白い部屋
起きたら白い部屋にいた。四畳半ぐらいの密室だが隅の影ぐらいしか映る物がない。急にモールス信号が聴こえた。耳をふさいでも脳に直接入ってくるようだ。タバコの臭いが鼻をかする。喫煙者ではないので急に嘔吐した。黄色の液体が透明に変わってそのまま床に消えた。何かがメッセージを伝えようとしている。何かだと思ったら自分自身だった。自分自身の憎悪に駆られたのだ。両手の手首から先が落ちた。血が滴るが、消えていく。恐怖は親の顔を頭に映した。目の前の壁に長方形の線が引かれてく。両腕を組まれて壁に投げられる。黒い部屋に入った。もう闇の中だ。恐れるものは何もない。床がなくなり浮遊感がした。気泡が生まれ、下から鋭い光が射した。気づいたら白い部屋にいた。手の感触に気づき、下を見たら床に小さなテレビがついてる。黒い文字だけ打ち込まれて、読み取る前にめまいがした。頭の内側まで文字が入ったようだ。目をつむってみたが、白い。前歯がへし折れる感触を舌で感じた。強く我慢し押し出し過ぎたのだ。目の奥に痛みを感じた。部屋の床が無くなった。黒い部屋に落ちたのだ。背中から首筋あたりまで撫でる指。振り向こうとしても振り向けない。頭をクシャクシャとされ、やっと腕を掴んで叫びと共に振り向いた。ここでようやく自室に戻った。なんてことない、人生を半日楽しんだらまた白い部屋だ。
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