教え上手の教育担当の秘訣とは【後編】
こんにちは!古尾谷です。
前回は教えることが上手な教育担当者のコツについてお話をさせていただいております。
今回も引き続いてお伝えをさせていただきます。
③仕事の期日に対する確認
言わずもがなですが、税理士の仕事は期日がある仕事です。
とにかく締め切りの意識をしっかり持たせて、常に余裕のある日程になるように調整します。
そして税理士の仕事は自分1人で完結するのではなく、先輩や周りの人の都合も考慮しなければいけないことを教えます。
先輩の確認作業や、検算の時間を考慮せず、自分の手を離れたら仕事は終了というような考え方では、プロの仕事ではありません。
このように締め切りについて確認をする時点で、教育担当者はスケジューリングの予定が見えているでしょう。
ですが、あえて教育のために、当人にスケジュールを確認していきます。
この繰り返しで、新人に「税理士の時間感覚」を教育していきます。
前日から仕掛っている業務については、進捗確認を途中ですることが大事です。
こういった内容を日々問いかけることで、徐々に新人も「先輩は何を心配しているのか」を理解し、上手にホウレンソウをしてくるようになっていきます。
<共有>
教育担当は、新人の詳細な状況を把握できたとしても、その情報が代表税理士やオフィスリーダーに届いていなければ、価値は半減します。
弊社ではLINEを使って新人の教育状況を報告することを求めていますが、ツールは何でも良いと思います。
直接話しをしてくるのであれば、それがベストかもしれません。
ただ現場では、想像以上に「共有」が下手な教育担当者が多くいます。
教育担当者が共有をしない理由は、下記のようなものです。
こういった内容を何度も何度も繰り返して伝えなければいけません。
少し手を緩めると、すぐに共有が止まってしまうからです。
そして教育担当者が行っている教育が、事務所全体の方向性と合致しているかを確認するためにも、共有は欠かせません。
教育の方向性がずれることは、教育担当者が悪いわけではありません。
教育担当者が見えている視野は、当然代表税理士やオフィスリーダーより低い視点です。
その中で、ベストと考えている教育がずれているのであれば、修正をしてあげなくてはいけないのです。
ズレを責めるのではなく、「代表税理士が望む教育の方向性はこういう方向で、それはなぜか」を説明する。
結果的に教育担当者に事務所経営の視点を持たせるいい機会になり、幹部教育に繋がっていきます。
実際、弊社も教育を通して事務所経営で重要視していることを伝え、視野を広げさせて、幹部になった者が多数います。
教育担当にとって、大きな成長のチャンスになっています。
さて前回と今回で、教育が上手な教育担当のコツをお伝えしてきました。
教育担当者は、「プロデューサー」だと思っています。
新人を育てプロデュースすることで、新人は仕事が振られて、新人の給料にもプラスになるからです。
だからこそ、プロデュースした教育者もしっかり評価しなければいけません。
教育はどうしても数値化できないため、教育者は評価が難しいという面がありますが、「活躍しているスタッフは誰が教えていたのか」を見てみると、わかることがあるかもしれません。
そして、自分を超える活躍をするような新人を育てることができる教育担当は、税理士事務所の経営にとって価値の高い人材と言えます。
代表税理士やオフィスリーダーは、教育担当の隠れた貢献を意識して、給料面や待遇面で引き上げたいですね。
では今回もありがとうございました。