高栁 実 @ 和装バッグプランナー

和装バック工房 アトツギ/アトツギピッチ2022 準グランプリ/アトツギ写真部事務局長/大阪商品計画2020選出者/JapanFair2019参加/ 経営心理士/ アトツギベンチャー /ユーザー目線のものづくりを行い、職人さんの後継者を育成することが自分の使命

高栁 実 @ 和装バッグプランナー

和装バック工房 アトツギ/アトツギピッチ2022 準グランプリ/アトツギ写真部事務局長/大阪商品計画2020選出者/JapanFair2019参加/ 経営心理士/ アトツギベンチャー /ユーザー目線のものづくりを行い、職人さんの後継者を育成することが自分の使命

マガジン

  • 町工場しくじり先生

    町工場アトツギが、失敗を重ねながらブランディングに目覚めていく過程を自虐を交えながら楽しく振り返るコンテンツです。

最近の記事

アトツギ甲子園を経て感じたこと

第3回アトツギ甲子園決勝大会が2022年3月3日に開催されました。私は中日本ブロック大会を戦い、のファイナル進出を逃しましたが、最終的にファイナリスト15名とは別枠の準ファイナリスト(3名)に選出頂けました。39歳の私にとって最初で最後のアトツギ甲子園。ここに至るまでの経緯と、書類選考・当日のピッチを通して感じたことを備忘録的に書き記したいと思います。 来年以降アトツギ甲子園にエントリーされるアトツギの方は勿論、アトツギ界隈やアトツギ甲子園について知りたいというアトツギ以外

    • 和装バッグ製造下請け企業がリスクを取って新規事業を始めた理由

      初めまして、株式会社巽クレアティフの高栁 実(タカヤナギ ミノル)と申します。弊社は個人事業時代を合わせると創業39年目を迎える和装バッグ製造工房(町工場)で、私はそのアトツギとして12年前の2010年家業に入りました。 ここでは当社、深く考えず家業に入ってしまった私が、業界の現状を知り、新規事業を打ち出すに至った経緯をお話させて頂ければと思います。 1.和装業界を取り巻く環境 私が入社した和装業界というのは上記のように長らく右肩下がりの業界です。着物を普段着るという文

      • 町工場しくじり先生、ブランディング確立までの道のり(バッグ製造体験編)

        こんにちは、和装バッグ製造工房アトツギの高栁 実です。好評頂いている『町工場しくじり先生』シリーズなのですが、タイトルの後半を『ブランディング確立までの道のり』と変え、連載を続けて行こうと思います。 といいますのも、記事を書くに当たり、沢山の方のお世話になってきたということを改めて感じ、また結果的に事業化しなかっただけでそこから得た教訓は大きく『事業化出来なかったのはあくまで自分の責任であり、その過程まで失敗と言うのは関わって頂いた方に失礼』と感じた為です。 自分自身に対

        • 町工場しくじり先生、失敗から学んだブランディングの大切さ(和装バッグ作成キット編)

          こんにちは、和装バッグ製造工房アトツギの高栁 実です。先日『町工場しくじり先生、失敗から学んだブランディングの大切さ(カタログ制作編)』 を執筆したのですが、ありがたいことに続編希望を頂き、第二弾を出すに至りました。今回の記事から見られた方は良かったら第一話からご覧頂ければ幸いです。 さて、前回『やってみたい』という動機と勢いだけで自社のカタログを製作した私ですが、『どこで差別化し、どのように販路を作って行くか』と言う視点を欠いたカタログ・セミオーダー事業は、カタログの在庫

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        • 町工場しくじり先生
          3本

        記事

          町工場しくじり先生、失敗から学んだブランディングの大切さ。(カタログ制作編)

          初めまして、株式会社巽クレアティフの高柳 実と申します。私は和装バッグ製造工房のアトツギとして2010年に家業に入り、紆余曲折を経て今回アップサイクルブランド『TATSUMI』を2022年10月6日、マクアケさんにてローンチするに至りました。 OEM、所謂下請け製造していなかった町工場が、新たなブランドを生み出すということは、正直物凄くハードルが高く、当初は何をすればよいか全く分かりませんでした。『こんなに遠回りしなくても良かったな』今思えば失敗エピソードだらけです。そこで

          町工場しくじり先生、失敗から学んだブランディングの大切さ。(カタログ制作編)

          和装バックが進化する為に乗り越えないといけない課題②

          前回の記事で、「革新的な形を作っても業界で評価されない」ということについてお話しました。 今日は和装バックが進化しない第2の理由、コスト面の課題についてお話したいと思います。和装バックの新型を起こす際は型紙の切り出しという大変な作業に取り組む必要があります。 新型作成の流れとしては 1.モチーフを探す 雑誌やインターネットで見つけた写真を元にベースとなる形を決めます。 2.口金の枠を決める ここが他の鞄(レザーバック等)と大きく異る点で、和装バックは横溝の口金を使用す

          和装バックが進化する為に乗り越えないといけない課題②

          和装バックが進化する為に乗り越えないといけない課題①

          何故和装バックのデザインは変化しないのか?何故もっと便利にならないのか?今回のテーマですが、私は10年間和装バック製造に携わってきて見えてきたことがあります。 「前例のない形の鞄を作っても業界では色物扱いされてしまう」 これが和装バックが進化出来ない1つ目の最も大きな理由です。 私は以前、百貨店の和装売場を周り、販売スタッフに聞いて回ったことがあります。 私「ユーザーはどのような商品を求めていますか? どのようなニーズがありますか?」 販売員さん「そうですね、成人式も

          和装バックが進化する為に乗り越えないといけない課題①

          私が本場大島紬のマスクをプレゼントする理由

          ※この記事は以前出島戦略として個人事業をしていた時のお話です。現在は家業である法人、株式会社巽クレアティフの副社長として活動しております。 私は大阪でHareru(ハレル)という小さなバック工房をしている高栁 実と申します。2010年に家業である和装鞄下請け工房に入社し、10年間和装バックのことを勉強し2020年4月、自分の事業を起業するに至りました。 私が和装業界に入った際に感じたことや想いについてはこちらをご覧頂ければ幸いです。 今回の本場大島紬のメンズマスクプレゼ

          私が本場大島紬のマスクをプレゼントする理由

          何のために働くのか?

          「何のために働くのか?」 幼かった当時の私が分かっていた筈はありません(笑) 生まれ持って自分の使命や、やりたいことがある人は稀だと私は思います。 無邪気な幼少時代を過ごし、学生となり、やがて社会人となり・・・ 早い人は学生時代に自分のやりたいことや使命に出会われる方もいらっしゃるかもしれません。私はただただアルバイトバイトとサークルに明け暮れる学生時代を過ごしました。 社会人となっても同じ。ベンチャーブームに乗って広告業界・外食業界と渡り歩きましたが、漠然と「