羅列

記憶ほど曖昧なものはないのだから
悔しかったことも傷ついたこともきっとそれはなかったのかもと追憶でもなくなんでもなく消失させることができるのではないかと期待を寄せるがその頃にはきっとなにも記憶にないのだろう
生き残るための遺伝子が生き残るために傷ついたことを記録して記憶して
それが次に起きた時に致命的な傷を負わない様に生命は危機管理として刻み込んでしまう
刻み込まれたことはただ残した物よりも深く痛くいたくその身体に残るからただ生きる過程に残るすべてよりも最後まで消えない
守るために消された痛みは突発的に戻ってきてその身体をまた傷めつける
なぜ忘れたのかなぜ消したふりをしたのかともう忘れないようにもうそれで傷つかないようにそうさせるけれど人間はそんなに強くないから耐えられないこともあるのだろう
そんな生命がたくさんあったともう知れるのだからそんな風に傷をつけないで

生きるために互いに生まれてきた生命でどちらにしろいずれは死にゆくのだから

そう言う自分も矛盾していて
自分を守るために沢山傷つけてきたし虫などの自分の害と思う生命を傷つけたことはあるのだからきれいごとと言われれば違いないのだと考えればなにもそこに希望はない

ただ願うだけの羅列だ。

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