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「お母ちゃん、いっぱい愛してるよ」
消防士を30年以上続けたので、火災現場も救急現場もたくさん出動してきた。
消防士を辞めてからもうずいぶん経つが、今でもふいに現場の光景がよみがえることがある。
救急出動は、現場から病院まで関わるだけだが、その短時間で、接したケガ人や病人の人柄、家族との関係性、暮らしぶりが伝わってくることがある。
その人の人生の縮図を垣間見るような思いになった。
「この人を何とか助けてやってください。この人がいなくなったら、私は生きていけないんです!」
そう泣きながら夫の手を握る妻。
「おい、大丈夫だからな。きっと治るから心配するなよ」
心配そうにおばあさんを見つめるおじいさん。
「お母ちゃん、死なないで!
苦労ばっかりかけて、何もしてあげてないのに」
泣きながら母親に声をかける女性。
中には、呼吸停止していたためにCPR(心肺蘇生)しながら搬送した末、結局亡くなった人もいた。
悲しみにくれる家族の姿を見ることは、いくら救急現場活動に慣れている救急隊員だとはいえ、平気ではいられなかった。
助けられなかった悔しさを感じながら、別の思いも持った。
そばにいてくれる人の存在を、いつの間にか当たり前だと思っていたことに気づいた。
妻や子どもや両親。
かけがえのない存在なのに、気づけばいろんな事を後回しにしていた。
大切だと思っていても、思いを言葉にすることもなかった。
会いたがって頻繁に電話をくれる母に対しても、いつでも会えると思い、たまにしか実家に帰らなかった。
もし、この前の救急出動ののような状況になれば、自分は大きな後悔を残すことになるだろうと思った。
その後、いろんな現場を経験するたびに、ほんの少しずつだけど、後悔を減らせたと思う。
去年の8月、ある人からインスタグラムを勧められた。
「Twitterならやってますが、インスタをやっている年齢層は若いんでしょ。こんな年齢になってからは厳しいですね」
と答えると、
「あなたにはTwitterよりインスタの方が向いてますよ」
と言われた。
インスタグラムの始め方動画をたくさん見て、やってみた。
ほとんど反応はなかったが、今回のテーマのリール動画が、おどろくほどたくさんの「いいね」が付いた。
もちろん、まぐれとしか言いようがない。
けれど、同じような思いを持つ人が共感してくれたんだなぁ、と嬉しかった。
なので、シェアを。
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