おっさんバレエ奮闘記 Vol.2 「伸びしろしかない!」
ひょんなきっかけで42歳からバレエを始めたおっさんこと私。これは、その一部始終の記録。
レッスンの様子
毎週通うレッスンは3回目を終え、明日で4回目。レッスン各回の様子は以下の通り。
●1回目(2021/5/12)
なぜかいきなりマンツーマン。バレエシューズの履き方を教わると、特に説明もイントロもないまま、音楽が流れ先生の動きを真似る。ひとつもピタリと真似られない。特にこのストレッチは膝が今にも爆発しないかと冷や冷やした。合成ではない。おかしな方向に足先が向いている。
足の型を習う。1,2と来て3はほとんど使わないから飛ばして、4と5。バーレッスンにも挑戦。足りない。平衡感覚も柔軟性も筋力も何もかもが圧倒的に足りない。42年甘やかしてきた筋肉と関節は泣き言を言っているが、私はむしろ晴々とした悔しさに歓喜する。うん、できない。
●2回目(2021/5/19)
前回とはうってかわって私含め4人のグループレッスン。うち2人は経験者。何の進歩も見られないものの、「プリエ」という単語が耳に引っかかるように。
経験者がいたためか、後半からはターンとかアクロバティックな動きも。予想通り回れない。おっさんがふらついている。恥ずかしいけど、なんか自然だ。おっさんにはふらつきがよく似合う。だが不自然を目指そう。
●3回目(2021/5/26)
毎日やってるストレッチの効果はまだ実感できないけれど、バレエが少しずつ身体に染み込み始めているのは感じる。次第に腕が下がってくる。「なんで下がってくるか分かります?弱いから!」「はい!弱いです!」いつも通り必死。楽じゃないけど、楽しすぎる。
レッスンと教室について
私が通っているのは千葉県袖ケ浦市にあるカノンバレエアカデミー。うちから車で20分ほど。14歳からロシアで学んだカノンさんがたまたま袖ヶ浦で教室を開いてくれたのが今年の2月。体験がてら会って話をしたら、全く空気を読まないその豪胆さとマイペースさの虜になって、バレエ人生スタートを即決。
カノンさんについてはこちらの記事に詳しい。単なる専門家としてのバレリーナではない、ただならぬオーラをまとっていて、舞うとまるで違う生物のようでいて、私と地続きの人間として、最高峰の美しい身体性を見せつけてくれるの。レッスン中カノンさんの動きを見てるだけでも十分に楽しい。
入会金が6,000円で、週一回1時間のレッスンをチケット制(5回7,500円、安い…)で受講している。ちなみに何かを始めると決めた場合、続ける上で大事なのは
①教えてくれる人
②物理的距離
③経済的負担
の3つだと私は思っていて、今回この3つが揃ったのが確認できたのでバレエを迷いなく始めた。ちなみに私が竹細工を別府で学んだのも同じく上記の条件が揃っていたからだ。ちなみに③の経済的負担は、レッスン料だけでなく初期費用も含む。
初期費用と服装について
最初に用意したのは、ジャージとバレエシューズのみ。
まずはバレエシューズ、1,990円也。
そしてちょっとピタッとしたジャージ、2,880円也。
つまり初期費用4,870円のみで、私は全く新たな世界に足を踏み入れたことになる。これは驚くべきことだ。楽器にしろスポーツにしろパソコンにしろゲームにしろ、何を始めるにも軽く数万を超える金がかかる世の中で、約5000円ぽっきりで(入会金入れても1万円ちょい)、しかも1レッスン1,500円でバレエという全く新たな世界が拓けるなんて、恵まれすぎている。
予備知識と先入観
バレエと聞いてみんなは何を思い浮かべるだろうか。私の場合は以下のような感じだ。
・カラダやわらかい
・英才教育
・トウシューズ
・レオタード
・男性の股間のふくらみ
・細いけど筋肉質
・クルクル回る
・白鳥の湖
・くるみ割り人形
・ロミオとジュリエット
・リトルダンサー(映画)
・昴(漫画)
・ローザンヌ国際バレエコンクール
・草刈民代
・熊川哲也
どうだろうか。一般的な成人男性に比べると予備知識多めという感じかもしれないが、全て表層的で実感や実質を伴っていない。所詮は一般人に毛が生えた程度の知識でしかない。
そしてここからが大事だが、今回バレエを始めるにあたり、バレエについての書籍やサイトや動画を参照するなど、所謂下調べ的なことは一切しなかった。腹に落ちない表層的な知識をやる前からいたずらに増やすのは、懸念や不安を増大させることはあっても、何かを始めるに当たって背中を押してくれることはまずない、ということを私は経験的に心得ていたからだ。
知識なんて始めさえすれば嫌でも身につく。下調べなんてみんなやめて、さっさと始めた方がいい。
まだ私のバレエライフは産声を上げたばかり。早くも身体に変化は現れ始めている。そのあたりはまた次回に。