ミニコミの話
今回はミニコミの話です。もちろん音楽系のミニコミ。
どれも貴重な情報が載っているし、お金儲けではなく"好き"だからこそ作っていた情熱や愛みたいのに溢れてます。
たくさん集めたいんだけど、なかなか手に入らない。たまにヤフオクやお店で見ても結構なプレミアになっちゃっていて手に入らない。
もともとコピー紙みたいなものも多いから、内容のコピーでもいいから欲しい。でも、持ってる人もあまりいない。何かいい方法はないですかね。
昔、ミニコミが流行ったのは、今のようなインターネットがなかったからという事は大きかったと思います。
そして2000年ぐらいからサイトも増えてきて、それ以降はいろんな情報がネットで拾える。しかし、それ以前の、特にバンドブームとかの前の情報とかはミニコミとかじゃないとなかなか手に入らないんですよね。
自分はいわゆる資料系のものが大好き。ミニコミ多少は集めたものもあるんですが、今回はそんな中でこれは資料本として無理してでも手に入れる価値のあるものと思うものを少しだけ紹介します。
いや、今回紹介のものはミニコミというよりかは自主制作本といったものでどれも凄いものです。
まずは、こちら。「裏P-MANIA~P-MODELの過去ハ、イカガ?~」です。P-MODELのファンの方でしたら有名なのでご存知だと思います。
三角山通信というフリーペーパーがありました。当時はファンの有志の方がフリーペーパーを作ってライブの度に入場待ちの人に配るという事をやってたりしていました。三角山通信というのはP-MODELのライブに行くと毎回配って貰っていたもの。その三角山通信を作っていた方が作ったものがこれです。ミニコミといってはいけない豪華な本。
マンドレイク時代から1993年まで歴代のいろんな雑誌のインタビューなど、わざわざ読みやすいように文字打ち直しています。なんと250ページ。
発行は1995年4月15日になっています。93年のイベント「裏P-MANIA」の補足用として発売するよ予定だったとのこと。
たしか制作しているうちにどんどんページ数も増えて、当初は800円で予約受け付けていたのが1900円になったのかな。このボリュームの本届いたら誰も文句言わなかったと思いますが。
10年前ぐらいだった、こちらの本をメカノが持ち込まれたけど店長もいくらの値付けをしてよいかに困り、ヤフオクに出品して値段をつけて貰うという事をした事がありました。その時10万オーバーでみんな驚いていましたが、最近のヤフオク見ると簡単に10万超するインフレ状態なので、今だったらもっと値段つくのかもしれません。
(2021年5月8日追記 ヤフオクに出品された裏P本が昨日落札され驚愕の65万超えでした!!)
自分も昔、会社辞めてお金ない時にビデオやら何やらP-MODEL関連のプレミアものまとめて手放しちゃったんですが、これは手放せませんでした。
これ書いていて思い出しましたが、どうしても聞きたいものがあって本作った方にお手紙出したりしました。今だったらメールとかファイル添付とかそんな感じなんでしょうけど、昔はブランクのカセットテープと返信用切手を送ってとかそんな時代だったんです。
そもそもそんな事しなくても動画サイトにころがってるのか。
こちらは有頂天のファンなら有名な「僕らが見ていた夢の終わりに2」です。有頂天の解散コンサートに行った時、ライブ会場出たところで販売していて買ったものです。なんとなく買ったんですが本当に買ってよかった。
1984年から91年までの歴代のライブのフライヤーやセットリストなど。ディスクゴラフィーなどもありますが、圧巻は最後のライブ全記録。全102ページ。
自分はケラさんのファンサイトを20年ちょっと前に作りましたが、かなりこの本は参考にさせていただきました。自分はこの本の1は持ってないんですが、1は数ぺージの写真だけのもので2が出るまでのオマケだったようです。20年以上前にその自分のサイトの掲示板に、この本作った永田さんが書き込みされて、問い合わせが多いから再販検討しようかと思っているという話もあったんですが...。まだ待ってる人も多いんじゃないでしょうか。永田さんはP-MODEL本も出していたそうで、そちらもいつか読みたいなあ。
この本のことは当時宝島でもKERAさんが紹介していたので読んだ人もいるかもしれません。
今回はDOLLの1991年12月のKERAさんのインタビューより引用します。
でも、解散コンサートの時、ミニコミ売っててさ、有頂天のことをもの凄く克明に書いてあんの。こっちが忘れているようなことも。あんまり私情は書いてないんだけど、数行のコメントだけで、凄く有頂天をわかってくれてたんだなって。そういう人が一人でも二人でもいたってことは、あることを成し遂げたんだなという至福感があったな。ホント、感謝というかね。俺、Pモデルにそこまでしないもん(笑)
このとっても大事な本、実は一度大阪のファンの方が上京した時に貸したまま返して貰えず。買い直すにもプレミアだしと困ってた時に、持ってる方から譲っていただき再び手に入れる事ができました。本当にありがとうございました。
P-MODELを紹介したからという訳ではありませんが、こちらはヒカシュー本「HIGGLEDY-PIGGLEDY」です。こちらはきちんとしたオフィシャル本なので今回の紹介のカテゴリに入れるのはおかしいかもしれませんが、流通にのったものではないので紹介します。
ヒカシューのファンクラブ100号記念で作られたもののようで、1988年発行。全194ページ。1980年6月の1号から1988年9月の100号までの抜粋、その他インタビューやアンケートなど。最初の10年ぐらいのすべてが詰まっています。
こちらはMUNION発行のミニコミ「日本のパンクロック」です。82年発行。122ページ。町田町蔵(INU)、平沢進(P-MODEL)、モモヨ(LIZARD)他多数のインタビューも貴重ですが、圧巻の特集が2つ。
ひとつめは「日本のパンクロック76→81」貴重な当時のライブ年表が載っています。貴重な資料。
もうひとつが巻末の107バンド紹介している人名辞典。82年当時のインディーズシーンのいろいろなバンドの紹介が載っています。ネット探してもでてこないようなバンドの情報もあります。巻末のバンド索引だけ写真のせますが、これを見ていただくとわかっていただけるかと。
インターネットがでてきて、ミニコミの需要は減ってしまったかもしれません。
これらの本と並べるのは恐縮すぎて恥ずかしいですが、ミニコミ好きが乗じて、1度ぐらいミニコミ作ろうという事で作ったものを最後に。完全な自己満足で作ったものですが、2018年12月に発行しました。
中野テルヲさんのお仕事を網羅を目指して作ったものです。今の時代だとスキャンやら編集もソフトで簡単にといってもA5サイズ全24P程度でひいこら作ったので、本当に先人の方たちのミニコミには頭が下がります。
需要もそうだけど、いろいろうるさい世の中になって、P-MODELや有頂天のやつみたいに雑誌などの勝手な引用などは難しくなってきているのもあるのかな。webだったら怒られたら消せばよいや(本当はダメだけど)ぐらいでやっちゃう事あるけど、お金とる本となるとそうはいかないと、自分も気をつけながら作りました。ジャケ画像は拾い物は使わないで全部自分でスキャンしものか協力いただいた方に貰ったものを使用したり、と。20年後ぐらいにプレミアついたら嬉しいな(笑)
追記 実際にヤフオクで5000円で売り買いされてしまい、サイズ大きくして増刷しました。興味ある方よろしくお願いします。