昨夜、父に叱られた
昨日の夜、noteに日記を書いていてうっかり夜ふかしをしたわけだが。そのあと布団に入ったものの、アップした日記の文字の並びをスマホで確認しているうちに、そのままウトウトしてしまった。
手にはスマホを持って。
枕元では消し忘れた電気スタンドが、煌々と光を放っていた。
眠りに落ちることと、重いまぶたを開けてスマホ画面を見ることとを何度か繰り返していたとき――
ハッと目を覚ました。
*
その話を、さっき夕ごはんを食べながら母に話した。
「そんどきね、……気味悪いって言わないでほしいんだけど……」
思わず断りを入れてしまう。
母はこの手の話があまり好きではないはずだから。
「……お父さんの、声がしたんだよね。すっごいリアルに。いつもの、あの低い声で。あの感じで。私の名前、呼ばれたの。多分、電気スタンドつけたままだったから、早ぐ寝ろって言いたかったんだと思う」
母はモグモグごはんを食べて聞いていた。
「や、聞こえたっていうか、ウトウトしてたから私の記憶が鮮明にお父さんの声を思い出しただけかもしれないんだけど。うん、私の気のせいかな。気のせいかも」
全然気のせいなんかじゃなかったのだが、母に否定されるのが怖くて、気のせい説の方へ寄せてしまう。
だが予想に反して、
「うん、聞こえるね」
「え?」
「聞こえるよ」
――母は、全面的に賛同した。
「……だよね!」
意外だったが、嬉しかった。
母は続けた。
「私も時々聞こえるよ。いまだにお父さん死んだって思えないんだよね。スーパーでもお父さんの分まで買っちゃうし」
「……ごめん、それは私はないわ」
しかしこうも父の声がしょっちゅう聞こえるとなると、これまで謎だったことがひとつ解決する。
愛犬チイサイノ(日本スピッツ)のことである。父が亡くなってから、何にびっくりするのか、急に飛び起きることがしょっちゅう起こった。
それ、きっと父がチイサイノを呼んでいたに違いない。父はチイサイノを溺愛していたから。
呼吸器が弱いから、あまりチイサイノをびっくりさせないでよ、お父さん。
*
今日は昨日より早く書けた。
おやすみなさい。
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