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久しぶりに即売会の準備に勤しむ

何年ぶりだろう。
即売会の準備をするのは。

ステロイドや免疫抑制剤を常用している私は、感染症に注意しなければならない。故にまだしばらくは、不特定多数が入り乱れるようなイベントの参加は控えている。だから今回の即売会も、参加するのは私ではなく、作品たち。

同人誌即売会ではないから、小説や体験記の手製本は持っていかない。今回私が出品するのは、ポストカードと一筆カードを少し。

ポストカードは、地元の美しい風景をメインにした「森」セットと「空」セット。
一筆カードも同様の風景写真。「いつもありがとうございます」という言葉が入っていて、手書きでも一言書けるように空欄を設けている。

これらを、「和楽風天わらくふうてん」の相方はじめ☆に託す。

はじめ☆はコロナ禍でもめげずに、しっかり感染予防をしてイベント参加や、コスプレ撮影会の企画運営を続けている。

――いつも申し訳ない。私は休んでばっかりで。

コロナ自粛だけではない。RIKONと父の他界が重なったこともあり、しばらくは外に出る気持ちにもなれなかった。

しかし相方はじめ☆は、いつものように私に語りかける。
「和楽風天のモットーは、無理しない、休みたいときは休む、だよ。オレはやりたいから勝手にやってるだけ」

はじめ☆のこの言葉に、私は何度、救われてきたことか。

私たちは、持病のつらさ、休めないことのつらさを知っている。今の私は持病も安定してすっかり元気ではあるが。だからこそ自粛がうらめしい。

考えようによっては、「休みたいときに休む」を実行している私は、和楽風天の理念を体現しているわけで。堂々としていればよろしい、とも言える。

でもやっぱり、気にしてしまう。
(こういう性格だから病を得るのだ)

和楽風天が企画運営している撮影会で、いつもスタッフとして力を貸してくれている皆さんには、とても感謝している。皆さんがいるから、私は休むことができる。

そして相方はじめ☆。何度も撮影会を成功させ、地元からの信頼が厚くなっていくのを実感している。――にも関わらず、はじめ☆は天狗にならず、とても慎重。

「身の丈」を常に意識して、手を広げすぎない。いつだって少ない人数で回せる規模に抑えている。尊敬するし、大きな失敗をしなさそうで安心する。

引きこもりが得意の私も、さすがに数年に渡る自粛生活は飽きてきた。かといって絶対にコロナ感染や持病の再発、入院はあってはならない(母との約束)。

だがしかし。
不特定多数が入り乱れる場はまずいが、「特定少数」しかいない場なら、撮影会の裏方としての復活、イケるんじゃないかと近頃思い始めている。もちろん感染予防はしっかりと。

何はともあれ、まずは即売会への出品である。作品を用意し、値札も準備した。

久しぶりに、ワクッとしている。



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