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日本基督教団の統一教会消滅宣言とナイフ事件

ルポライターの米本和広氏によると、日本基督教団は1993年の教団総会において、「統一協会が消滅するまで活動したい」というひとりの牧師の発言を、総会決議として、賛成多数で可決しました。

この決議について、米本氏は次のように述べています。

「一つの既成宗教団体が別の新興教団が消滅するまで活動を続けると高言するのは、異様というほかない。」

当時、私は福島で伝道師として働き始めたばかりでした。家庭連合の方々には、申し訳ないのですが、日本基督教団の教師でありながら、私はこの決議についてまったく関心がなく、気に留めてもいませんでした。今更ながら、とんでもない決議が行われていたことに愕然とさせられます。

統一教会が消滅するまで活動するという異様な宣言は、イランのイスラム政権がイスラエルを消滅させると宣言していることを連想させます。その異様な宣言は、まるでテロ支援国家が発表した声明のようです。

それにしても、昨年10月に岸田内閣が解散命令請求を裁判所に提出したことで、日本基督教団の異様な宣言が現実味を帯びてきてしまいました。

統一教会が消滅するまで活動するということは、信者をひとり残らず抹殺するということです。まるでテロ組織が発表するような宣言を発表する日本基督教団の方が、旧統一教会よりも、はるかに反社会的です。

この宣言が決議された翌々年の1995年1月には、阪神淡路大震災が起こります。その翌月の2月1日、震災活動センターの責任者であった桑原重夫牧師や菅沢邦明牧師のグループが、関西学院大学の会議室に突然入室し、ナイフ事件を起こします。菅沢牧師が関西学院の理事長にナイフを突きつけ、学院内に仮設住宅のための土地を提供するよう要求しました。

当時の教団常議員であった小林貞夫氏によると、その後の常議員会で、菅沢牧師は「ナイフ事件なんてなかった」と主張し続けたそうです。暴力容認派が常議員会で多数を占めており、事件を起こした牧師たちには、震災活動センターの任務を解任されただけの軽い処分しかくだされませんでした。

これが、統一教会を迫害し続けてきた日本基督教団の異様な実態です。いったい解散させられるべきなのは、どちらの団体なのでしょうか。

資料
🟦 米本和広『我らの不快な隣人』情報センター出版局、2008年、p.175。
🟦小林貞夫『日本基督教団 実録 教団紛争史』メタ・ブレーン、2011年、p.92〜94。

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