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渓流釣りと遊漁券vol.1
よくある誤解
渓流釣り場は基本的に漁協が管理していることが多い。遊漁料金や期間など遊漁規則は漁協が決定している。しかし、その川に漁協がなかったとしても「なんでもあり」ではない。
都道府県に「内水面漁業調整規則」があり、遊漁期間や体長制限などの規則は決まっている。例えば、静岡県伊豆半島には漁協が解散してしまった川がいくつかあるが、静岡県内水面漁業調整規則でアマゴやイワナの遊漁期間は3月1日から10月31日だ(厳密にいうと、11月1日から翌2月末日までが「禁止期間」と定められている)。漁協がない川でも内水面漁業調整規則に準じる必要がある。
同様に漁協がない川がいくつか存在する新潟県で渓流釣りが楽しめるのは3月1日から9月30日(ヤマメ、イワナ、ニジマス)、神奈川県では3月1日から10月14日(ヤマメ、イワナ※別途規定がある芦ノ湖を除く)だ。
内水面漁業調整規則では採捕できる魚の体長制限なども同時に設定していることが多い。
繰り返しになるが、漁協がない川はなんでもありな川ではない。むしろ管理されていないため、規則の範囲内でも無闇に持ち帰ることは一般的な渓流以上に推奨できない。
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対象魚種が決められている
このページでは主に渓流釣りの場合を想定しているが、大前提として遊漁券はヤマメやイワナなどの渓流魚、アユ、そしてコイ・フナ・ウグイなど魚種ごとに分かれていることが多い。金額面では大抵はアユがもっとも高額で、次に渓流魚、コイ・フナ・ウグイなどが続くケースが多い。神奈川県酒匂川漁協などのように、アユも渓流も含めた全魚種共通というケースはむしろ少ない。
アユと渓流魚が完全に分かれている場合もあれば、アユの券に渓流魚も含まれているケースもある。アユルアーが盛んな相模川は遊漁券が分かれており、午前中渓流に行って午後アユを釣るような場合、遊漁券は別々に必要だ。相模川の場合、年券も同様。このへんは漁協によってまちまち。
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各漁協の管轄範囲に注意
渓流釣りの難点のひとつ。よそから来た人にとってはどこからどこまでがその漁協の管轄なのかすぐにはつかみづらい。例えば静岡県の河津川などのように1水系1漁協ならわかりやすいが、広大な場合は下流と上流で分かれていたり、都府県をまたがっている場合なども大体漁協が分かれている。
比較的わかりやすいのは神奈川県の酒匂川のようにアユ釣りを楽しむような下流部から玄倉や世附の山奥まで神奈川県内の流域すべてを酒匂川漁協が管理しているケース。だが、実際には同じ県内、同じ水系でも漁協が複数に分かれている場合の方が多い。群馬県内の川はほぼ利根川水系だが、流域が広く支流も多いため漁協はいくつも存在する。こうしたケースではどこからどこまでが漁協の管轄範囲かを把握しておかないと、移動を繰り返すうちに購入した日釣り券や年券のエリア外でつい釣りをしてしまった、なんてことになりかねない。
また、禁猟区などが設定されていることもあるためやはり注意が必要。看板などにわかりやすく明記してある場合もあれば、「◯◯堰堤の上下●●m」のように文字で表記され若干わかりづらい場合もある。
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