”地域事業者のソーシャルビジネスづくり”のサポートノウハウ全公開!仲間とともに共創する未来に向けて
こんにちは。トラストバンクの休眠預金活用/ソーシャルイノベーションデザイン室の元岡です。
2023年12月〜2024年3月まで「企業に社会性(社会課題解決性)が求められている?地域の事業者と伴走する『休眠預金活用事業』の現場から見えてきたこと」という月一連載を行っていました。
連載をご覧いただいた皆さま、トラストバンク地域創生ラボに元岡が帰ってきましたよ!(相変わらず自分で言います!笑)
私たち、休眠預金活用/ソーシャルイノベーションデザイン室では、JANPIA(正式名称:一般財団法人日本民間公益活動連携機構)から資金提供を受け、地域事業者さんに対して「新しい製品やサービスで『地域の課題解決』と『持続可能な収益性』を同時に叶えられるようなソーシャルビジネス(※)をつくり、実行まで併走していく」プログラムを提供しています。
※弊社ではソーシャルビジネスを「社会性(社会課題解決性)と収益性(自主的な事業継続性)の二つの価値が両立した事業」と定義
この事業者伴走プログラムを通じて見えてきた、地域の事業者(中小企業 等)さんによるソーシャルビジネスづくりにおけるサポートノウハウを、2024年5月8日に、弊社コーポレートサイトにて一般公開しました。
我々が、ふるさと納税サイト「ふるさとチョイス」を通じて寄付者の皆さんと取り組んだ「Power of Choice project」や、休眠預金等を活用した事業者伴走プログラムで得た実感として、地域事業者×ソーシャルビジネス形成は、まだまだ未開拓の領域であるという印象を持ちました。
今回公開した「地域事業者によるソーシャルビジネス形成5STEP~地域の事業者(中小企業 等)によるソーシャルビジネス形成に向けたサポートノウハウ~」(以下、本書)を通じて、専門機関の方々をはじめとする皆さまに、地域事業者によるソーシャルビジネス形成についての知識を少しでも深めていただければ幸いです。
本記事では、本書の概要を紹介するとともに、営利企業の弊社が自社の運営ノウハウを一般公開するに至った経緯・理由をお伝えします。
「地域事業者によるソーシャルビジネス形成5STEP」とは
本書は、基本的には地域の事業者がソーシャルビジネスを実施する際に、資金助成をしながら「サポートしたい」「伴走したい」と考えられている専門機関に向けて作成しています。
内容は「地域事業者のソーシャルビジネス実現をサポートする機関」が実施すべき5つのステップで構成されており、各ステップごとに、具体的なタスクや体制、準備/制作物等を記載した「How to」、実施するポイントを示した「POINT」、地域事業者を伴走する際のポイントを示した「Hands-on POINT」を記載しています。
だいたいの手順やポイントを把握できるため「MVV実現に向けた企業の助成事業を始めたいが、何から手をつけていいのかわからない」という方にも「最初の教科書」のような形でご利用いただけるとうれしい限りです!
本書を公開した3つの経緯・理由
一営利企業の私たちトラストバンクが、自社で培ってきたノウハウを一般公開した経緯・理由は、以下の3つです。(もちろん、国の休眠預金等を活用した事業であるため、ノウハウの一般公開は当然といえば当然なのですが…)
1:地域の事業者の皆さんがもっと輝くための仲間づくり
2:自分たちと似たような境遇にいる企業人の助けになりたいから
3:一般公開してパブリックスペースにノウハウを置くことで、より高みを目指したいから
各経緯・理由を少し深掘りさせてください!
1:地域の事業者の皆さんがもっと輝くための仲間づくり
例えば、魅力的な地域の事業を手掛ける数十万社が、一斉に地域の課題解決にチャレンジしようとしたとしたら、私たちトラストバンクだけではすべてを伴走することは難しいでしょう。
「地域の事業者の皆さんがもっと輝ける環境をつくり、彼・彼女らを一緒にサポートしたい」とお思いの方々が、一緒に動いてくれたら。ぜひそのような方々と「仲間となって共創していきたい」!……という想いが本書を公開した理由の一つです。
本書掲載の様式やフォーマットをより多くの方に活用していただきたいと考えていますので、ご入用の方は本書最後のページの「お問い合わせ先」までご連絡ください!
2:自分たちと似たような境遇にいる企業人の助けになりたいから
我々が2021年に「Power of Choice project」というプロジェクトを始めた当時、地域事業者の皆さんが、地域課題解決と自社の収益活動を両立するソーシャルビジネスの取組事例はほぼありませんでした。したがって、ここを資金面でも伴走面でも専門的にサポートする機関も仕組みもノウハウも存在しませんでした。そのため、当初は何もかもが手探り状態。ソーシャルビジネスを伴走する財団にレクチャーしていただきながら、NPO等、助成する仕組みを活用するなどして試行錯誤を続けてきました。
その後、SDGsやパーパス経営への気運が高まり、「外部への助成を通じて、自社のミッション/パーパスやビジョン、バリューに即する社会課題の解決を目指す事業を、取り組んでみたい!」と思われる企業が増えてきたものの、「……しかし、何から手をつければいいのかわからない」といった担当者の方の気持ちが、自分たちも似たような境遇だったので、すごくよくわかります。(当時、本当に訳がわかりませんでした!笑)このような方々が最初の一歩を踏み出しやすくなるよう、応援の意味も込めて、本ノウハウを公開しました。
3:一般公開してパブリックスペースにノウハウを置くことで、より高みを目指したいから
最後の理由は、個社的な内容となってしまい恐縮ですが「ノウハウを一般公開し、フィードバックをもらうことで、これまで培ってきたものをよりブラッシュアップしたかったから」です。
私たちは、様々な皆さんにご協力&サポートいただきながら、これまで未開拓な「地域事業者×ソーシャルビジネス形成」サポートの領域を、がむしゃらに走ってきました。そのお陰様でノウハウが貯まってきたのですが、がむしゃらに走ってきただけに、他の専門家や実務者の皆さまの目線をお借りすれば「もっと改善して、より適切で的確なサポートを地域の事業者の皆さんに提供することができるのではないか」と思っています。
そのため「これって違うよね」「ここはもっとこうしたほうがいいよ」などなど、本書をご覧になった感想や、ノウハウを実践してみたことで得られたフィードバックを頂けると大変うれしい限りです。一緒に高めあいましょう!
これからの展望
「外部への助成を通じて、ミッション/パーパスやビジョン、バリューに即する社会課題の解決を目指す事業に取り組んでみたいが、何から手をつければいいかわからない」とお悩みの方のお力に、少しでもなれたでしょうか…?今後は事業進捗にあわせ、数年かけていきながら、ノウハウのブラッシュアップや事例等を追加掲載し、ゆくゆくは本書を成功のメソッドとしていきたいと考えています!
私たちは、特定地域で、資金面でも伴走面でも継続的に実施できる「地域事業者×ソーシャルビジネス形成システム」の構築をし始めています。もし、このような取り組みについて「応援したい」「一緒に取り組みたい」とお考えの方がいらっしゃいましたら、公開したノウハウの「おわりに|今後に向けて」にございます問い合わせ先まで、お気軽に連絡をくださいませ。
“地域の事業者が、「こだわり」と「生業」を活かして、地域に貢献できる社会をつくる”ことが当たり前の社会になることへ向け、私たちトラストバンクは励み続けます。