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母は、確実に老いてきていると思う。 家族の太陽のような存在で、陽気の塊だった母。今はできなくなったことが増えて、嘆く。 この前教えたことを忘れる。新しいことを覚えられない、思い出せない――となるから、昔からの自分のやり方に、固執する。 時々だけど、その「時々」が増えてきた。 ただのガンコとは違う。教えた内容だけでなく、「この前教えた」というその出来事自体、欠落したように忘れる。 ああ、始まったのか――。少し血の気が引く。 元嫁ぎ先も含め、こういう現象は何度か覚えがある。私