職場を変えて分かったこと
何事も、比較しないと本当の良さって見えてこないんじゃないかなって思うんです。どっちもの悪い所が見えるからこそ、どっちもの良さに感謝できるなぁと。
より多くの看護師タイプを見れたし経験できた新天地
2つ目の職場は、中規模病院でした。
急性期の治療を終えて、すぐに家に帰れない人向けの、自宅復帰向けの入院施設です。地域に根ざした外来もやっています。
私の実家から近いこともあり、とても通いやすい場所にありました。私は実家に引っ越し、心機一転、新しい職場へ通い始めました。
新しい職場の看護師は年代も若い人から定年近い人まで、様々な年代の方がいました。私は中途だったため、有無を言わさず急性期病棟に配属…
急性期病棟とは言え、超急性期の患者はほとんどいないため、以前の病棟ほどの忙しさはありません。他の中途ナースもあと2人ほどおり、お互いに情報交換をしあいながら、新しい環境にも慣れていきました。もちろん難しいこともいろいろありましたが、優しい先輩方も多く、前の職場ほど、他のスタッフにビクビクする必要もなくなりました。結局、私はここで8年間を過ごすことになります。
ここで私は、急性期、回復期、療養病棟を経験し、健診部にも、携わらせてもらいました。異動をする事は、自分が評価されていないのではないかと不安になることもありましたが、他のスタッフたちもたびたび異動があり、施設全体でスタッフをよく動かし、総合的な経験をさせてくれていた施設だったと思います。おかげで、私も多くの病棟のキャリアを積ませていただくことができました。本当に感謝しています。
ここで人間関係に一切悩まなかったかと言うと嘘になります。同年代の看護師から嫌がらせのようなものも受けましたし、マタニティーハラスメントもありました。ただ、これらは全て、最初の職場で受けた待遇に比べれば、かわいいものでした。一部の人の悪意だけなら、いくらでも回避できますし、希望もいくらでもあるからです。その悪意を向けてきた人たちは、権限を持っていない人たちだったというのも、大きなポイントだったかもしれません。
ここで得たもの
私はここで、自信と実績を得ました。
看護師の、相手を責め合う文化の中でも、私を信頼してくれる後輩や、同僚、上司の存在が、私に自信をくれました。
師長たちもまた、優しい中に人間らしさと、仕事への誠実さもあり、私にいろんな上司像を与えてくれました。
向かってきた悪意に対しても、勇気を出して自分の意見をはっきりと伝えることができましたし(悪意を正々堂々跳ね返したらどんな待遇になるのかを実験してみた)、別の機会では悪意を向けられていたことすら気づかなかったのですが、気づいた仲間の方から、職場にちゃんと伝える手助けをしてくれるなど、嬉しい出来事もありました(ハラスメントをレポート化し人事へ提出するなどの交渉を初めて経験した)。
悩みながらも、信じてくれる人、心を許すことができる場所に出会えたと思っています。
「私が全て悪いんだ」と思ってた
結構これは自分にとって大きな発見だったんですが。
今まで嫌がらせだったり、悪意ある言葉だったり、無遠慮な押し付けだったり、大切にしてもらえないことがなぜ多かったのか。
私が私の事をいつまでも心配して、不安がっていたからです。そして、「私が悪いんだ~」って結論でおさめて、そこから先を深く見ようとせず、逃げていたんだなって。
だから周りも、心配して、不安がって、大したやつじゃないと思えて、何言っても大丈夫だって思われて。
そんな扱いをされるたびに、自分が自信をなくす負のサイクルにはまってたんだなって。
じゃあ、そのままの自分で、「私は私じゃん!自信持とう!」と開き直れという話かというと、そうじゃなくて。
私ができていなかったことも、自分自身がそのままを認めて、受け入れて、それでもちゃんと前に進んでいけるように頑張ろうって、適切な努力を積み重ねて行けれていたか?
周囲の反応にびくびくするのではなく、患者さんに対して、スキルに対して、どこまで真剣に向き合えていたか?
そこが一番大切だったと気づかせてもらいました。
最初の職場に比べると、患者さんとの関わりが本当に楽しく、ケアを沢山させて頂いたのはこの職場でした。
若い患者さんはほとんどいない病院なので、60~80代がほとんどです。優しい人だと思われたい私のエゴだったとしても、私なりの一生懸命な優しさを提供することで、本当に喜んでくださる声を聞けたことは私の大切な根幹になっています。ケア中に患者さんから聞かせてもらう話は本当に興味深く、私はこのコミュニケーションが何より好きなんだということがハッキリしました。
ここで私は職場内恋愛、そして結婚をし、二人の子宝に恵まれました。
それまでの私は、定年までここに勤めるんだろうなぁという漠然としたイメージしか抱いていませんでしたが、私の「目標のない人生」は、ここで急に終わりを告げることになったのです。
つづく♡
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