【若者の地方に対する意識調査】約4割が「地方暮らしをしてみたい」と回答 “完全移住”の希望が最多で、同世代の移住者がいる地域に魅力
9月14日、「東京圏の若者の地方に対する意識調査」の結果を発表しました。
方法:インターネット調査/期間:2023年7月26日~7月27日
対象:東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)に住む15~29歳の男女919名
(特に断りがない場合、n=919で結果を示しています)
(グラフでは小数点第1位を四捨五入しているため、合計が100%にならないことがあります)
結果のポイント
東京圏に住む若者の49.3%は地方暮らしにあこがれていることが判明。そのうち「実際に地方暮らしをしてみたい」と回答したのは79.0%(全体の約4割に該当)。
地方暮らしをする場合、完全移住を希望しているのは47.5%。お試しなどの短期間移住の希望は22.1%、都心との二拠点生活を望むとの回答は21.2%となった。移住先のコミュニティとして「最も暮らしやすい」と考えるのは、すでに自分と同世代の移住者がいる地域(59.2%)。
仕事に対する価値観は、「キャリアアップ」より「プライベートの充実」が大切であると回答したのが54.5%と半数を超えた。「キャリアアップ」のほうが大事とする回答は12.5%。
自分にとって「良い仕事」をするには都市圏に住んだ方が良いと考えているのは全体の約6割に上り、地方でも「良い仕事」はできると考えるのはわずか1割程度となった。
「良い仕事」の条件を尋ねると、多い順に「収入が高い」(53.3%)、「楽しさ・やりがいを感じる」(47.9%)、「働きやすい」(46.2%)となった。地方での仕事の「収入」に関するイメージが影響し、地方暮らしの意向がありながらも踏み出せないケースが多いとみられる。
東京圏に住む若者の25.8% がふるさと納税の経験があり、未経験だが意向があるのは43.5%。
出身地ではなくとも愛着を感じる「第2のふるさと」がある人は、29.1%。第2のふるさとと出会ったきっかけがふるさと納税だったという人は64.8%。
持続可能な地域づくりに貢献したいと答えたのは、55.7%。年代別では15~19歳が最も多く、65.9%が貢献したいと回答。
結果の詳細
1)「地方」に対するあこがれと、地方移住の意向
◆ 地方で暮らすことにあこがれるかを尋ねると、あこがれる(「とてもあこがれる」「あこがれる」)と答えたのは49.3%。そのうち、79.0%が「実際に地方暮らしをしてみたい」と回答。
◆ 希望の地方暮らしのスタイルは「完全移住」(47.5%)が最多。移住先のコミュニティとして「最も暮らしやすい」と考えるのは、すでに自分と同世代の移住者がいる地域(59.2%)。
◆ 理想の地方暮らしを実現できそうなのは(※東京圏を除く)、多い順に北海道(9.9%)、沖縄県(7.5%)、長野県(6.6%)。
2)若者の「仕事」や「生活」に対する価値観
◆ 人生において「仕事でのキャリアアップ」と「プライベートの充実」のどちらを大切にしたいか尋ねると、「プライベートの充実」が54.5%、次いで「両方」が25.0%、「仕事でのキャリアアップ」は12.5%。年代別にみると20~24歳は「プライベートの充実」が62.1%と最も高くなった。
◆ 自分にとっての「良い仕事」の条件について尋ねると、多い順に「収入が高い」(53.3%)、「楽しさ・やりがいを感じる」(47.9%)、「働きやすい」(46.2%)。「地位・名声を得られる」(2.7%)、「周囲から一目置かれる」(2.0%)の回答は少なく、若い世代は周囲からの評価よりも、自分自身が何を得られるかを大事にしていることが分かる。
◆ 「良い仕事」をするために都市圏に住んだ方がよいと思うか尋ねたところ、57.5%が都市圏に住んだ方がよいと思う(「非常に思う」「ややそう思う」)と回答。地方で暮らすことにあこがれている(「とてもあこがれる」「まあまああこがれる」)若者に対象を絞っても、約6割が「良い仕事」をするには都市圏に住んだほうが良いと考えていることが分かった。逆に、地方でも「良い仕事」はできると考えるのはわずか11.1%で、彼らは相対的に「収入」を重視していない傾向にあることも分かった。
3)ふるさと納税と「第2のふるさと」について
◆ ふるさと納税での寄付経験や寄付意向を尋ねると、全体の69.3%が「寄付したことがある」「寄付したことはないが、してみたい」と回答。
◆ 出身地ではなくとも愛着を感じる「第2のふるさと」と呼べる地域を持つ人は全体の29.1%。いつかは欲しいと考えている人は34.7%と、6割以上が「第2のふるさと」に関心があることが判明。
◆ 「第2のふるさと」と感じるようになったきっかけとして、64.8%の人が「ふるさと納税がきっかけ」と回答しており、ふるさと納税制度が若者と地域をつなぐ役割も担っていることがうかがえた。
4)「社会貢献」や「地域課題」への理解と関心
◆ 持続可能な地域づくりに貢献したいかを尋ねると、貢献したい(「非常に思う」「ややそう思う」)と答えたのは、55.7%。年代別では15~19歳が最も多く、65.9%が貢献したいと回答。
◆ 地方で暮らすことにあこがれる(「とてもあこがれる」、「あこがれる」)と回答した人のうち、41.1%が自分の住む地域課題を知っていると回答。一方で、地方暮らしにあこがれない(「あまりあこがれない」「全くあこがれない」)と回答した人で地域課題を知っている人は11.6%と、地方暮らしへのあこがれがあるほど、自分の住む地域の課題にも関心が高いことが判明。