HOUSE R #2 素材
「HOUSE R」の設計の裏側について、続きです。
前回は構想編ということで、手書きによる大まかな平面プランと外観の正面のスケッチをしました。それらをもとにパソコンのCAD上で図面を書いていきます。
皆さんが家づくりで目にする図面というのもCADで作成された図面が大半だと思います。なので、今回の記事はせっかく設計の裏側をお見せするという目的であるため、CAD図面はあえて見せずに、外観の素材検討と北側外観のスケッチをお見せします。
1.素材検討
外壁の板張り部は杉を使う予定です。
また、今回の住宅は地元の色を使いたい、ということで、岡山県高梁市で昔から使われている「ベンガラ」を杉に塗装します。
ちなみに、ベンガラの町、高梁市の「吹屋」は伝統的建造物群保存地区にも選定されており、なかなか珍しい風景が残っています。
ただ、そのままベンガラを使うだけでは色の深みが無く、落ち着いた雰囲気が得られないと考え、墨を混ぜることにしました。ここでの混ぜる割合がミソであり、思い通りの色になるのを試作できるのが注文住宅の醍醐味でもあります。
ベンガラが多い割合の方が良さそうです。
いい質感になりました。直射光があたると、もっと赤みを帯びて見えるので、自然の光の変化によって見え方が変わります。墨という他の素材と混ぜることによって得られる変化です。
もちろん、板張り単体で素材検討するのではなく、他の素材との全体バランスをイメージしながら判断していきます。
2.北側の外観イメージスケッチ
西側正面の外観は以前の記事に載せています。
右奥に見える壁が板張りになり、左手前の壁はコスト重視でフラットサイディングの予定です。
周りの山の風景に合わせて、屋根が雁行するようにしています。
北側に行くほど屋根が開き、天井が高くなっていきます。なので、北側に対して窓を大きくとり、室内から見て山々の風景と空を大きく切り取るようにしています。