ウッドショックとは何のか?木材危機についての自分メモnote (2/n)
GWも終わり緊急事態宣言下の終わらない日常が戻ってきました、つらみです。。。
さて、前回(1/n)はウッドショックの直接的なトリガーについてまとめていきましたが、本noteでは木材を巡る世界的な輸出入が複雑に絡んでいるよという話と私たちに直接関わる国内の影響についてまとめていきます。
中国市場が追い討ちをかける?
今やアメリカと競うような経済大国となってきた中国ももちろん今回のウッドショックに密接に関わってきています。前回も書いたように住宅・D IYの需要増は世界的なムーブメントであり、もちろん中国でも状況は同じです。今後の木材需要に及ぼす影響はアメリカのそれ以上になる可能性も出ているようです。
それに輪を掛けて世界的なコンテナ不足の状況が発生していて、この大きな要因はコロナ禍からいち早く抜け出した中国がコンテナを買い集めているとのこと。荷物を積んだコンテナは行った先で荷を下ろし、別の荷物を帰ってくるのが通常ですが、中国は空のコンテナでさえも高値で調達するケースがあるようです。
国内での影響
国内の集成材はヨーロッパからの外国産材に大きく頼っている状況でしたが、上記の理由から輸出コンテナが不足しているため木材が入ってこない状況が表面化してきたのが最近の国内状況となります。通常なら2ヶ月で入ってくるところが、2月着予定の木材もまだ到着してきてないとか…担当者なら胃が痛くて倒れそうな状況です。
ヨーロッパや中東でも住宅需要から木材の需要が高まっていて、ヨーロッパの集成材メーカーはコンテナを利用せず陸路で輸出を始めているようなので、ますます日本は分が悪いですよね。
ということで、国内の木材価格が平時の2~3割ほど値上がりを起こしていますし、さらに上がる可能性もあり先行きが不透明です。欧州材に頼る製材メーカーは新規受注を断らざるを得ない、また受注した建築物の着工ができないなど現場レベルで既に影響が出てきています。
グリーン住宅ポイント制度やローン減税制度など国が打ち出した住宅取得支援制度やテレワーク推進の影響もあり、郊外の分譲住宅を中心に盛り上がりを見せていましたが、多くの支援政策には期限が設けられているため、各住宅メーカーは今後各所で対応を求められていくかと思います。
国産材へのシフトが可能か?
日本には木材が溢れていると思いがちですが、状況はそうではないようです。建材に利用できる木は何でも良いわけではなく、樹種やサイズなど条件などでかなり限られてきます。国産材の供給量が需要に追いついていないのに加え、価格もそもそも安くはないので簡単に調達できるとはなりません。
国産材を扱う製材メーカーも馴染みの業者から優先的に木材を流していくので、新規客へ割り当てられるかというと当然そうはならないですね。
そして、ここでも中国が出てきますが国産材も中国へ輸出されています。国内より高い金額を提示されると輸出に回しますよね。長年国内のサプライチェーンで安く買い叩かれていた状況を思うと何も言えないと思います。逆に国産材を安定供給をできるシステムを構築してきた建設会社・住宅メーカーは企業価値が高まる機会になりそうですね。
最近の木材にまつわる状況を簡単にまとめましたが、今も刻一刻と状況は変化していってますので、定期的にまとめていきたいと思います。コロナ禍の影響がどこまで拡大していくのか、、緊急事態宣言も延長され不安な時期が続きますが、体調管理に気をつけていきたいです。
ちなみに、本屋で見かけた今売りのBRUTUSが『居住空間学』特集でした、この時期に罪作りな 笑
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