【詩】十
世間で醜いと評価されているものに
どうしても心が惹かれてしまうのはなぜか
醜さとは拙い知識や世間の評価を信じ込み
決めつけているだけに過ぎない
本当の醜さは目には見えないものだという反論は
あまりにもありふれていて
そのオリジナリティに
惹かれるのではなく
本当は醜いものなんてありはしないのに
それを世間のせいで醜いと思い込んで
恥じている純心さに心を打たれている気がする
その心を解したい
とは思わない
誤解を解こうなどとも思わない
だって惨めな訳ではないのだから
言葉なんて野暮なツールで
寄り添おうとせず
いつもどおり
ただそばに居たい