見出し画像

13 reasons whyにみたアメリカと日本の性被害対応の違い

13 reasons whyとは

Netflixのオリジナルドラマである。

あらすじを超簡単に話すと、

ハンナ・ベイカーという高校生が自殺する。彼女は死ぬ前に、自殺する理由を13個カセットテープに録音していた。死後、ハンナの友人のクレイとそのテープが犯人たちを追い詰めていく話である。

見た人にはわかるがめちゃくちゃ乱暴な説明だが、それはさておき。

僕はこれから13 reasons whyを見ていて思った、司法の違いと、人々の考え方の違いについて話したい。

ここから先は完全なるネタバレなので、ネタバレしても良いから読みたい派の人はスクロール、ネタバレやめろ!今から見るんじゃ!という人は、ブラウザの戻るボタンを押してね!

レイプの定義の違い

いきなり何を言いだすんだ!と驚いた方もおられるであろう。

でも僕が13 reasons whyを見ていて、日米で違うなと思ったことは、レイプについてである。

主人公のハンナが自殺した理由は色々あるのだが、その大きな理由の一つがレイプである。

主犯格は、ブライス・ウォーカーという金持ちの坊ちゃんで、野球部キャプテンでエース、いわゆるアメリカのスクールカーストのトップだ。

傲慢で、セクシズムに満ち溢れ、卑怯な男である。

驚くべきことに、ブライスは、なんと自分の恋人にもレイプをしていた!

彼女が無意識の状態(お酒&ドラッグ)で、セックスをしていたのだ。

僕は、レイプという言葉の日米の感覚の違いをここに見た。

日本でレイプというと、「恋人じゃない男、または知らない男に無理矢理襲われる」という感覚が強いのではないだろうか。

米国では、「合意のない状態でのセックス」がレイプという感覚なのだ。たとえ、それが恋人であっても。

「合意のない状態でのセックスであったことを、ブライスの彼女が証言さえすれば、確実にブライスは終わりだ」

と、ハンナの友人のクレイは言っていた。

日本の司法は、何を守るのか

先日、無意識の状態で性的暴行をされた女性が裁判を起こした。男は無罪だった。

実の父親に、強姦され続けた女性も裁判を起こした。男は無罪だった。

こんなことは、ありえない。ありえて良いはずがない。

Noと言えなかったこと、言ったけど本気にされなかったこと、何かを恐れてYesと言ってしまったこと…

合意ではない。決して合意ではないのだ。

合意の定義について

よく、こういう議論をするときに

「男の家に行った時点で合意だから、家に行ったらダメ」

「男女2人で酒に酔ったらそうなるに決まってる。自己責任だ」

「そんな服を着てるから悪いんだ」

という人たちがいる。

これが、結構日本で当たり前のように考えられていることも知っている。

論理的に考えてみよう。

男の家に行く=セックスに合意している

圧倒的に飛躍してるのがお分かり頂けるだろうか?

待って、もしかしたら、A=B B=C、よってA=Cみたいな理論なのかも?

でも、どうやってもBが見当たらない。

合意の定義とは、一つ。「その行為に、なんの強制もない状態で、YESといったかどうか」

男性を貶めている

家に行ったら、酒を飲んでたら、露出の高い服を着ていたら、そうなってしまっても仕方がない。

これは、非常に残念ながら、「男は、自制心がきかない」という前提をベースに論じられている。

そんなことはないはずだ。 

ちなみに、仮にそうだとしても。それは、男性側の問題であって、女性の問題ではないのは明らかだ。

自制心がきかないから、女性側が気をつけなければならない、ということを別の例で表すとこんな感じだ。

男は元々信号を無視する生き物だと仮定する。理性で信号無視をしないようにしているが、世の中には自制心がきかない男がいて、やつらは車を運転してもしばしば信号を無視する。そして、やつらの運転のせいで、毎年事故が起きているとしよう。そこで、こんなことを言われたらどう感じるだろうか?

『歩行者の皆さん、男性の運転する車が近づいてきてる時には横断歩道を渡るのはやめましょう。男性の運転する車がきているのに、渡ったら、渡ったあなたも悪いのです。渡ったのは、轢かれることに合意したも同然ですよ』

えっ、おかしくない?

信号無視する人が悪いでしょという話だよね?

「その気にさせた女性も悪い」と言いながら、実は「男って自制心がないから」と男性を貶めている理論なのだ。

男性も尊厳を持って怒ろう

これを読んでいて

「そんな男ばかりじゃない!」

と思ったあなた、怒りを声にだそう。

俺はそんな男じゃない!と言うのではなく、自制心のきかない「そんな男」たちを徹底的に糾弾しよう。

そして司法を変えるために出来ることをやろう。

https://www.change.org/p/世間-裁判官のジェンダー教育及び性犯罪の厳罰化を

「その気にさせた女性も悪い」という、筋の通らない理論を、みんなでやめよう。

合意の定義「その行為に何の強制もない状態でYESといったかどうか」を広めよう

令和には、これが日本で当たり前にしたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?