"パーシモンホール公演"のその先に。vol.58〜録音雑記①〜
記録の意味も込めて。
6月6〜8日に町田ダッチママスタジオで ROTH BART BARON 通算5枚目となる New Album のレコーディングを実施した。
限られた予算の中で、参加するミュージシャンに最大限のパフォーマンスを発揮できるよう、通常なら1日でまとめるであろうブラスセクションの録音を休憩しながら実施できるよう、4リズム・ベーシックの録音とブラスセクションを曲毎に交互に録音していくタイムテーブルを組んだ。
程よく天井の高い、ダッチママのスタジオはドラムも管楽器もとても良い音で録音することができた。
自粛中の6月、幸い皆んな時間があるようで、時間拘束で実施しない録音のタイムテーブルを十分に活用して頂けたように思う。そして愛すべき管楽器の竹内悠馬、須賀裕之、大田垣正信ら3名、そしてもはや居なくては語れなくなった岡田拓郎氏。彼らの熱のある、そしてロットの音楽を十分に理解した充実した音源が録音できた確かな手応えがあった。
それから今回の作品は既に録音はドラムで工藤明が参加。
例年のロットなら PALACE や SNS 上で録音の写真や映像をどんどん公開し、リリースまで、長く楽しんでもらえるコンテンツになるよう努めるのだが、今回は中原くんがバンドを去ることになったので、その正式発表をするまでは、SNS も含め大人しくせざるを得なく、また自粛中にレコーディングを実施していることも公にすることは避けた方が良さそうだ、という判断もあった。
いつから、アルバム用のセッションを始めていたのだろう、と今振り返ってみると5月30日パーシモンホール用の練習とは別で組んだスタジオのスケジュールは、どうやら2月4日のようだ。
とんでもない楽曲ストックの中から、また、ここ数ヶ月で増えた楽曲リストの中から、何十曲かを順々にトライをしながら、3人で持っている音楽を引き出しから片っ端からテーブルに乗せていったような1日。以降、こんな日を数日に一度、継続して実施しながらお互いの理解を深めていった数ヶ月があった。
ダッチママスタジオでは、3日間で12曲のベーシック録音が終わり、かつてなく順調な3日間があった。
この歴史的な厳しい局面の中、いつにも増して強い意志でレコーディングに臨んでいる三船雅也のバイタリティが成功の理由であることに疑う余地もなく、それは、私が知り合う前の作品、2010年 Mini ALBUM『ROTH BART BARON』で「いなくなってしまったお父さんと遊園地に行くが、排気ガスが自分の子供の将来を奪う」と歌っていた彼にとって、何を今更大騒ぎをしてるんだ、現実を見ようとしない人間様の歴史があるではないか、という気持ちが大きいのではないか、と個人的には思っている。
『国歌』
僕のお父さん いなくなっちゃった 僕のお父さん
君が自ら選ぶことに 間違いなどない
大丈夫、怖くない たとえそれが間違いでも
僕を車で遊園地に 連れて行くけど
排気ガスは僕の子供の将来を奪うんだ
大丈夫、怖くない たとえそれが間違いでも
君のお父さん いなくなっちゃった 君のお父さん
僕らの未来がうまくいかない 理由などひとつもない
全てが うまくいくよ
全てが 全てが・・・
続く。
クラウドファンディングを立ち上げました。
どうぞよろしくお願いします。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?