2024年新潟サクラマス釣り20日目【三面川】
2024年6月1日 新潟県村上市 三面川
ダム放水量微増
3月2日の吹雪の荒川に始まり、4月中旬からは主に三面川へ。しかし、5月に入ってからは三面ダムの放流量が慢性的に少なく、渇水状態。水位の低さに苦しめられた。
からくも待望の1本目のサクラマスをキャッチしたのが、忘れもしない5月12日。両日ともに放流量15トン(※真夏並みらしい)という絶望的な2日間の2日目、それも終了間際、6時半過ぎに起こったドラマだった。
その後、18日目と19日目をノーフィッシュで終え、迎えたシーズン最終盤。しかし、水位が低いままでは期待ができない。5月最後の週末をパスし、子どもとマテ貝を掘りに行ったところで台風1号が発生。新潟にもまとまった雨が降ったようで、ダムの放流量は少し増えていた。
放流量は前夜から朝9時まで54トン。日中は27トンまで下がるが、15時から37トン、15時半から54トンと、夕方に向けて放流量を増やす予定になっていた。朝と夕方、集中すれば絶対にチャンスはあるはず。ちょうど20日目でキリもいい。最後のチャンスだ。これは行くしかない。
17日目で1本キャッチするまでは、16日間釣れていなかったわけで、祈るような日々だった。「お願いです。釣らせてください」と。SNSには釣れない日々の様子をバカ正直につづっており、このまま釣れなかったら「あいつやっぱり釣れなかった」と陰口を叩かれてしまう。手探りの中でつかんだ釣りを愚直に繰り返す。ただただ、祈りながら。「釣りの神様、お願いします。もうアークテリクスのウエア着てる人に『どうせニセモノでしょ』などと暴言を吐いたりしませんから」
とにもかくにも最終日である。今季のサクラマス釣りを締めくくるつもりで新潟へ向かった。
朝5時半から過去2回明確なバイトを掛け損なっているポイントへ。水量や水の色はいい感じだったが、ノーバイト。
「幻」のサクラマス
8時過ぎに向かったのは、ちょっとした穴場。川幅は広いのだが、流芯がしっかりこっち側に寄っており、遡上する魚が必ず通るであろう場所と思われた。
完全なダウンクロスでミノーをゆっくり巻いてくると、カツン、という違和感。バイトかどうか確証がもてないけど、念のためもう1回同じコースにミノーを通すか…と思っていたら、もはや回収しようとしていたミノーの後方から茶色っぽい影が猛追!?そのままバイト。水温が高くなってきたし、セイゴか何かかなと適当にやりとりしていたらこれが小ぶりなサクラマスだった(※注)
41cm、0.77kg。ヒットルアーはシマノ/MLバレット90Fジェットブースト(Nスケブルー)。
水位が下がっていく日中は期待できないと判断。早々に切り上げ、フィッシャーズ村上店で翌週の釣りのためにタイラバを買って、旭屋食堂で昼ごはんを食べて、車を日陰に移動して15時まで仮眠。
教えてもらった通りの釣りを実行
夕方、入ろうと思っていたポイントにはフライマン。そこで、さらに上流の、様々な情報から「有望」とされるものの、個人的にはまだあまり竿を出していなかったポイントへ。ここは対岸が岩盤で深くなっている。この日はなかったが、刺し網が入っていることもある。どうしても対岸に目がいってしまうが、実は足元側の流れの筋にサクラマスが着いていることが多いと、以前出会ってお話させていただいた方に教えてもらっていた。
教えてもらった通りにほぼ直ダウンでキャストしてゆっくり巻いてを繰り返しながら釣り下っていくと、ゴンッ、とバイト。グルグルグルー、と激しくローリングしながら抵抗するのは、紛れもなくサクラマス。ネット際でも猛烈に暴れたが、なんとかネットイン。
52cm、1.7kg。ルアーはソウルズのブルースライドIM110F(キンクロ)。フィッシャーズ村上店の伊与木さんにおすすめいただいたピアストレブル#4が、ガッチリと口元に掛かっていた。
最終日にまさかの2本キャッチ(※注)。それも、昼ごはんを食べたり昼寝したりで実質釣りをしていたのは5〜6時間。3〜4月には一日12時間、誇張抜きでキャストを続けてノーフィッシュだったこともあった。結局、タイミングがすべてなんだなと思い知らされた。
来シーズンからはもう少し要領よくやろうと思った。まだ遡上が少ない3月に毎週末のように来るのはさすがに無駄が多い気がしたし、土日2日間のために神奈川〜新潟間を往復するのも効率が悪い。今回は20日間の釣行のために10往復した。期間中、平日込みの3〜4日間程度の遠征を組み、5往復くらいに抑えるのが理想的だ。
初挑戦となった2024年の新潟サクラマス釣りは20日間におよぶ死闘の末、いや単なる泥仕合いかもしれないが、とにかく終了となった。
1週ごとに咲く花が変わり、様々な表情を見せた郷里の川。新潟の春はこんなにも色鮮やかだったのかと気づかされた。この風景に出会えたのは亡き母のおかげだと思った。待ち望みつつ迎えることができない春がいつか私にもやってくる。そのときまで私はどれだけ春の新潟の川に立てるだろうか。
※注…のちによく魚体を見ると、サクラマスというよりは「本流ヤマメ」に近い存在であることがわかった。「三面川で1シーズンにサクラマス3本釣った」と「三面川で本流ヤマメ41cm釣った」は、果たしてどっちがいばれるのだろうか。