昨年詠んだ俳句一覧
昨年詠んだ俳句をまとめてみました。
遊蝶花起つ昼光の凍土さす
黄水仙あさては雪の予報なり
終業や木瓜の莟の句を探す
冬の月早退の手に「ガムテープ」
暖房を背に雪白のスピーカー
雑駁に切れているパン雪催
立春の手指終日の霜柱
木瓜一輪白いペンキの刷毛拭う
群雀コニファー越しの駐車場
春嵐とれたワイヤー直す朝
春陰や朝の緊張性頭痛
私かなる背中の疼き二月尽
水仙やペダル重たし午後六時
劣化したロープ余寒の落暉前
"蚊にしてはでかい"手を拭く花曇
「科捜研の女」と汁粉春二人
剪定止め二分珈琲温める
廃屋のベランダに人春浅し
一隅の葉叢に咲くや遊蝶花
紅き八重椿一輪メランコリ
満開の辛夷真昼の交差点
蜜蜂が揺らす諸葛菜中休み
シャッターを閉める暮色のヒヤシンス
鉢植えのスノーフレーク強雨去る
珈琲手にうろつく小庭春の鳥
春落葉にムスカリの青通勤路
蓮如忌やビオラの果皮を砕く指
草取れば秋芽吹き二年目の庭
くたびれる夢うなだれる鶏頭花
ヘブンリーブルーにぽつり紅い薔薇
明けてなお番う揚羽や神無月
烈風や歩道に地蔵風車
吾一人寒天に避雷針白く
行商の嫗 濁暑の渋谷駅
軒下の陰 山茶花は蕾なり
四辻の銀杏黄葉や肉屋前
坂道の石蕗左膝の凝り
クリスマスカクタスの蕊袖裏に
十二月三日の青の欅道
俳号 裸鯊奈
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