銭湯のおっちゃん・銭湯 de 国際交流! ~裸の付き合いは世界共通?!~
エピソード
「なぁ、店主。最近、外国人観光客が増えてるみたいやなぁ、なんやインバウンドっていう、なんかようわからんやつで、日本によう来てるみたいやな。」
おっちゃんは、湯船でゆったりとくつろぎながら、お湯のチェックにきた店主の方を見て言った。
「そうやなぁ。こないだも、欧米系のカップルが来てはったで。でも、言葉が通じんくて、困ってはったわ。」
店主も、困ったように眉をひそめた。
「言葉か…。せやけど、風呂は世界共通やろ? 言葉が通じんくても、気持ちは伝わるんとちゃうか?」
おっちゃんは、そう言ってニヤリと笑った。
次の日、おっちゃんが銭湯に行くと、番台に
「Welcome!」
と書かれた手書きの看板が掲げられていた。
「お、店主、やるやないかぁ!」
「せやねん。昨日、翻訳アプリをダウンロードしたんや。これで、外国人のお客さんとも、何とかコミュニケーション取れるやろ。」
店主は、スマホを片手に、自信満々に言った。
すると、ちょうどその時、ガタイの良い外国人男性が、戸惑った様子で銭湯に入ってきた。
「Whoa… Is this the place…?」(うわぁ…ここがそうなのかな…?)
男性は、あたりを見回しながら、低い声で言った。
「Welcome! Welcome!」(ようこそ!ようこそ!)
おっちゃんは、笑顔で男性に近づいた。
「お、お客さん、初めてでっか? ここは、こうやって使うんやで。」
おっちゃんは、身振り手振りで、洗い場の使い方やお風呂の入り方を説明した。
男性は、おっちゃんの説明を理解したようで、笑顔で頷いた。
「Thank you! You are so kind.」(ありがとう!あなたはとても親切ですね。)
男性は、英語でお礼を言った。
「No problem! Enjoy the bath!」(大丈夫ですよ!お風呂を楽しんでください!)
おっちゃんは、得意げに答えた。
男性は、服を脱ぎ始めた。すると、おっちゃんは目を丸くした。
「うわっ、なんやそのタトゥーは! すごいなぁ!」
男性の体には、龍や虎、鳳凰など、様々な模様のタトゥーがびっしりと刻まれていた。
「This is my life story.」(これは、私の人生の話です。)
男性は、誇らしげに胸を張った。
「へぇ~、人生の物語か。まるで、絵巻物みたいやなぁ。」
おっちゃんは、興味津々にタトゥーを見つめた。
「日本では、まだまだタトゥーは怖いイメージ持ってる人多いけど、外国では、アートなんやなぁ。」
「Yes, it is a part of my culture.」(ええ、私の文化の一部です。)
男性は、頷いた。
二人は、湯船に浸かりながら、お互いの文化や習慣について語り合った。
「I'm from New Zealand. Have you ever been there?」(私はニュージーランド出身です。そこに行ったことはありますか?)
男性が尋ねた。
「ニュージーランドか!行ったことないなぁ。どんな国なんや?」
「It's a beautiful country with lots of sheep and mountains.」(たくさんの羊と山がある美しい国です。)
「羊と山か…。日本の風景とは全然違うんやなぁ。」
「What about Japan? What do you like about your country?」(日本はどうですか? あなたの国のどんなところが好きですか?)
「日本か…。四季があって、美味しい食べ物がいっぱいあって、ええ国やで。」
「Sounds wonderful! I'm looking forward to exploring more of Japan.」(素晴らしいですね! 私は日本をもっと探索するのが楽しみです。)
言葉は完全に通じなくても、ジェスチャーや表情、そして温泉の温かさが、二人の心の距離を縮めていった。
「Japanese hot springs are the best! They warm both the body and the soul(日本の温泉は、最高だ! 体も心も、ポカポカになる。)」
男性は、目を輝かせながら言った。
「せやろ? 温泉は、日本の宝やねん。」
おっちゃんは、誇らしげに言った。
「I want to build a hot spring in my country someday(今度、俺の国にも、温泉を作りたいなぁ。)」
「おお、それはええなぁ! 俺も、手伝いに行くわ!」
二人は、大きな声で笑い合った。
その夜、おっちゃんは、いつもより熱い湯に浸かったような、高揚感を感じながら眠りについた。言葉や文化の違いを越えて、人と人との繋がりを感じることができた、特別な一日だった。
【巻末資料】
銭湯で外国人観光客と仲良くなるためのヒント
●笑顔で接する:笑顔は、世界共通のコミュニケーションツールだ。
●ジェスチャーを使う:言葉が通じなくても、身振り手振りで意思疎通を図ることができる。
●簡単な英語を話す:「Hello」「Thank you」「Enjoy」など、簡単な英語を話せると、よりコミュニケーションがスムーズになる。
●翻訳アプリを使う:翻訳アプリを使えば、より複雑な会話も可能になる。
●日本の文化を紹介する:日本の文化や習慣について紹介することで、外国人観光客との会話が弾む。
●相手国の文化に興味を持つ:相手国の文化に興味を持つことで、相互理解を深めることができる。
注釈
日本では、タトゥーに対して否定的なイメージを持つ人も少なくありません。そのため、タトゥーを入れていると入浴を断られる銭湯やスーパー銭湯もあります。
しかし、近年では、タトゥーを受け入れる銭湯も増えてきています。銭湯に行く前に、事前にタトゥーに関するルールを確認しておくと良いでしょう。
銭湯は、裸の付き合いを通して、人と人との心の距離を縮めることができる場所だ。言葉の壁を越えて、外国人観光客と交流してみよう!
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