トイレの場所は頭に入れておけ!
タクシー運転手の仕事で最重要課題だと痛感したのは、トイレの問題です。いざというとき、近くにあるトイレの場所を把握していないと大変なことになります。普段僕は主に公園の公衆トイレを使っていました。運転手はそれぞれ自分のお気に入りのトイレを見つけて、そこを使っていますが、僕のお気に入りは、恵比寿南の信号のそばにある戎(えびす)公園、外苑西通りを広尾から西麻布交差点へ抜ける途中にある笄(こうがい)公園、原宿駅そばの代々木公園です。
でも急な腹痛の時は、どうしてもコンビニのトイレを借りることになります。以前、初夏の暑い夜、お客さんを降ろした後に、ついファーストフード店でソフトクリームを買って食べました。そして、その後仮眠をとっていると激しい腹痛で目が覚めたのです。原因はソフトクリームに違いありません。コンビニのトイレを借りようとすぐに発車しましたが、走り始めて100メートルもいかないところで、運悪く?手押し車をひいたおばあちゃんに手を上げられました。反射的に車を止めてしまったのですが、お腹を押さえつつトランクに手押し車を入れたり、「もう寿命が近い」などといったネガティブトークを聞かされているうちに、お腹の状況は悪化するばかり。なんとか目的地に到着した際も、お金を払うのも降車するのも、とてつもなくスロー。ハンドルを握る手に力を入れてとにかく堪えました。額からは脂汗が噴出。ただ、結局1メーターだったので、大通りからそんなに離れてなく、急いで引き返してコンビニを探しだしました。トイレが空いていることを祈りながら、ダッシュで店内に駆け込むと、運よく使用可能だったのです。もう数秒遅れていたら大惨事でした。