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蟹座の愛に包まれて ーマルク・シャガール 【ホロスコープから見る芸術家のひとかけら⑤の1】
今回は、うっかりをしてしまいました!
記事を全部書いたところで、
シャガールの生年月日を間違えていた(?)ことが判明!
シャガールの生年月日をAstro seekを参考に7/6として計算していたのですが、文献を見ると軒並み7/7…。
月がズレるのは想定内だとして、金星もサインをズレて獅子座♌️から乙女座♍️になることに!
(細かく言うと、7日でも早朝までは獅子座♌️です)
こうなると、金星の部分の記事が破綻してしまうのですが…。
今回はとりあえず、「金星が獅子座♌️だとして」という仮定の話としてお楽しみ下さい。
はじまりはじまり〜。
※シャガールの金星について考えた記事はこちら↓↓
今回も、『101人の画家』(著:視覚デザイン研究所・編:早坂優子)
より選びました。シャガールです。
なぜかというと、この記事が気になっていたから。
パリのオペラ座にある天井画、シャガール作の『夢の花束』(1964)を取り外して、元あったジュール=ウジェーヌ・ルヌヴー作の『昼と夜のミューズと時間』に戻す?という話題です。
(現在どうなっているのか不明ですが…)
さて、そんな渦中のシャガール。
解説はこうです。
ロシア出身。エコール・ド・パリの画家。
幻想的なイメージがキュビスム的に分割された画面に広がる。牛、鶏、農夫など幼年時代の記憶がモチーフ。
他にも、好きなサーカスや妻(との生活)も多くモチーフとしています。
「愛の画家」「色彩の魔術師」と呼ばれたりも。
◎シャガールの「色彩の魔術」
と、ここで!
お気付きでしょうか!
【ホロスコープから見る芸術家のひとかけら④】のマティスを読んだ方々!
マティスも「色彩の魔術師」と呼ばれていましたね!
こうなると、美術史上の色彩の魔術師は掘っていけばたくさん出てきそうですね!
魔術師かぶりしたので、芸術家でタロットを作るなら、シャガールは「恋人たち」あたりなんてどうでしょう。
《誕生日》(1915)という作品なんかは、恋人たちにピッタリ。
・・・ではなく。
(また話が逸れました)
シャガールの色彩は、とても雄弁です。マティスもそうでしたが、マティスとシャガールでは少し印象が違います。
マティスがその表現を色に託す時、できるだけ色数を削り、一つの色に乗せる想いを凝縮させていったとするならば、
シャガールは想いにが先にあって、それに見合う色を使って表現する画家だった、といえるのではないでしょうか。
色は想いの層にしたがって増えたり減ったりしていくような。
さて、次は、「愛の画家」と言われることについて見てみます。
こちらは、まずはホロスコープを。
◎「愛の画家」のホロスコープ
マルク・シャガール(Marc Chagall)
1887.7.7生まれ Vitebsk Russia (Astro seek参照)
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※ソーラーサインハウス
まずは、「愛」を象徴する星、金星に注目していきます。
金星は、獅子座♌️にあります。
愛の表現に真っ赤なバラの花束を持ってきそうな、とても情熱的でドラマティックな金星です。
シャガールが好きだったサーカスも、獅子座♌️の華々しさを表している感じがしますね。
そしてこの金星は、双子座♊️火星と天秤座♎️木星と小三角を作っています。
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※ソーラーサインハウス
活気のある出会いやコミュニケーション、おしゃべりなどが、作品という形にどんどん変わっていくよう。
そこからインスピレーションを得て、素直に作品に取り込むという感じもします。
それも、とてもロマンチックに盛大に。
《誕生日》(1915)に代表される、1人目の妻ベラをモチーフにした作品群からは、その感じがとてもよく読み取れるのではないでしょうか。
そしてまた、金星が、牡牛座♉️海王星とタイトにスクエアです。
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※ソーラーサインハウス
天地左右があいまいな空間、幻想的な構図や色遣いは、海王星がバッチバチに効いているのかもしれません。
良くも悪くも海王星の影響が強く作品に現れてくるので、見ている方も反応がはっきり分かれそうです。
「なんだこんなファンタスティックなやつ」とバカにする人や「ステキ~」と陶酔する人とかね。
しかし、シャガール自身は、ただうっとりと夢を見ていたのではなさそうです。
しかし、シャガールは幻想を見ていたのではない。
絵画は彼の魂そのものだった。
彼にしてみれば、〈内的な世界はすべてが現実〉だった。
という記述や、
私をファンタスティックなどと呼ばないでほしい。
私はリアリストなのだ。
というシャガールの言葉のように、
幻想的な表現であっても、その根底には「現実を見つめている姿勢」があるんですよね。
外的な社会や世界だけでなく、内的な世界も誰にでもあるとするならば、内的な世界を見ることも「現実的」だと言えるのではないかと。
シャガールの出生時間は不明なので、月は山羊座♑️か水瓶座♒️です。
山羊座♑️は現実感覚に優れていますし、水瓶座♒️のフラットに世界を見る眼は、幻想の中ではなく、情報や実際に関わる人々を見ることで培います。
どちらにしろ、この「リアリスト」であるという言葉は月からきているような気がします。
さて、その現実感覚もさることながら。
見ているこちらとしても、シャガールの作品は愛の幸福と夢の世界に満ち溢れているだけかというと、やはりそれだけではない気がします。
◎悲しみのエッセンス
シャガールの作品には、少しの物悲しさのようなものも感じられないでしょうか。
物悲しさの正体はなんだろうと考えた時、シャガールの生きた時代が思い起こされます。
マルク・シャガールはユダヤ人の血を受け、ロシアに生まれ、フランス国籍を持つ。そのために、革命と内乱と戦争の中で亡命の旅をつづけなければならなかった。 (中略)
その後、第一次世界大戦につづく十月革命をロシアで迎え、さらに第二次世界大戦ではヨーロッパからアメリカに渡り、激動の中に身を置きながら絵を描きつづけてきたのであった。
そして最終的には、フランスに戻っています。
悲しみや怒り、喪失感に、虚無感など。
時代背景を考えると、こんなたくさんの暗い気持ちがたくさん渦巻いてしまいそうな環境です。
また、どこへいっても異邦人という感覚は、どのようなものだったのでしょうか。
ですが、そんな中でも、シャガールは「愛」に目を向け続けたのです。
◎シャガールの太陽 ー蟹座♋️
シャガールの太陽は蟹座♋️です。
蟹座は、大切なものをその甲羅の内側に抱え込み守ろうとします。
身近な家族や友達、自分の仲間だと感じたものをです。
とても個人的な愛です。
シャガールの絵には、シャガールの好きな人、好きなものがモチーフになっているのも頷けます。
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※国立近代美術館蔵なので、常設展に出ていれば出会える可能性がありです
また、シャガールは、故郷のロシアをずっと愛し続けました。
幼年期を過ごしたロシアの風景や光景も描き残していますし、移り住んだパリについても「第二の故郷」と呼んでいます。
蟹座♋️は、馴染のものというのをとても大切にするのですが、シャガールは、自分が馴染みだと思う範囲が広い気がします。
その対象は、人だけでなく、国や場所、人類というものに広がっているようです。
でも、博愛とは違う。あくまでも「私にとって大切」なのです。
蟹座♋️の愛って、行くとこまで行くとこういことになるのかなと思わされます。
シャガールのように、個人的な愛をどこまでも突き詰めた人が作品をつくるとき、私たちはそこに普遍的な愛を感じるのかもしれませんね。
◎シャガールからのメッセージ
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※パブリックドメインRより
さいごに、長谷川 智恵子さんのシャガールへのインタビュー記事より、シャガールの蟹座♋️的「愛」をみなさまに。
さあさあ、作品とこのメッセージとともに、蟹座♋️の愛情の中に包まれてしまいましょう(!?)。
ーあのう、ちょっと待ってください。日本の若い人たちに、ひとことメッセージをほしいんです。
シャガールは大きく両手を広げた。
ーでは、マダム・ハセガワ。日本の皆さんに私の愛情を伝えてください。
優しい笑顔は、あっという間にアトリエに消えてしまった。
シャガールはこのとき91歳の誕生日直前。
ほとんどの人がシャガールからみれば「若い人」なので、ほぼ万人へのメッセージですね。
◎おまけ ー蟹座♋️あるある!?
『101人の画家』に、シャガールは絵の具だらけの汚いズボンを捨てられて怒ったというエピソードがあるのですが…
うちの息子も、ものすっごーーーーく汚い、穴ぼこだらけの筆箱を「そろそろ新しいのにしようか」といった時、ものすっごーーーーーく悲しそうだったのですが…
これって、蟹座♋️太陽あるあるかなにかなのでしょうか!?
最終的に親の説得に折れて、それはそれは丁寧に紙に包んで「ありがとね」と言って捨てていました。
まあ、その紙は、そこら辺にあった裏紙でしたがね!
しかもお絵かきをさんざんして、ボロってなったやつでしたがね!
(牡羊座♈️月なの!?牡羊座♈️月的あるあるなの!?)
※冒頭の記事の《夢の花束》について。
晩年に制作されたこの作品は、物悲しさは薄く、明るさの方が強く感じられます。
ステキな作品なので、これについてもいつか別記事で書けたらと思っています。