極北の大地と幻の魚〜道北イトウ遠征釣行〜1日目
2024年10月中旬 北海道猿払村
羽田空港からオホーツク紋別空港までANAでおよそ2時間。空港のトヨタレンタカー(1社のみ)でプロボックスを借り、紋別から道北まで車で160kmおよそ3時間弱。高速道路なし。途中、浜頓別という大きめの町がある以外は、オホーツク海を横目に基本的にまっすぐな道をひたすら北上。たどり着いたのはイトウの聖地・猿払村。滞在は3泊4日。オール車中泊、往復の航空券もコツコツ貯めたマイル利用という極貧遠征釣行の始まりだ。
オホーツク紋別空港からレンタカーでおよそ2時間半
オホーツク紋別空港で飛行機を降りると、本州とは段違いに寒く、北海道へやってきたことを肌で感じた。狭いシートで寝ている間にブラキストン線を飛び越え、道東の地に降り立つ。ここから一気に北上し、日本最北の村である道北は猿払村を目指す。
ちなみに、今回は便が取れなかったため紋別からだったが、本当であれば稚内空港からの方が近い。紋別空港→猿払村は2時間半はかかるが、稚内空港からであれば1時間弱である。さらに余談だが、北海道へ向かうにはフェリーという手段もある。フェリーで車を持って行けばレンタカーを借りる必要がなくなるが、太平洋側からは大洗、仙台、名古屋などから苫小牧、日本海側からは舞鶴、新潟などから小樽への船便となるため、道内をかなり長時間車で移動することになる。
途中、別送していた荷物をヤマト運輸の紋別営業所で受け取る。主に熊スプレーなど飛行機に持ち込めないものと、フローティングベストとランディングネットだ。ただ、送料はけっこう高いので、これだったら送る荷物は熊スプレーなど最小限にとどめ、帰路は最寄り駅からタクシーに乗った方がマシかなと思った。
道北への道は基本的にまっすぐである。景色もあまり変わらない。2時間突っ走って、中継地点の浜頓別に到着した。DCMニコットで水や食料などを買い込む。釣りエサや仕掛けものぞいてみたが、かなり独特でよくわからない。ソウダガツオの切り身は何に使うのか。砂浜に何本も竿を並べている光景をよく目にしたから、サケ釣りかもしれない。反対にまだワカサギ釣りシーズンではないため、トゲウオ釣りに使おうと思っていたサシは手に入らず(※サシでトゲウオが釣れるかどうかは未確認)。
初日は下見程度に川を歩く
浜頓別で買い物をした時点ですでに午後3時過ぎ。さらに30分弱走って、目的地の川に到着。右岸と左岸にそれぞれ2名ずつ、見える範囲に竿を振っている人がいた。確認できる限りでは2人がルアーだった。急いで準備をするが、釣りを開始したのは午後4時過ぎ。やれて1時間ちょっとか。
風が強い。聞いていた通りだが、想像以上だ。海での釣りも視野に入れていたのだが、とても無理そうだ。2日目も強風予報。3日目ならなんとかなるかもしれない、そんな予報だった。
川の水をなめてみると、かなりしょっぱい。塩分濃度は海とほとんど変わらないのではないか。これはまあまあ誤算。ウェーダーを履いていても、塩水に入るのは正直言ってあまり好きではない。
サンスイの中村さんにいただいたアドバイスは、主に以下のような内容だった。
・巻く速さはとにかくゆっくり。
・糸鳴りを嫌う。アクションはつけない。
・流れに乗せて、扇状にキャストしてコースを変え、ターンの位置を変えていく。
・足元までしっかり巻く。
エクスセンスCOO190Fジェットブーストはほぼフローティングのペンシルベイト。試しにゆっくりただ巻きしてみる。
わずかに水面に頭を突っ込んで、ロールしている。正直、こんなので釣れるのか?と不安になってしまう。次にリップ付きで少し潜るであろうアスリート17SSVも投げてみたが、少し潜る分、すぐ藻ダルマになった。しかし、これで表層を攻められるルアーが有効であることの合点がいった。
右岸は比較的遠浅。ブレイク付近まで立ち込んで行ってもよさそうなのだが、そうは言っても藻が生えたシャローも膝上くらいまでは水深があり、十分魚は入ってこれるだろう。実際、たまにあやしいもじりがある。イトウではないかもしれないが、どの辺まで前へ出ていくべきなのか迷ってしまう。フライの人はバックスペースが取れるようにやや前に出るらしいが、ルアーはあまり関係ない。イトウが流芯にいたり、距離をとった方がバイトさせやすいなどといったことはあるかもしれないが、ど遠投していればいいものでもなさそうだ。明日はブレイクが比較的近い対岸の左岸も見に行ってみよう。
猿払の日帰り入浴施設は木曜日定休。初日の夜は浜頓別まで戻り、銭湯(500円。町内から湧出すると温泉)に入って、道の駅さるふつ公園で就寝。風が強く、時々車がグラグラっと揺れた。