【論文で分析】ヴェイパーフライでホントに速くなるの?
どうも。クニタツ日記を読んでいただきありがとうございます。
今日は一時期話題になった、あの厚底シューズについて書きたいと思います。
今年の箱根駅伝ではほとんどの選手がはいていたあのシューズ、「ヴェイパーフライ」という靴の特徴に関する論文を探して、ロジカルに分析してみました。
世間で話題になったのはヴェイパーフライネクスト%ですが、その前にヴェイパーフライ4%という靴があったのを皆さんご存じでしょうか。
今日はそのヴェイパーフライ4%のプロトタイプの時の実験や、そのメカニズム、4%という名前の由来について書きたいと思います。今日は文章量多いですが、どうぞ最後までお付き合いください!
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事実、ヴェイパーフライでランニングエコノミー改善
まずは結論から述べると、「ヴェイパーフライをはけばランニングエコノミーが改善される」つまり、速く走れる。これには大きく「クッション性と柔軟性を持ったソール」と「硬いカーボンプレート」が大きく関わってくる。
この事実を裏付ける論文を3つ紹介したい。
①柔らかくてクッション性のある靴とランニングエコノミー
「柔らかく弾力のあるミッドソールを備えたランニングシューズは、トレッドミルと地上での実験中に、ランニングエコノミーに平均1.0%の影響を与えることがわかりました。」
引用:柔らかく弾力性のあるランニングシューズのクッション性がランニングエコノミーを向上
この実験では12人を対象にアディダスの製品でミッドソール以外の条件を同じにして、行われた実験である。結果は上に書いてある通り、柔らかくて弾性のあるミッドソールのほうがランニングエコノミーを改善する(速くなる)ことがわかった。
※ランニングエコノミーについては説明が難しいので省略する。
②靴のミッドソールの縦方向の曲げ剛性とランニングエコノミー
「対照のミッドソールと比較して硬いミッドソールで被験者が走った場合、約1%の代謝エネルギーの節約が観察されました。」
引用:靴のミッドソールの縦方向の曲げ剛性とランニングエコノミー、関節のエネルギー、EMG
この実験では13人を対象にミッドソールに硬さの異なるカーボンプレートを挿入し、ランニングエコノミーなどを計測した。結果は硬いミッドソールで走った場合、平均1パーセントの代謝エネルギーの節約につながったそうだ。
ちなみにこの実験で個人的に面白かったのは、ただ硬くすればいいわけではなく、硬さとパフォーマンスの関係にはU字型がみられる、ということ。(確かにめちゃ硬いローファーは走りにくい(笑))
③ヴェイパーはこの2つを合体させて作られた
以上の2つの実験、その他多数の根拠を踏まえたうえで、ヴェイパーフライのプロトタイプの実験が行われた。
対照群として選ばれたのは、ナイキ ズームストリーク6(以下ストリーク) とアディゼロ アディオス ブースト2(以下アディオス)(日本でいうジャパン ブースト2)
18人を対象にランニングエコノミーなどを測定したこの実験結果は、驚くべきものだった。
「プロトタイプの靴は、ランニングのエネルギーコストを平均4%削減しました。」
引用:マラソンレーシングシューズでのランニングのエネルギーコストの比較
https://link.springer.com/article/10.1007/s40279-017-0811-2
なんとランニングエコノミーが4%も改善されたのだ。
プロトタイプはほかの2足と比べカーボンプレートが埋め込まれており、さらにそれぞれの靴の弾性力(ミッドソール)はストリーク75.9%、アディオス65.5%、プロトタイプ87.0%と明らかなものだった。その結果、プロトタイプは「他のシューズの2倍以上の機械的エネルギーを返すことができます。」と書いてあった。
この実験結果がヴェイパーフライ4%の由来となった。
以上の実験が示す通り、ヴェイパーフライはランニングエコノミーを改善する。数々の好記録の裏には、このような最新の科学の結集があの厚底に詰まっていた。
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まとめ
いかがだったでしょうか。僕も調べていくうちに感情論抜きに、あの靴がとてもすごい記録にコミットさせてくれていることがわかりました。
今はヴェイパーフライ4%よりも安定性、クッション性を備えたヴェイパーフライネクスト%や、アルファフライといった素晴らしいシューズが世の中にはあります。
例えば大幅に自己ベストを更新したいとき、いろいろなアプローチから考えることができます。なんでこの靴がいいのか自分で調べてみて実際に試し、結果を残せたら選手としてこんなに楽しいことはないなーと思わせてくれる実験や論文たちでした。
今日はこの辺で。
最後まで読んでいただきありがとうございました!!では、またらいしゅーう。
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