MDP_Day5 ニーズ探索・課題設定
本来は春に開講、じっくりと進むはずだったが、今回に限っては、冬開催で年内に終了させる予定なのでしょう。毎週実施しています。前回ハンズオンセミナーを受けてから、翌週火曜日、その週の金曜日も続きます。
観察した事実を書き出す
これからスタートしたわけだが、前回書き記したように、当日あまり観察という行為ができなかったわけ(詳しくはMDP_Day4をご覧ください)で、思い出して書き出すしかない。しかも特定の事象についてではなく、1日で体験した全てについて書き出せというのは少し酷であったかなと感じている。この後、「胃カメラの飛沫防止」について深めていくのであれば、これだけでも良かったかもしれないと感じた。と言いながら思い出して書き出すんだが、当然慣れていないと、起こった「事実」と創造した「解釈」が混じってくる。別に悪いわけではないので、後から分別すればいいんですが、WSの組み立てとしては・・・
・まずは、特定事項に絞り、観察から得られた情報を全て書き出す
・事実と解釈を分ける
・これらを紐付ける
というステップを踏んだほうが、多くの事項が出やすいことと、わかりやすいのかもしれない。
また出てくる問題と課題・・・
事実→解釈→問題をあぶり出すフェーズに。ここで厄介なのが、「問題」というキーワードで、前回Day3で書いた「問題」と「課題」の定義の理解が難しいことだ。
例えば・・・
事実:胃カメラ挿入中に医療従事者が中腰になり様々な姿勢で操作している
解釈:姿勢が悪く体に負担がかかってそう(に見えた)
としたとする。
そうすると、問題をどう記載するか。ここでの問題の定義はあくまで「ギャップ」とされているため、ギャップを測るための「到達点」=「ベターorベストな状態」を想定、定義できている必要がある。
ベターorベストな状態:姿勢がよく体に負担なく操作ができている
となるかもしれない。ここで忘れてはいけないことがある。今回の行動観察はどんなニーズに対する事象をまとめて行こうとしているのか?!である。
行動観察から出てくる事実は、様々なベクトルで生み出される。それは当然のことで、いろんな人が自分の目線で素直に見ているから。これは仕方がない。でも、ここでニーズってなんだっけ?何を解決するんだっけ?に一度心を動かす必要がある、スクリーニングが必要ってこと。
少し話を戻そう。問題はどうなるか?
問題:コードが邪魔、ベッドの高さが低い、挿入角度が悪い など・・・
なんとなく描き出せるかもしれない。さて、課題はどうなるか?ここで定義されている「課題」はソリューションである。(問題と課題が出てくるとややこしいと感じます。)
課題:ワイヤレスにする、ベッドの高さを変えられる、挿入しやすい一からできる などでしょうか・・・
これらの真偽については、ここでは議論しませんが、MDPで学んだ行動観察→問題提起のフローはこのようになっている。
面白いことが起きた
ここでチームにいた医療従事者の人が面白いことを発言する。
さっき言ってた件だけど、医療従事者はその姿勢が慣れていて、普通だからしんどいとか感じていないよ。。。
基本的に医療ニーズって、一般の人はすぐにリーチできないものです。医療現場を簡単に観察することはほぼ不可能で、ニーズは、医療従事者から降りてくるものを考えたほうがいい。
だが、医療従事者が感じていない事象も、他から見たら???なことはたくさんあるわけで、「当たり前」→「課題」と捉えることは必要だと思っています。これは、医療ニーズを掘り起こすということですよね。
面白いかどうか?
課題がある程度描き出せれば、その中で面白い事項を選んで、絵を描きましょう!となるわけだが、WSだとこれでいいのかもしれない。何が問題だと思います?「その中で面白い事項を選んで、」ここです。
面白いかどうか?の何が面白いのかを定義、メンバーが共通認識できていないこと、これが結構ポイントです。本気で医療機器開発を行うのであれば、「面白い」の定義がしっかりできていること、ここに尽きます。これについては、後日書いていこう。今回のWSにおいては、メンバーが突拍子もないアイデアを出せるんだよ!ポジティブにやっていこう!というマインドセットを植え付けることを重要視しているのか、あくまで学習の場としてやっているのか、わからないが、モノづくりの現場から見ると、このポイントはしっかりと整理すべきかなと感じました。
医療にクリエイティブを
MEDELはこのキーワードを掲げていますが、やり方はシンプルです。医療従事者のメンバーから、抽出された医療ニーズを解析し、組み立て直し、ソリューションを提示していく。抽出されたニーズがどれだけ精緻であるかにかかってくるので、メンバーの質が非常に大事になってきます。また頑張ろうと思えた一日でした。