次の攻撃オプションから考える 結局、ラインアウトは何人が良いの?③
クボタスピアーズ 今野です。
スーパーラグビー始まりました。
やっぱり面白いですね。
しかし、引き続き、「ラインアウトは何人のセットアップが良いのか?」書きます。
本日で最後です。
前回までは、
1.使えるスペースから考える
2.チームのメンバー構成で考える
でした。
今回は、次の攻撃オプションから優位性のある人数を考えてみます。
3.次の攻撃のオプションで考える
次の攻撃オプションなので「ボールの獲得」を前提に、その後どうやって前進するか?の視点だけ考えてみます。
〇モールを組む場合
「モールを組む」だけだと、幅が広いですが、多くのチームは5・6・7人で組む事が多いです。レシーバーの位置にSHを置く時とFWを置く時があります。
・5人の場合を考えてみる
相手のDFシステムが、どのエリアでも常にジャンプをしてスチールを狙ってくる場合、モールはしやすいかもしれません。
ジャンプポッドに3人使ってしまうので、もしうまい事ずらす事ができると、最初から勢いをつけて入ってこれるDFは2人しか残っていない事になります。相手の人数が少ないうちに、こちらはジャンプポッド+リッパー+残り2人の6対2で押し始める事ができます。
あとは、例外的に1人強い選手がいる時も良いかなと思います。
モールの先頭の役割において(まぁモール以外もですが)19-20シーズンのクボタスピアーズで言うと、ドウェイン・フェルミューレンが圧倒的に強かったです。彼のようなめちゃくちゃ強い選手をできるだけモールの先頭(リフター)にしたいと考えると、7manより5manの方がより多くのオプションに絡める事ができます。
・6、7人の場合を考えてみる
6人ラインアウトでレシーバーにFWを入れると考えると、両方ともFW全員がラインアウトに参加している事になります。
なので、レシーバーをFWにしてしまえばあまり大きな違いはなく、モールだけで考えると正直どっちでも良いのではないかと思います。元も子もないですがチームの戦術次第です…。
〇キックをする場合
メンバーの中に、良いキッカーがいるのであれば、ハイパントに対してプレッシャーをかけて、ターンオーバーを狙う事を考えて人数を検討しては如何でしょうか。
例えばSHからのボックスキックを①モールから蹴るか②キャッチした選手から直接もらって蹴るかでも、人数によって蹴りやすさはあると考えられます。
①のモールから蹴る場合は、6・7人くらいで、できるだけ長いモールにした方がキッカーに対するプレッシャーは和らぎます。ただ、モールに人数をかけすぎるとキックチェイスが手薄になり、キックカウンターをくらったり、狙いのはずのターンオーバーができなくなってしまいます。その為、5人ラインアウトで、残りのFWはチェイスしやすい位置に配置するという考えで人数を決定してもいいかもしれないです。
②のキャッチした選手から直接貰って蹴る場合は、少なくとも5人はいた方が良いかな?という印象です。
「このチームは直接蹴ってくる事がある」というデータがあれば、誰か1人くらいは常にそれを念頭にキックチャージを狙ってきます。
その際に、5人以上であれば、ジャンプポッド以外に2人以上立っているので、チャージするのに大回りしていかないといけなくなります(AT側はオブストラクションに注意しましょう)。4人以下の場合だと、チャージ狙いで来た場合に、スペースがありすぎてキッカーへのプレッシャーが激しいと考えられます。
また、人数は関係ないですが、直接貰って蹴る場合、獲得の部分がかなり安定していて、且つキャッチャーからのデリバリーも蹴りやすい位置に丁寧に落とさないといけませんので、少し難易度は高くなるのかなと感じます。
〇少人数は…?
今までの話だけ読んでいると、5・6・7人の話しかないので「4人とか使えないじゃん!」となりますが、安心して下さい。
4人でやりやすいオプションもあります。
それは、「2次攻撃で逆目を攻める」です。
まぁポイントは色々あるんでしょうが、あまり細かく考えていないので端的に言うと、みんな順目に回っちゃってるから人が少なくてスペースいっぱいあるよって事です。
ただ、それしかオプション持っていないと使えないので、汎用性が高いのはやっぱり5・6・7人なのかなーと思います。
結論
結局何人のラインアウトが良いの?と長々と書いての結論は、
最初に「優位性がある人数を選択する事」と書いた通り、
ベストというものはないです。
チームのメンバー構成や、攻撃の狙いによって変わってきます。
相変わらず当たり前のような話となりましたが、やっているチームが多いからやるは、手本がたくさんあるという事ですが、対策もたくさんあります。
自分達に合った人数を選択して、オリジナリティのある楽しいラインアウトライフを獲得して下さい。
以上
ありがとうございました。
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