#09-後編 2019/5/12 ノーザンホースパークマラソン 7kmトレイル @千歳
前編はこちら
教訓
勝つ準備をしてきたものには、勝つ権利がある。
坂路後~砂周回
# 06の「下り坂はビビってはいけない」の教訓を胸に、坂路後の一気の下りで仕掛ける。しかし、先頭も優勝経験のある方だったためそのあたりは心得ているようだ。差が思うように縮まらない。だが、今までの下りの意識のままだったら逆に離され終戦していた可能性もあった。
芝コースを少しはさみ、勝負所、砂の周回コースへ。コースに入るときに前とは5秒程度。コースに入った瞬間、先頭を行く選手が「なんだこれ!?」と思わず声に出してしまうのを聞き、一気に差を詰める。
周回コース中盤で追いつき、そこからは完全に勝負を意識して「どう走ったら勝てるか」「どこで仕掛ければいいか」「相手の余裕度はどうか」に全神経を集中させ、前年のスプリント勝負での反省からある程度の距離を残しロングスパートを決めることにした。
恐らくこの後半の10分間は、2019年一番集中した10分間だったと思う。
クロカンコース~ゴール
しばらく並走を続け、こちらもキツかったが残り500mほどで一気に切り替える。小刻みなアップダウンは得意だし、相手の心を折るためには絶妙なタイミングだったと、今でも思う。
そこからは後ろに神経を集中しつつ、振り返らず全力で駆け抜ける。
そして、ゴール。
一年間の努力が報われた瞬間だった。最高に気持ちが良かった。
その後、海斗が4年連続の4着でゴール。直前に脚部不安が出て満足な調整が出来ず、悔しかったであろう彼とも、勝つために頑張ってきた仲間として健闘を称えあった。そして4着に笑った。
勝つために大事なのは、勝ちたいと思う気持ちは当然のこと、勝つために必要な要件を揃えることやゴールに向けた正確なトレーニングアプローチが必要だということ。
当たり前のこと過ぎるのだが、とびぬけて実力があり、余裕で勝てるようなレースではない限りこれらをやらないと、勝てない。
その点、自分はこのレースに勝つために色々と犠牲にしてきたし、勝つ権利があったと思う。
これが2019年のベストレースであることは間違いないし、人生のベストレースといっても過言ではないと思う。そう思えるところに到達できたのは、幸せな競技人生と言えるだろう。走ってて、よかった。
勝ったことで会社内の評価も変わったし、社内報の取材も来たりして、周りの見る目も変わった。昨年の1秒差2位の時とは大違いだ。
「勝ち切る」大切さを再確認した1年だった。
しかし、大きな目標を達成したことで、次の目標がなくなってしまった。
連覇するという目標設定もなくはなかったのだが、正直この勝利に満足しきってしまい、この時ばかりは、もう引退しよう。とさえ思った。
結果としてはこの後、日本選手権クロカン出場に向けたプロジェクトが始まるのだが、次回はその経緯について書こうと思う。
これにてノーザンホースパーク編、終了!
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