【美味クレソン】5話 おにぎり慕情
どうも~お久しぶり!私の名前は不幸田幸子(ふこうださちこ)
不幸でもない幸福でもない。The.50/50 フィフティ・フィフティの女と呼ばれています。
水口新聞社に入社して1年目の新人なのに、
『究極のクレソンメニュー』の担当に抜擢されたの。
そして、もう1人の担当者がミズグチスイデンたつじさん。
いつも寝てばかりで何を考えているのやら、んもう、先が
思いやられます。
幸子「今日は大学時代の友人、清君が訪ねてくるんだけど、そろそろ来るかしら」
清「幸子久しぶりー!大学時代からだから、かれこれ2年振りぐらいかな」
幸子「ところで清君、ずいぶんとお腹の方が出ているじゃない」
清「バレたかー。ストレスでコンビニのおにぎりをヤケ食いしてたらこうなったんだ」
幸子「昔から清君は、おにぎりが好きだったわね。でも、もっと食生活に気をつけないと」
清「そ、そ、そうなんだな。お、お、おにぎりが好きなんだな。気をつけます」
幸子「もっとヘルシーな、おにぎりがあるはず!よし、たつじさんに相談してみよう」
たつじ「おにぎりは奥が深い。アレンジ次第でヘルシーなおにぎりも作れるからな。ヨシ!作ってみるか」
海遊「ぶあはあはーまたしても知ったか振りよって。この青二才めが!」
たつじ・幸子「山原海遊!」
山原海遊とは?
自称、大芸術家。食もまた芸術と考える稀代の美食家であり、それが嵩じて会員制料亭「美食クレソン倶楽部」を主宰している。ミズグチスイデンたつじとの関係はいかに?
海遊「一応に、おにぎりといっても歴史が深い。ヘルシーという横文字ひとつで、どうこうできる問題でもあるまい」
たつじ「それはどうかな?これをどうぞ」
海遊「う、美味い!な、何だこのおにぎりは!」
たつじ「水口水田のクレソンおにぎりです。お肉とクレソンソースが絡み合い、お互いが主張し合っても何の違和感もない、とても不思議な味です」
海遊「うむ。引き立て役も必要だが、ときには主張するのも大切だな。例えば…」
幸子「GO-BANG'Sよ!1980年後半に一世風靡したガールズバンド、GO-BANG'Sの『あいにきてI・NEED・YOU!』よ!」
海遊・たつじ「……」
幸子「会いに来てといいながら、なおかつl need you!と主張に主張を重ねても何の違和感もない。何にでも忖度するこのご時世、主張するのは本当に大切だと思うの」
清「いいこと言うじゃねーか!幸子。この美味しいおにぎりを食べた後は、気分がスッキリして人生うまくいく気がするぞー」
海遊「わっはっはっ!ずいぶんと開き直りよって!青年よ、その気持ちの切り替えが大事なんじゃ。例えば…」
幸子「TOM★CATよ!1980年代後半に一世風靡した、テクノバンドTOM★CATの『ふられ気分でRock'nRoll』よ!」
海遊・たつじ「……」
幸子「ふられているのにも関らず、Rock'nRollと言う生き様がすごいわ。たかが開き直り、されど開き直り、まさに究極の開き直りだわ!」
清「幸子、お前例え話が上手くなったなぁ。やるじゃーねーか。元気が出たら腹が減ってきたぜ」
幸子「おにぎりはもういいの?」
清「ぼ、ぼ、ぼくは、やっぱり、お、お、おおにぎりが食べたいんだなぁ」
幸子「まあ、清君ったら」
一同「はっはっはっはぁー」
海遊「たつじよ、いい仲間を持ちよって」
【美味クレソン】続くかも…
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