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体調などの自己管理を万全に!
タクシー運転手を続けるのに一番大切なのは体調管理です。どんなにスキルが高くても、病気やけがで乗車できなくなれば、お金は稼げません。タクシー会社はわりと当日欠勤を認めてくれ、たとえその理由が二日酔いや徹夜マージャンによる寝不足だったとしても、何も言いません。なので、自分でしっかり目標を持たないと、ついつい楽をしがちになります。
運転手が1か月に仕事できる日数は最大で13日です。そんな貴重な労働日をみすみす失うのはもったいないです。目標を持てば人はその達成に向けて努力できます。僕は勤務日前日のビールは2杯までと決めていましたし、身体が疲れているときはマッサージを受けに行って備えました。アスリートのように体には気を遣っていたのです。
なお、運転手の抱える病気には傾向があります。食事が外食中心で丼物やジャンクフードに偏りがちだからなのか、糖尿病を患う人が目につきます。また、狭い運転席に四六時中座っているためエコノミークラス症候群を発症する危険もはらんでいます。ほかにも冷え性、腰痛、目の疲れ、肩こりと多岐に及びます。行政側も運転手に年2回の健康診断を義務付けているくらいですから、健康管理が難しい職業だといえるかもしれません。
僕の場合、定期的にまとまった形で休暇を取ることで、健康ケアをしていました。タクシー運転手は工場労働などと違い、平日に3日ほどのまとまった有休をとることが容易です。これに週休みを加えると最大5連休が作れます。その連休を利用して、僕はしばしば温泉に行っていました。冷え性を癒すのに効果的ですし、精神的にもリラックスできたからです。また、父の志茂田景樹が軽井沢に別荘を持っていたので、ひとり本を持ち込んで滞在し、リフレッシュしたことも何度もあります。
あと、タクシー運転手の一般的な趣味といわれるものは麻雀、パチンコです。気分転換にはいいのでしょうが、僕の周りで営収のいい人はみんな温泉や山登り、田舎への一人旅など健康的な趣味をもっていた記憶です。営収の数字を見ても、健康面や精神面の管理に優れた人が成績上位を占めているようです。