銭湯のおっちゃん・大阪の銭湯で考える「チーフ〇〇・オフィサー」の謎
「なぁなぁ、店主。この新聞の記事、見てみぃ。」
湯上がりの一杯を片手に新聞を広げるおっちゃん。その視線の先には、「企業のCXO戦略」と題された記事が躍っている。
「CEOにCFO、CIOにCDO…って、一体なんやねん、このアルファベットだらけの肩書きは。昔は社長、部長、課長で分かりやすかったのに、近頃は何やらややこしいなぁ。」
番台の店主は、タオルで汗を拭きながら答える。
「ほんまやなぁ。最近は、どこの会社も『チーフ〇〇・オフィサー』って肩書きが増えとるみたいやで。まるで横文字の肩書き合戦や。」
「チーフ〇〇・オフィサー」…彼らは一体何者なのか？大阪の銭湯を舞台に、その謎に迫ってみよう。
CEO（最高経営責任者）
「CEOってなんやねん？社長とちゃうの？」
「社長みたいなもんやけど、もっと偉いんや。会社の舵取り役で、会社の進む方向を決める人やな。」
「ほな、社長は何してるんや？」
「CEOが決めた方向に沿って、会社全体を動かすのが社長の仕事や。」
「なるほどなぁ。まるで船長と操縦士みたいなもんか。」
CFO（最高財務責任者）
「CFOは、会社の財布を握ってる人や。お金の出入りを管理して、会社が儲かるように工夫するんや。」
「へぇ～、お金に詳しいんやな。うちの嫁はんにもCFOになってほしいわ。」
「あはは、そりゃええなぁ。でも、CFOは数字に強いだけじゃアカンで。会社の未来を見通す力も必要なんや。」
CIO（最高情報責任者）
「CIOは、コンピューターの専門家や。会社の情報システムを守ったり、新しい技術を導入したりするんや。」
「なるほど、最近はコンピューターが大事やからなぁ。うちの息子もパソコンばっかりいじってるわ。」
「CIOになるには、コンピューターの知識だけじゃなく、経営のことも分からなあかんねんで。」
CDO（最高データ責任者）
「CDOは、データの専門家や。会社のデータを分析して、新しい商品やサービスを生み出すんや。」
「データって、数字のことか？」
「数字だけやないで。お客さんの好みとか、商品の売れ行きとか、色んな情報がデータになるんや。」
「へぇ～、データって大事なんやなぁ。今度、うちの店の売上データも分析してもらおうかな。」
COO（最高執行責任者）
「COOは、CEOの右腕みたいなもんや。CEOの代わりに、会社の仕事をまとめてくれるんや。」
「ほな、CEOは楽できてるんやな。」
「いやいや、COOがいても、CEOは会社の責任者やから、最終的な判断はCEOがするんやで。」
「なるほどなぁ。まるで将軍と軍師みたいなもんか。」
CMO（最高マーケティング責任者）
「CMOは、商品の宣伝担当や。お客さんに商品を買ってもらうために、色んなアイデアを出すんや。」
「CMを作る人か？」
「CMだけやないで。チラシを作ったり、イベントを企画したり、色々するんや。」
「へぇ～、CMOって大変なんやなぁ。うちの店もCMOを雇って、もっとお客さんを増やしたいわ。」
CHO（最高人事責任者）
「CHOは、社員の採用や教育を担当する人や。優秀な人を採用して、会社を強くするんや。」
「なるほど、人材って大事やもんなぁ。うちの店もアルバイトがなかなか集まらへんのよ。」
「CHOは、社員のモチベーションを上げたり、働きやすい環境を作ったりするのも仕事やねんで。」
その他のCXO
「まだまだあるで。CLOは法律の専門家、CKOは知識の専門家、CPOは製品の専門家…って、きりがないわ。」
「そんなに専門家ばっかりいて、誰が何をやってるか分からんようになるなぁ。」
「せやなぁ。横文字の肩書きも、ほどほどにしてほしいもんやで。」
エピローグ
「ふぅ～、それにしてもようけあるなぁ。『チーフ〇〇・オフィサー』。」
新聞を畳みながら、おっちゃんは呟く。
「まぁ、世の中が複雑になって、仕事も細分化されとるんやから、仕方ないんかもしれんけどなぁ。」
番台の店主が笑って答える。
「せやなぁ。でも、あんまり増えすぎたら、また新しい肩書きができるかもしれへんで。
『チーフ肩書き整理オフィサー』とか…。」
二人の笑い声が、銭湯に響き渡る。
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