レシピの研究
今年の夏。
カルパッチョとカプレーゼを作り続けた。
母からいつ「飽きた」と言われるかとヒヤヒヤしながら、何度も作った。
私はハマると同じものを食べ続けたり、作り続けたりするタチで。過去には焼き菓子やスムージー、パン作りにもドハマリした。
傾向としては本からの影響が大きく、気に入った本を隅から隅まで読みまくって、ひととおり作り倒す。
例えば、
なかしましほさんの
『オーガニックなレシピノート もっちりシフォン さっくりクッキー どっしりケーキ』
『まいにち食べたい”ごはんのような”クッキーとビスケットの本』
『まいにち食べたい”ごはんのような”ケーキとマフィンの本』
岩崎啓子さんの
『365日カラダに効くスムージー&ポタージュ』
村上祥子さんの
『こねない! 生地をひと晩冷蔵庫に入れて、焼くだけ オーブントースターでふっくらもちもちおいしいパン』
などなど。
もう、付箋つけまくり。
ひととおり作って、気に入ったレシピを見つけるとさらに何度も作り、アレンジを加え、「私のレシピ」が確立したりする。
姉からは、
「あんだって、ちゃんと作るよね。なんていうか、本当にちゃんと作るよね」
という褒めてるのか呆れてるのかよくわからない感想を言われた。
私がドハマリする本って多分、基本をまず教えてくれて、ベースとなるものを作って、そこからアレンジが広がっていく……っていうタイプが多い気がする。レシピがただズラズラ並んでいる本よりも、流れがあるというか、系統立てて教えてくれる方が好きかもしれない。
そういや占いに興味があったときも、毎回占ってもらうより自分でやり方を覚えた方がいいじゃないかと思ったもんだ。
あとレシピ本で大事なのは、自分のスタイルに合っていること。背伸びする系は長続きしない。食材にしろ道具にしろ、「自分がよく使うものであること」という点は欠かせない。
それを作るためだけにわざわざ買い集める、ということはしない。そう決めておかないと、あっという間に散財してしまう(経験談)。
そのうちに私のレシピ研究は、パッタリと止まる。
材料や分量を暗記するくらい、作って作って、練度を増して、ノートに実験結果を記して、ようやく気が済むのだ。
何事も「体が覚えた」とか「データが取れた」と思えたら満足するらしい。
そんなわけで、カルパッチョとカプレーゼは「私のレシピ」が出来上がった。さすがに私も飽きてきたので、秋はまた別の料理の研究をしたい。
ちょうど、近頃母が「カレーのルーって、油が意外と多いんだよねぇ」と言っていた。
ということで。
今年の秋は、カレーの研究をすることにする。
市販のルーを使わずに、自分でスパイスを組み合わせて作るタイプ。「スパイスカレー」と呼ぶのかな?
母の悩みを解消しようと、先日スパイスをいくつか買いそろえて実験した。
このとき私が普段使わないスパイスをわざわざ買いそろえた時点で、「これからたっぷり研究してやるぞ」という気は、そこはかとなく湧いていたのだ。
そして初めて作ったスパイスカレーは、求めていた味にはならなかった。
参考にしたレシピも良くなかった。いつもの私なら3つ4つレシピを見比べてから材料と作り方を決めるのに、このときはうっかり最初に見たレシピだけを参考にしてしまった。
断然、やる気が湧く。
もう参考にする本の目星もつけた。
試し読みもした。
好きなタイプの本だ。
私はこれを数日のうちに買うだろう。
今年の秋はスパイスカレーの研究に決まりだ。
冬にはルーを卒業しているかもしれない。
その頃にはどんなカレーを食べているやら。
楽しみである。