パレスチナについての新曲「オリーブの樹の下で」🌳
パレスチナについての新曲「オリーブの樹の下で」を初公開しました。
先日、東京大学にて学生主導で行われたデモイベント「ECHOES OF INTIFADA 共鳴するインティファーダ ~パレスチナ解放のための声と音〜」での演奏風景です。
パレスチナにとってオリーブは、単なる特産物ではなく、長い迫害に耐え忍んできた人々の精神的支柱のような、とても重要なもの。過去から現在への存在証明であり、未来への希望でもある、そんな植物なのです。
愛情込めて育てたオリーブを、イスラエルの軍隊やシオニスト入植者たちが根こそぎにする、家屋ごと焼き尽くすなどの暴力行為が後を絶ちませんが、それでもパレスチナの人々は、新たに種を蒔き、苗木を植えます。
数年を経てふたたび実るオリーブの果実のその奥には、彼の地の人々の魂のような、揺るぎのない種子が詰まっています。
自分はこれまで演奏の際、仮に、目の前にたくさんのお客さんがいる現場であったとしても群衆のかたまりとして対峙するのではなく、一人一人の心に向けて、それぞれの固有性に向けて音を響かせられるよう、願ってきました。
なので、これまでに作ったパレスチナにまつわる楽曲たち、「Two Palestinians」「密航者を壁の向こうへ」も、全員で声を合わせてスローガンを歌うような詞の構造は避け、各人の心象風景の中に、リアリティとともに彼の地の人々の姿を立ち上げられるよう、非力なりに試行錯誤を重ねてきました。
でも今回、若い学生さんたちが声掛けしてくれた機会であったことから「皆で一緒に歌えるパートがある曲を持って行けないかな」と思い立ち、中途の新幹線で急遽、作曲を試みました。車内でギターを取り出すわけにはいかなかったので、携帯のボイスメモに向かって、小声で録音しました。
作りたてで練り込みが足りていない歌詞と演奏ではありますが、あの日、あの場に居た皆の声が合わさって、一人で歌うよりも、たくさんのオリーブの樹を描くことが出来たように思っています。ありがとう。
そしてパレスチナでは、いくら声を合わせても足りないほどの極限状態が今も続き、悪化の一途を辿っている。どうか、世界中からの注視をお願いします。
追記:
12/19には下北沢440にて、パレスチナを支援する「抵抗と灯火」に出演します。皆さんぜひ。
こちらはMKRDTSBさんいう若い世代のアーティストが心身の不調と闘いながら継続されているイベントで、切実な存在感を放っています。メールのやり取りだけでまだ面識はないですが、彼女の発信に心を動かされた人は多いでしょう。たった一人の力を、けっして侮ってはならない。一人の行動が、次の一人のための道を切り拓きます。