"パーシモンホール公演"のその先に。vol.53〜Music Video「HERO」〜
4月7日(月)20時。
ALBUM『けものたちの名前』シリーズでは最後となる『HERO』の Music Video を公式サイトでアップロードをした。
『HERO』の MV は、主題歌となった DRAWING AND MANUAL 菱川勢一さん監督映画『新青春』の予告編でもある映像作品となった。
クラウドファンディングを立ち上げ、紆余曲折、最後までどうなるかわからなかった本作品は菱川さん自らが手がけて下さることとなった。
『けものたちの名前』に向けて立ち上げたクラウドファンディングは Music Video を作りたいという大義名分で組み上げ、結果5本の映像が仕上がり、菱川さんには、2019年8月21日に公開した第1弾の MV「Skiffle Song」も作って頂いたので最初と最後を手がけて頂いたことになる。
とんでもなく高い完成度の2作品。ダイナミックで繊細で、美しく、ありそうだけど見たことがない気もするし、どことなく懐かしい感じがするのは世代のせい?、どことなく愛嬌があって胸騒ぎがする、そんな感じでしょうか。楽曲に対して独特の距離感で寄り添い過ぎない心地良さと、それでも感情移入できる余白で見ている我々のスペースを確保してくれている感じもして、何かを思い出しながら飽きずについ何度も何度も見入ってしまう。
ふと思うのですが、多くのメジャーなアーティストの Music Video や企業案件、CM、映画に関連する大手の会社が、ロットのような一インディーバンドが作品を発表するにあたりクラウドファンディングという未知数なプラットフォームでの資金捻出に理解を示し、協力してくれたということはどういうことだったんだろう、と正直思ったりもします。
当時、既にデモ音源があって本当に気に入って頂いたとしても、音楽、楽曲の力でそこまでの人や時間やお金を動かすことができるのだろうか。
我々もモノ作りをしているのでわかるが、作り手の人間性は否が応でも作品に出てしまう。嘘はつけない。
久しぶりに有名タレント、有名俳優が出演しない映画を見た気がします。「新青春」という映画は純粋でチャーミングで心が揺さぶられて、とても良かったです。先月、菱川さんから映画が完成しました!と Vimeo の URL を頂いたので見させて頂いたのですが、あっというまに90分が過ぎた。Messanger で「ごろ寝仕様です」と伝えられた意味がとてもよくわかるお正月映画のような。じわっと心の一部分を埋めてくれる感じ。そしてとても美しい日本が美しい映像で紡がれていた。
当初、2020年『徳島国際映画祭』でクロージング映画として上映される予定だったのですが、このご時世で中止となってしまったのは残念ですが、その代わり youTube と Vimeo で4月17日まで見ることができるそうです。
youTube では英語の字幕付きで見ることができ、
オフィシャルサイトでは Vimeo の URL が貼られ、こちらは4K の画質がそのままに、SIGMAシネレンズのスペックを生かした高画質で楽しむことができます。
外出自粛にはもってこいだし、なんとも心が温かくなる方向にグッとチューニングしてくれる心優しい映画。ロットを通じて参加できたことを嬉しく思います。ありがとうございました。音楽も映画ももっともっと多くの人に届きますように。