたいがために何度もリピートしたくなるレベルです。
MVにも触れておきます。コラボ「歌ってみた」のMVはとても重要で、同時に作成が難しいものでもあります。理由は誰もが歌っているメンバー全員を知っているわけではないから。
例えば今回のコラボでも、亜玖魔サキさんのファンならば、コラボ配信や、Twitterでの交流を見て、メンバーのことをある程度知っていますが、他のメンバーのファンの方ならばそうはいきません。「この娘は知ってるけどこの娘は初めてだ」という方も多くいるでしょう。
そんなときに重要なのが、MVで誰が歌っているかが分かりやすくなっているかということ。誰を映すかだったり、歌詞の色付けだったりで、メンバーを知らない方でも入りやすいように配慮する必要があります。このMVでは、そこがしっかり工夫されていて凄く分かりやすい。
その上で、フォントを変えたり、ハートが飛ぶ演出で単調にならないようにしているのも凄い。様々なことを考えて作られたMVだなと感じます。
そしてそんなMVですが、作成したのは何と亜玖魔サキさん!その他は外注なのでMVも外注なのかと思いきや、まさか自分で作っているとは!ファンの間でもTwitterで驚きの声が上がっていました。ぜひ、MVの細かなこだわりにも注目してください。
歌うまVtuberさんが集結した夢のような「歌ってみた」。クオリティも高く、それぞれのファンの方も満足の仕上がりだったのではないでしょうか。たくさん、たくさん聴きたいですね。
点描の唄 / Mrs. GREEN APPLE feat.井上苑子 ‐ 亜玖魔サキさん・水蜜ももさん
亜玖魔サキさんと水蜜ももさんというAXEL-V所属の2人によるコラボ「歌ってみた」。Mrs. GREEN APPLEの珠玉のバラードをカバーしています。ハモリが多く、2人の美しい声の重なりを堪能することができる1曲。
順番に見ていくと、1番は水蜜ももさんが中心です。優しく、しかし凛とした歌声で、出だしからいきなり聴く人の心を掴みます。そこに亜玖魔サキさんの歌声が加わり、ハーモニーを響かせながらサビへ。ここでも水蜜ももさんが主旋律で亜玖魔サキさんがコーラスを担当しています。
2番になると亜玖魔サキさんへと中心は移ります。サビにおいても主旋律は亜玖魔サキさんが担当し、水蜜ももさんはコーラスに。この主旋律とコーラスが入れ替わり、1番と2番で違う表情を見ることができるのも、コラボ「歌ってみた」の醍醐味ですね。特に水蜜ももさんの超高音のコーラスは要注目。
そしてここからは怒涛の展開。2人の歌声が掛け合うようにしながらラストのサビへと向かいます。聴いていてとても気持ちがよく、目を閉じて曲の世界に身を委ねたくなる、そんな時間が続きます。アウトロの余韻まで、しっかり味わいたい。
2人とも声量があるタイプなのですが、聴いていてきつくなることはなく、最後まで安らかな気持ちで聴けるのは凄いですね。
個人的には、このコラボ「歌ってみた」は亜玖魔サキさん、水蜜ももさん双方にとってチャレンジが多いものだったのではないかと感じています。
水蜜ももさんはコラボで「歌ってみた」を出すこと自体が初めてですから、誰かとガッツリハモるのは初めての経験。亜玖魔サキさんにとっても、男声パートを担当し、低めの声でハモリを入れることはあまりないような気がします。
そんな、チャレンジだらけの中で、これほどのクオリティで仕上げてくるのは本当に素晴らしい!ぜひ、多くの方に聴いてもらって、どんどん再生回数を伸ばしてほしいですね。触れるのが最後になりましたが、海鼠先生によるイラストも、それだけでバシッとMVが決まるくらいのとてもいいものなので、そちらも注目してください。
同じグループに所属する仲良しコンビによる「歌ってみた」。2人のファンだけでなく、初めて知る方にも聴いていただきたいです。
フォニイ / ツミキ ‐ 桜あおいさん
続いて紹介するのは、桜あおいさんによる「フォニイ」。各所で絶賛されている快作です。
公開は11月26日なのですが既に2万再生を超えており、その注目度の高さが伺えます。
この動画のポイントは何といってもMV。何と、オリジナルのアニメーションが作成されています。まるで何かのアニメ作品かと見紛うようなクオリティで「フォニイ」の世界観を自己解釈で表現しています。
この“自己解釈”というのが非常に重要。Vtuberさんの「歌ってみた」のMVは、静止画を見せ方で工夫しているものや、原曲のMVをオマージュしているもの、歌詞をそのままなぞったようなものが多いのですが、桜あおいさんの場合は、「フォニイ」の世界観だけでなく、Vtuberとして活動する上での自身の葛藤などを混合させていて、より奥深い表現になっています。歌詞から想像を膨らませて別の物語をMVで表現するという手法は、現実の邦楽ではよく見られるものですが、それをVtuberさんで行っている方は中々いないと思います。そこが、この「歌ってみた」が評価される理由なのではないでしょうか。
と、ここまでMVの良さについてばかり語ってきましたが、これはあくまで「“歌って”みた」なんで、最も大事なのは歌。いくらMVの出来が良かったとしても、歌が良くなければここまで高い評価を得ることはなかったでしょう。この「歌ってみた」は、桜あおいさんの歌声があって、初めて完成と言えます。
出だしから中盤にかけては、「フォニイ」=偽物と出会ってからの葛藤、心の迷いなどを的確に歌声で表現。その表現力の高さに驚きます。一方で、最後の大サビでは、偽物に完全に打ち勝ち、自分自身を取り戻した主人公の感情を爽快な歌声で表現していて、曲全体を1つの物語として捉えたスケールの大きさを感じさせられます。壮大な表現方法は、このMVと桜あおいさんの歌声あってこそのものでしょう。
桜あおいさんの歌声は、攻撃的、苛烈といった、強めの言葉が似合います。そしてそれが「フォニイ」の世界観と融合した結果、まさに快作と呼ぶのが相応しい作品が出来上がりました。ぜひ、この「歌ってみた」の世界に、もっと多くの人に触れてほしいですね。今よりももっと、再生回数が伸びることを期待します。
寄り酔い / 和ぬか ‐ Nanoha。さん
次に紹介するのはNanoha。さんの「寄り酔い」。「寄り酔い」といえば、男女のもどかしい恋愛模様を描いた作品ですが、少し年齢層が高めと言いますか、大人な歌詞が特徴です。
そのため、ちょっとアダルトな雰囲気が漂う楽曲ですが、それをNanoha。さんが歌うことで、その雰囲気が緩和されています。中高生くらいの年齢の少女がお祭りの日に少し背伸びをして大人の女性を演じている…そんな姿も思い浮かびますね。
じゃあ大人の女性の色香みたいなものは全然表現できていないのかと言うと、そういうわけではなく、吐息交じりの歌声に、頻繁に入る囁き声のコーラスが凄く魅力的。この曲は“家まで送ってもらいたい”“朝まで過ごしたい”だけど、素直になれずその気持ちを言い出せないという女性の目線で描かれていて、どちらかと言うと主導権はお相手の男性に握られています。それなのにNanoha。さんの「寄り酔い」は、その静かな歌声に酔ってしまい、女性側=Nanoha。さんに翻弄されてしまうような、そんな感じもありますね。
背伸びした少女のような雰囲気と、大人の女性の雰囲気、2つが混在しているような魅惑の歌声です。「んっあっあっ。」でも同じような歌い方を見せていましたし、案外得意分野なのかもしれません。
人気の楽曲である「寄り酔い」。たくさんのVtuberさんがカバーしていますが、その中でもNanoha。さんの「寄り酔い」は独特な味を持った仕上がりになったと思います。ぜひ、この魅惑の歌声に浸ってほしいですね。
蝸旋 / jon-YAKITORY feat. Ado ‐ 神田みんとさん
最後は神田みんとさんによる「螺旋」を紹介。タイトル通り、負の螺旋に閉じ込められる中、何とか希望を見つけて前に進もうとする姿を描いているこの曲。力強いAdoさんの歌声により、強烈なメッセージ性を持った仕上がりとなっています。ゲーム作品の主題歌にもなっているので、そちらをプレイした方には馴染みがある楽曲でもあるかもしれません。
Adoさんの歌う楽曲の特徴と言えば、「がなり」です。神田みんとさんもAdoさんに寄せて、かっこいいがなりを披露しています。声質も近いものがあり、本家が好きな方でも違和感なく聴くことができるでしょう。曲が持つ強さに負けない歌声で、過去を悔やむ気持ち、そしてそれを自分の中で消化し、がむしゃらに進み続けるひたむきさをしっかりと感じられます。
神田みんとさんは歌を中心に活動しているVtuberさんで、今回の「螺旋」の他にもたくさんの「歌ってみた」を出しています。
幅広い楽曲を歌っていて、「快晴」では夏のイメージに合わせた爽やかな歌声を、「フォニイ」では妖艶な歌声をというように、曲に合わせた歌い分けも見事にこなします。その上でベースとなる歌声はしっかりしているので、何を歌っても「神田みんとさんらしさ」があるのも素晴らしい。
そんな中、特におすすめしたいのが「Happy Halloween」の「歌ってみた」。曲のイメージに合わせてキュートに歌い上げているのですが、間奏部分では何とラップを披露!動画の概要欄で説明してあったのですが、私は不意打ちで聴いたので、度肝を抜かれました。凄まじいセンスを感じましたね。
まだまだチャンネル登録者は400人を超えたところと決して多いとは言えない神田みんとさん。しかし、この溢れんばかりの音楽センスはきっと多くの人に賞賛されるべきものだと思います。ぜひ、たくさんの人に早く見つけてもらいたいですね。
まとめ
今回は5曲紹介しました。大人数のコラボ曲あり、オリジナルアニメのMVありと個性的な「歌ってみた」が揃ったと思います。聴いてみて驚くようなクオリティの作品ばかりなので、ぜひ、自身がまだ触れたことのないVtuberさんの「歌ってみた」も聴いていただきたいです。
今回で言えば、神田みんとさんのような、まだチャンネル登録者は少なくても、力を持ったVtuberさんはたくさんいるはずです。注目の「歌ってみた」を挙げていく中で、そういった方々にもスポットをあてられるような記事を目指してこれからも書いていきたいと思います。
各Vtuberさんのチャンネル
最後に今回紹介したVtuberさんのチャンネルを貼っておくので気になった方をぜひ登録してください。