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バイデン政権のパレスチナ人への資金提供再開は反テロ法制違反である
トランプ政権によって2018年に制定された「テイラー・フォース・アクト」という反テロ法制は、パレスチナ自治政府がテロリストとその家族に報奨金を与える法律を変更するまでの間、米国がパレスチナ自治政府への資金提供を停止することを定めている。ところが、バイデン政権は、パレスチナ自治政府がテロリストへの支給を継続しているにもかかわらず、パレスチナ自治政府への資金提供を再開すると表明した。これは明確な法律違反である。
テキサス州のテッド・クルーズ上院議員を含む18人の共和党の上院議員たちは4月8日木曜日に、トニー・ブリンケン国務長官に手紙を書き、バイデン政権がパレスチナ人のために2億5千万ドルを支出する計画を発表したことへの反対意見を表明した。これらの上院議員たちは、そのバイデン政権の提案が反テロ法制に違反していると主張している。[1]
2018年に制定されたその法律は、パレスチナ自治政府がテロリストやテロリストの家族に対して給料や年金を支払っている限り、米国の納税者のドルがパレスチナ自治政府の支援のために使われることはないとしている。にもかかららず、バイデン政権は4月7日水曜日に、パレスチナ人のために2億5千万ドルを支出すると表明した。
2018年に、ドナルド・トランプ大統領は「テイラー・フォース・アクト」の法制化に署名した。この法制は、パレスチナ自治政府が死亡したテロリストの家族や、イスラエルの刑務所に収監されているテロリストへの支給を継続している限り、米国がパレスチナ自治政府に対して経済的な支援をすることはないと定めている。テロへの報酬の終了を拒絶したパレスチナ人指導部は、米国の資金提供を失った。トランプ大統領はまた、パレスチナ難民救済事業機関への資金提供も削減した。パレスチナ難民救済事業機関がテロを支援してきたことに対する懸念があったからである。テイラー・フォース・アクトは、ワクチン接種プログラムなどの人道的な活動に関しては免除することを許可している。
ブリンケン国務長官は「すべての援助は米国の法律と矛盾しない仕方で提供されることになる」と主張したが、どうすればその資金提供がテイラー・フォース・アクトに従うことになるのかについての説明はしなかった。ブリンケン国務長官はまた、パレスチナ自治政府やパレスチナ難民救済事業機関の内部における改革の証拠も提示しなかった。
手紙の中で、クルーズ上院議員たちは、バイデン政権の資金提供がテイラー・フォース・アクトに違反していることを強調している。なぜなら、提供された資金は公共事業のために使われており、それは、テロリストを支援するパレスチナ自治政府の予算の中の、自由な資金であるからだ。以下に手紙からの引用を訳出したい。
《3月18日に、国務省はテイラー・フォース・アクトの下で義務に従って、未公開の報告を下院議会に回付しました。この報告は、パレスチナ自治政府がこの数年間に、何億ドルもの資金をテロリストたちやテロリストの家族に注ぎ込んできたことや、2019年だけでもパレスチナ自治政府が約3億4,260万ドルをそのような報酬として支出する意志を表明していたことを立証しました。(中略) 3月19日に会計検査院が発表した報告によって明らかになったところによると、米国国際開発庁がパレスチナ支援を分配していた2015年から2019年の会計年度の間に、米国国際開発庁はそれらの助成金がテロリストのグループやテロリストたちの手に渡っていないことを「一貫して確証することを実行していなかった」のです。》
テイラー・フォース・アクトは、パレスチナ人テロリストによって殺害されたテイラー・フォースさんを記念する反テロ法制である。フォースさんは元米陸軍将校であり、アフガニスタン戦争とイラク戦争の従軍兵だった。2016年3月、フォースさんはテルアビブでパレスチナ人によってナイフで殺害された。ヴァンダービルト大学の大学院生だった28歳のフォースさんは、大学主催の春休み旅行でイスラエルを訪れていた。
この法律の主要な目的は、パレスチナ自治政府が若いパレスチナ人をテロリズムの行動へと駆り立てることの防止である。テロリストやその家族に経済的支援を提供しているパレスチナ自治政府の支配の下では、若いパレスチナ人が収入という観点から家族にできる最善の事柄は、おそらくテロリストになることなのである。そのような病的な状況を改善することが、テイラー・フォース・アクトの目的なのだ。
この法律の制定に貢献したリンゼー・グラハム上院議員は、この法案が審議されていた2017年に、この法律の目的について次のように述べた。
「この法案は、パレスチナ自治政府が彼らの法律を変更するまでの間、パレスチナ自治政府への資金提供を停止することになります。テロリズムに報奨金を与え、テイラー・フォースさんのような若者を殺害した見返りとして人々に報奨金を与える法律を変更するまでの間です。私は彼の死を無駄にしたくはありません。」[2]
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