テレワークゆり物語 (173)リモート介護のすすめ(Amazon Echo Show)
「ウチも離れて暮らす親のことが心配。リモート介護について教えて」
私は、母が亡くなってから、奈良にある実家と、北海道の自宅を行ったり来たりする「二地域居住」をしている。(比重は奈良の方が多い)
しかし、コロナ禍の2021年頃は、母も存命で父と二人暮らしだったので、私は北海道北見市に居ながら、奈良の両親をリモートで世話をしていた。
このとき、一番感じたのは、
親は、子が毎日少しでも顔を見せ、声をかけてくれるだけで、うれしい。
それが決まった時間なら、生活も安定し、健康寿命も延びるのではないか
そんな私がトライした「リモート介護」の話をすると、冒頭の声をたくさんいただいた。
特に、先日、高校の大同窓会の記念講演で、同年代の同級生に話をしたところ、反響が大きかった。
ということで、田澤由利式「リモート介護」の話をしたいと思う。
■リモート介護に最適のAmazon Echo show 10(漬物石モデル)
「リモート(遠隔)」である以上、インターネットと、機器が必要になる。
私が「リモート介護」に選んだ機器は、セキュリティ会社の「見守りサービス」でもなければ、「パソコン」でも「タブレット」でも、「スマホ」でもない。
Amazon が発売している「Echo Show 10」である。
これは「アレクサ」という言葉で会話をするAIスピーカーのひとつ。モニターがついた進化系モデルだ。
私が「漬物石モデル」と呼んでいる理由は、その重さ(2.5kg)。
軽くて薄いIT機器が求められる世の中だが、私はこの重い機器を、両親の生活の中心であるリビングテーブルの上に鎮座させたのだ。
「リモート介護」に求められる機能とは?
リモート介護を検討し始めた当時、父はスマホをかろうじて使えたが、90歳になる母はまったくダメだった。
母でも使える機器はないか
そこから入って、たどりついたのが、この「Echo Show 10」。
理由は、以下。
話すだけで操作できる
→母でもできる画面が大きい
→母でも見える重くて動かない
→母でも失くさない。追いかけ機能がある
→母を追いかけてくれる
■Echo Show 10 は、なんと29,980円!
そんな理想の「リモート介護」機器の価格は、なんと税込み3万円を切るのだ。(TVショッピングみたい)
親にとって「理想」でも、子にとって「負担」になってはいけないが、これならパソコンやスマホを新規に購入することに比べれば安い。
私など、女満別→関西の片道の飛行機代でクリアできる。
しかも、介護専用ツールではないので、老若男女問わず、便利で楽しい機能を利用できる。
価格が低価格
→29,980円(税込み)「子」は、購入不要。
→自分のスマホアプリで声がけ可能Amazon の楽しいサービスを利用できる
→声でサービスを呼び出し家電と連携できる
→声で照明やエアコンを操作
Amazon の楽しいサービスとは、Prime Video、Netflix、Amazon Music、Apple Musicなどなど。
「アレクサ、昭和の演歌かけて」
今、こう話しかけたら、美空ひばりの「川の流れのように」が流れた。笑
家電との連携は、「子」の頑張り次第だ。(ちょっと難しい)
しかし、
「アレクサ、電気消して」
で、電気が消えてくれるのは、リモコンよりもありがたい。
■IT機器があっても、運用が大切なのはテレワークと同じ
なんとか、タイトルに「テレワーク」を入れることができた。(笑)
しかし、これは、正しい。
テレワークやリモート介護に限らず、IT機器を設置するだけでは、解決にはならない。
私の口車にのって、Echo Show 10 を実家に設置した友人が、
「せっかく買ったのに、親が使っていない」と悩んでいた。
リモート介護は、機器を設置すればいい、というものではない。
「子」も頑張らなくてはいけないのだ。
私の場合、最初に、以下のルールを決めた。
毎朝(365日)朝7時に、私からアレクサで呼び出す
→決まった時間に「子」が呼び出すことが大事顔を見ながら、朝ごはんを食べよう
→おしゃべりしつつ、何を食べているかも確認する今日一日の薬を薬箱にいれ、朝の薬を飲む
→目薬もつけよう朝以外は、呼び出さない
朝、同じ時間に起き、ごはんを食べて、薬を飲むことで、一日のリズムができるのだ。
「朝以外は呼び出さない」ことで、親に「かかるかな」と期待させない。
また、このルールで、私の負担も朝のみになる。
ただし、よほどでない限り、出張でも「朝7時に呼び出す」ことは怠らない。
先日は、奈良から東京への日帰り出張で、新幹線の中から、父に「朝のアレクサ」をした。
■慣れてくるとアレクサに話かけるようになった
最初の頃は、「話しかけてみて」と母に言っても、「ようわからん」と、自分からは何もしなかった。
ただ、だんだん慣れてきたのか、1年ぐらいたったころから、母は「アレクサ、今日は何曜日や?」など話かけはじめた。
以下は、ちょっと笑えるエピソード。
■アレクサの「スキル」を活用すると、いろいろできる
アレクサの「スキル」機能を使うと、さらに、いろんなことができる。
たとえば、私が活用しているのは、
薬の飲み忘れを防いでくれるスキル
→ただのアラームだと飲み忘れがちなので、ひと工夫ゴミの出し忘れを防ぐスキル
→「おはよう」というとゴミ出しの内容を教えてくれる自宅での熱中症を予防するスキル
→部屋の温度が30度を超えたら、エアコンをつける
などなど、可能性はこれからも広がる。
「スキルについても、説明してほしい」と思ってくださった方は、この記事のハートをクリックして「スキ」を。調子に乗って、話します。笑
■「リモート介護」の問題点
さて、良いことばかりを書いたが、問題点もある。
「リモート介護」ができるからといって、親に会いに行かなくなっては、いけない。
月に一度ぐらいは、帰省し、実際に顔を見せて、一緒の空間で過ごすことが一番である。
テレワークも同じ。田澤由利、曰く。
テレワークは、離れて働くための働き方ではない。
会う事を大切にできる働き方である。
ああ、名言。笑
※冒頭の写真は、私がリモート介護をしていた頃の写真をちりばめてみた。