サイケデリック・コンセプト・アルバム 「After Bathing at Baxter's」
Jefferson Airplane の 「After Bathing at Baxter's」(1967年11月)はとてもいい
いわゆるトータル・アルバムとかコンセプト・アルバムとか呼ばれる、アルバム単位で1つの作品となっているもので、特に好きな一枚です。
ほとんどの曲が途切れなく続いていて、非常に実験的な事をいろいろとやっているけれど、それをとても楽しんで遊んでいる感じがします。
Psychedelic Rock の粋という様相で、有名な
"Somebody to Love" と "White Rabbit" が入っている 「Surrealistic Pillow」(1967.1月)と比べると、驚くほどの進歩であるように思います。
英語版 Wikipedia(2021.12.3.)によると録音は
「Surrealistic Pillow」1966.10月31日〜11月22日
「After Bathing at Baxter's」1967.6月〜10月
で間は1年に満たない。その間に 有名な "Monterey Pop Festival" (1967.6月16-18日)での Live がある。
Monterey Pop Festival
Monterey Pop Festivalでの公演は素晴らしい。
「After Bathing at Baxter's」に繋がるのがよく分かります。Festivalに参加した音楽家達からの刺激も大きかっただろうと思います。
Monterey Pop Festival での Otis Redding
Jefferson Airplane は "White Rabbit" の歌詞によってドラッグ・カルチャーの申し子のように云われているけれど
"Woodstock Music and Art Festival" での
"White Rabbit"。英語の字幕入り。
僕はどうしてもそういう風に思えない。このアルバムのタイトルもドラッグに関係するというような解釈があるようだけれど(英語版 Wikipedia 2021.12.5)、アルバム全体がとても健康的な風に、僕には感じられます。単にふざけてたんじゃないの? ヒッピーとドラッグ・カルチャーをむしろおちょくってんじゃないのか? とそんな風に思えて来ます。
Jefferson Airplane のメンバーが、当時 (1967年) のロック・ミュージシャンの中にいて、全くドラッグと無縁だったといえば、それはちょっといいすぎだろう。でもちょっとそれをはぐらかすようなものを感じるのです。
Grace Slick の力強く、田舎くさく、過剰に健康的な歌声はかっこいい。Marty Balin の歌も冴え渡っている。Jorma Kaukonenのギターは、同時代に Jimi Hendrix をはじめ多くの名ギターリストがいた事を考えると最高のギターとは言えないが、要所で鋭く冴える音色はとてもかっこよくて、僕は好きです。他が暴れても動じずリズムを叩き出す Spencer Dryden のドラムも素晴らしい。アルバムジャケットもいい。
これに続く「Crown of Creation」(1968年) と
「Volunteers」(1969年)
も名作ですが、僕はなんといってもこれが一押しです。とにかく好きな1枚です。
1969年の8月の "Woodstock Music and Art Festival" の怒涛のLive. "Somebody to Love" のメロディを自在に崩して歌うGrace Slick。凄い!
"Volunteers" のMarty Balinの歌もかっこいい!
(2018年3月にinstagram(philosophysflattail)に書いた記事を手直ししたものです。)