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減税は大きな政府主義者との戦いである

こんにちわこんばんわ。
全ての増税に反対し、全ての減税に賛成する自由人、七篠ひとり(@w4rZ1NTzltBKRwQ)です。

今日はこちらのニュースから。

英首相「減税は正しい」 財政規律も配慮、党大会で演説

英国のトラス首相は5日、英中部バーミンガムでの与党・保守党の党大会で演説し、「減税は道徳的にも経済的にも正しい」と述べ、9月下旬に発表した大規模減税策の骨格を維持すると強調した。
減税策が市場の動揺を引き起こしたことに配慮し、財政規律を守るとも明言した。

イギリスのトラス政権が大きな混乱を呼んでいます。
これについて「この問題の原因はトラスの減税政策にある」とする論調が多いですがそれは違います。
記事をよく見てください。
減税政策が市場の動揺を引き起こしたなら「減税政策」を見直さないと解決しないはずなのに、トラス首相は

財政規律を守る

と明言しています。
批判の渦巻く逆風の中での党大会で、減税政策を「正しい」と肯定し、そして「財政規律を守る」と明言しているのは

問題は減税ではなく財政規律

だからです。

歳出と負債の拡大が問題視されているのであって、減税が悪いという論調は明らかに間違いです。

といっても、日本のマスコミが紹介する海外記事は減税を批判する左翼系記事ばかりなので、反対の意見はなかなかお目にかかれません。
ですのであえて逆の視点の社説記事を要約してご紹介しておきます。

逆の視点といっても、3行でまとめると

・トラス政権の混乱は大きな政府主義者との戦いだ
・トラスの問題は減税ではなく説明の無い大規模な財政出動にある
・減税は常に激しい抵抗にあうがひるまず戦え

という感じで、トラス様万歳!という内容ではありませんのでご心配なく。


長年、肥大化し続ける政府を熱心に応援してきた大きな政府主義者にとって、「ラチェットレンチ」ほどお気に入りの工具はないだろう。

「ラチェットレンチ」とは、動く方向を一方向に制限できるラチェット機能を持つレンチのことだ。
ナットを時計回りに回している時は、反時計回りに回すことはできない。

世界を見渡すと、各国の政府はどんどん肥大化していく傾向にある。

増税や国債で支出を増やした政府は、それを自ら縮小させることは事実上不可能だ。
なぜなら補助金をむさぼるタックスイーターの声は、無党派層よりも常に大きいからである。
業界からの絶え間ない要求は、権力を増やしたい政府の支出を確実に増大させていく。
また公共事業は民間事業よりも道徳的で優れていると考えるマスコミの支配的な声はラチェットのように政府を肥大化の方向へ動かしていく。

もし政府に強い意志があれば、肥大化の動きは即止めることができるだろう。
しかしそれは常に大きな政府主義者と戦わなければいけない。

この「政府は肥大化していく」という鉄則があるからこそ、今回のトラス政権の混乱が生まれたのである。

ボリス・ジョンソンの後継者は、まったく新しい財政計画を始めようとした。

その主な政策は減税だ。

内容は所得税減税、給与税増税と法人税増税の停止、45%の所得税最高税率の引き下げなどだが、この計画は2つの点で世界に大きな物議を醸した。

ひとつは財政的な問題。

もうひとつは政治的な問題だ。

まずは政治的問題から触れよう。
世界の国家主義的な人達は、その政策を非難した。
例えばバイデン大統領は「私はトリクルダウン経済にはうんざりだし、興味もない」とツイートし、イギリスの国内政策を外交辞令も無しに攻撃した。

IMF(国際通貨基金)は、設立当初こそは財政的困難に陥った国への国際的支援の場を目的としていたが、現在では平等な世界を目指す戦いの忠実な兵となっており、自由主義的な政策を攻撃している。

かつてはイギリスの大統領選の結果を冷静に評価しようとしていた金融機関やマスコミも、今や完全に左翼の代弁者になっている。

ある金融専門誌はカラフルなグラフとエラソーな統計を並べ、「現在のイギリスの保守党は世界一の極右政党である」と書いた。
ちなみにこの記事ではイギリス保守党は、キューバ共産党と真逆ののイデオロギーであると紹介されている笑

このような左翼からの批判を聞くと、トラス政権が失業保険を廃止し、児童労働規制を無くし、国民年金を根絶やしにする気だと思うだろう。
しかし実際はトラスは減税を発表すると同時に、原則無償の国民医療サービスの向上を訴え、また減税よりはるかに価値の小さい電気代に上限を設定し、その補てんの支出を約束している。

このように仕事と投資へのインセンティブを高め、イギリスの経済成長のための減税は、世界の金融官僚、社会主義者、メディアなどの大きな政府主義者によって、「イギリスが貧しくならない為の松葉杖を蹴飛ばす冷酷なハイエキアン」として痛烈に批判されており、その影響は政権をも揺り動かしてる。

ただこれは「トラスの減税政策に対する市場の混乱は全て大きな政府主義者の影響だ」ということではない。
トラスの重大な誤りは、資金調達方法について何の舵取りもせずに、急激なインフレのこの時期に大規模な財政出動を発表したことだ。

このお粗末なやり方が、減税政策の展開に悪影響を及ぼしたのは確かだ。
しかし減税は間違いではない。

それより大きなリスクは、政府権力を制限することに対する大きな政府主義者による政治的抵抗にある。

それはトラスが今後どのような事を言い、政権支持率がどうなろうとラチェットは回されるだろう。

世界中の保守派よ。

小さい政府を推進することは、常に激しい抵抗にあう。
今後もラチェットはより大きく動くだろうが、ひるまずに戦おう。


ということで、今日の記事はここまで!

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